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2008年10月14日
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今年のF1サーカスもいよいよ残り2戦となり、選手権の

ラーリのマッサ選手に、BMWのクビサ選手が待ったをか
けつつあるデッドヒートの様相を呈してきました。

今シーズンの開幕遠征戦のころには、明らかにフェラーリ
チームが一頭抜きん出て速く、そのままシーズンが進めば
ライコネン選手の2連覇が予想されていたものの、ヨーロッ
パラウンドに入るとフェラーリは失速、対して例年より早め
に開発が進んできたマクラーレンが勝ち星を上げるように

ルノーがしっかりと勝ち残ったため、チャンピオン候補の
ライコネン選手は選手権から脱落、昨日の勝者は今日の敗
者のような混戦模様です。

フェラーリに限って言えば、今年初開催のバレンシア市街
地コース以外では6月のフランスGP以来勝てておらず、
もはや勝つ実力を失ったというのか、勝てなくてもチャン
ピオン争いをしているのだからやはり強いというのか、非
常に解釈が難しい状況になってきました。

しかしながら、今シーズンは中盤以降で勝てないレースが
続いていることは上記のとおりでありまして、ドライバー
の能力に差があるマクラーレンと違って、なぜフェラーリ

やっている者の気分も紛れるというものだろうと思います。


題して「スクデーリア・フェラーリはなぜ勝てないのか?」


さて、問題解決にあたって、原因を考えるためのフレーム
ワーク「ロジックツリー」を使ってみましょう。

標題に対して、どのような原因(要素)が考えられるでしょ


A:人に関する要素
B:モノ(資源)に関する要素

Aは、A1:ドライバーとA2:チームスタッフに分かれます。
Bは、B1:クルマとB2:レースチームに分かれます。

A1をみていくと、
A1イ:ライコネン選手
A1ロ:マッサ選手
A1ハ:テストドライバー

A2は、
A2イ:ルーカ・ディ・モンテツェーモロ、
A2ロ:ステファノ・ドメニカッリ
A2ハ:アルド・コスタ
A2ニ:その他チームスタッフ

Bのモノの方をみていくと、
B1イ:スピード
B1ロ:信頼性
B1ハ:俊敏性(慣性モーメント大きさ)
B1ニ:ハンドリング

B2イ:技術
B2ロ:人員
B2ハ:予算
B2ニ:設備

などなどが考えられそうです。


このあたりから原因を考えていくと、「勝てない」という
事実に対してどのような問題がありそうでしょう?

ここで目的を整理すると、レースで勝つための最低限の条
件というのは「ライバルよりも、少しだけでいいから早く
ゴールラインを通過すること」ですね。

すると、上記に挙げたこれらの要素がライバルよりも劣って
いる点が原因と考えられます。

それでは、どんなことが考えられるでしょうか。

A1の対象をレースドライバーだけにしてみて考えると、

A1イ甲:ライコネン選手の運転技術
A1イ乙:ライコネン選手のサーキットとの相性
A1イ丙:ライコネン選手のやる気

A1ロ甲:マッサ選手の運転技術
A1ロ乙:マッサ選手のサーキットとの相性
A1ロ丙:マッサ選手のやる気

A2の対象を現場関係者だけにしてみて考えると、

A2ロ甲:ステファノ・ドメニカッリの戦略立案能力
A2ロ乙:ステファノ・ドメニカッリのマネジメント能力
A2ロ丙:ステファノ・ドメニカッリのリーダー能力

A2ハ甲:アルド・コスタの発明能力
A2ハ乙:アルド・コスタの先端技術開発能力
A2ハ丙:アルド・コスタの技術確立能力

A2ニ甲:その他チームスタッフの目的/手段の理解能力
A2ニ乙:その他チームスタッフの戦術手段の最適化能力
A2ニ丙:その他チームスタッフの協調能力

など、なにやら色々と考えられますね。一方Bの方では、

B1イ甲:最高速スピード
B1イ乙:カーブの旋回スピード
B1イ丙:加減速スピード

B1ロ甲:設計仕様をクリアする絶対性能
B1ロ乙:300Km以上(エンジン等は別基準)走る耐久性
B1ロ丙:ドライバーが感じる運転快適性

B1ハ甲:X,Y,Z軸の慣性モーメントが最小であること
B1ハ乙:ドライバーの操作意思に正確に反応すること
B1ハ丙:タイヤのグリップを最大限引き出せていること

B1ニ甲:クルマのバランスを維持できること
B1ニ乙:ハンドリングの調整幅が広いこと
B1ニ丙:燃料の増減等による影響が最小限であること

B2については、フェラーリチームは十分と言えるでしょ
うから検討不要かと思います。

さて、まだまだ考えれば原因となりそうな要素を発見する
ことが出来そうですけれども、静的に分解してみると、以
上のような要素がライバルに比べて上回っていれば、物理
的な条件面ではレースに勝てそうです。

皆さまはいかがお考えでしょうか?








































はい。そうですね。

皆さまお気づきのとおり、フェラーリチームの勝てない
原因は、モノ(資源)よりも人により多くありそうです。

例えば、

A1イ丙:ライコネン選手のやる気

A1ロ甲:マッサ選手の運転技術
A1ロ乙:マッサ選手のサーキットとの相性

A2ロ甲:ステファノ・ドメニカッリの戦略立案能力
A2ロ丙:ステファノ・ドメニカッリのリーダー能力

A2ハ甲:アルド・コスタの発明能力
A2ハ乙:アルド・コスタの先端技術開発能力

A2ニ乙:その他チームスタッフの戦術手段の最適化能力

こんなところがレースに於いて表面化しているのではないか?
と伺わせる場面が、今シーズンはよく見られました。

あと、私が今シーズンをみていて感じることは、昨年や
それ以前との体制変化です。

数年前の非常に強かった時期には、ミハエル・シューマッ
ハー選手やジャン・トッド監督等の、いわば「現場叩き上
げ」によってチームが構成されていましたが、現在のスク
デーリアのスタッフは敗戦地獄から問題点を改善して勝ち
上がってくるプロセスの経験が弱いかもしれません。

好調から不調へ潮目が変化しているときには、負のスパイ
ラルに気づいて方向性を転換させることができるだけの
強いリーダーシップが必要となります。

その強いリーダーシップを発揮できる人物がこのチームに
存在するか?

もし、このチームの誰もが、ビジネスのように自分のファ
ンクションだけでレースに関わっているのであれば、官僚
化したチーム組織で特殊部隊の争いである世界最高峰レー
スでチャンピオンを獲得するというのは至難の技となるで
しょう。

そのあたりに気づくことができるのは、皮肉なことに、そう、
レースの現場にいないルーカ・ディ・モンテツェーモロ氏の
ように思います。

感謝!





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Last updated  2008年10月16日 10時12分54秒
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