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目の奥がチカチカ光るから
天使のお迎えが来たのかと期待して
そっと目蓋を開いた
瑞々しい緑が蛍光色の様に輝いて真っ白になって消えてしまう頃
僕の目は光を通さない唯の
タンパク質になってしまったのだと
知った
小鳥の囀りは止むことなく降ってくるのに視界は暗いまま
最後に見た緑さえ
本物なのか疑わしくなって恐る恐る手を伸ばせば
冷たいコンクリートの感触しかなくて
あぁ
何処までが確かな記憶なんだろうと
長い溜息が零れた
君は誰…?
遠くで響く誰かの声は記憶には残ってない
僕は誰…?
頭で響く僕の声は何故か記憶に残ってない
硬いコンクリートの先に君が居るなら壊してみようか
これから君の声を覚えるから
だから…