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2011年01月17日
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カテゴリ:
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作が、ただいま日本で公開
中です。原タイトルのバーリアは、イタリアの四国ことシチリア
にあるバゲリーアのことを指すそうです。

BAARIA

バゲリーアはシチリアの州都バレルモから電車で20分程度の距
離にあって、日本でいうなら高松に対する坂出のような位置関係
と考えれば、当たらずとも遠からずでしょう。

そのバゲリーアは、トルナトーレ監督の出身地であり、ご自身の
故郷を描いた作品です。

自分自身の生まれ故郷を売り物にするとき、それは特産品等の誇

いうところは、一般的な日本人がイメージするシチリアを更に2
倍広く2倍深くして丁度いいくらいの豊穣さと格差の土地です。

前者は自然によるものですが、後者は人間社会によるもの。その
両方を描かなければ作品として映画になりません。今回のトルナ
トーレ監督は、良くも悪くも自分自身のアイデンティティをたな
卸しして作られたことが、主人公がジュゼッペというところから
も容易に想像ができます。

銀幕の方は、ニュー・シネマパラダイスとマレーナをブレンドし
たような画面が続き、まるでノートの街に放り出されたような土
着の埃と風の香りがしました。

この映画は難しいと思います。その難しさは、前編に亘って言葉

アに対する土地の理解を要求するからで、極東の島国の者が日本
語の字幕を看ただけで容易に状況を把握するのが困難だという、
日本で流行している南イタリアツアーのような通り掛かりの観光
客にもリスクフリーのサービスが満点というような種類のものと
は対極の、腰をかがめて鑿と鍬を振るうようなプリミティヴな生


だからこそ、それを乗り越えて近づいた人に真実を語る。シチリ
アとシチリア出身者が声を大にして言いたいであろう物語は、そ
こまで近づいたときにゆっくり幕を上げるからです。

この映画の邦名を「シチリア!シチリア!」としたセンスは卓見
です。できれば翻訳もストーリーに迫って思い切った意訳をした
方がこの作品の全貌に近づけたように思います。

ニュー・シネマパラダイスとマレーナを越えたシチリアを知りた
い人にぜひ。

感謝!





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Last updated  2013年05月27日 12時47分30秒
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