遊裕動脈

遊裕動脈

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Archives

2025年11月
2025年10月
2025年09月
2025年08月
2025年07月
2025年06月
2025年05月
2025年04月
2025年03月
2025年02月

Freepage List

Free Space

設定されていません。
2011年07月22日
XML
カテゴリ:
すっかり昨今は蒸気機関車の復活ブームに沸き、北海道から九州
まであちらこちらで一年中列車に乗れるようになったわけですが、
「保火」といって列車が運転しない日でも火室では火を燃やし続
けているのだそうです。続けるということですから夜中もです。

それは、燃焼と消火を繰り返すことで鉄製のボイラーが拡張と収
縮を繰り返し疲労してしまうことを極小化するための努力とかで、
本当に生き物というか我が子を育てるかのように携わっている方
々の気配り目配りの積み重ねが、週末に本線上を走り客車に乗る
ことのできる機会に繋がっています。このどちらかといえば日陰


同じく運転中でも、もし雰囲気温度の水を400℃で沸騰するボ
イラーの中に注入すれば、十数メートルあるボイラーの特定箇所
で鉄の拡張と収縮が繰り返されて、その寿命を縮めてしまいます。

そこで、ピストンを押した後の排気熱を利用してボイラー注入前
の水を温めるのが給水温め器。デゴイチの煙突の前にある枕状の
部品です。D51と同じように給水温め器が煙突前にあるのは、
D52とC58だけ。C61やC62は煙室扉の下にあり、煙突
前にはありません。

D52 403

物心ついた頃、親父に連れて行かれて興奮したのはD51-1109で、
それは前照灯と煙突のあいだに給水温め器があり、正面からみた
ときの煙室扉上凸形こそが前進の象徴でした。


他の蒸気機関車には前照灯の後に給水温め器はなく、前進の象徴
が肩透かしを食らったのですが、それが何故なのかまで理解でき
たのはごく最近のことです。

昔から、どの蒸気機関車が一番美しいかという議論があって、日
本ではC57が貴婦人として女王の地位に君臨しているのが定石

の上に砂箱と蒸気溜をカバーする巨大なキセが不恰好に載ってい
るC57は本当に最高かと問われると少し躊躇する気持ちがあり
ます。

では、D51やD52が美しいかといえば勇ましくはあっても美
しさでは論外、C58が美しいかといえば先輪が1つでボイラー
が短いため少々短足に見えてしまって、これぞという決定打があ
りません。

この度復元されたC61はD51のボイラーを利用して作られた
形式で、ボイラーは太すぎず1750mmの動輪はスマートな肢
体を形成して申し分ないプロポーションなのにも拘らず、給水温
め器の位置だけのために自分のなかでは完全ではないのです。

そのため、もしC58が2C1だったら、もしC61の設計主任
が細川泉一郎氏だったらなどと考えているのです。

ああ、なんて馬鹿な拘り。愚かな自分。でも、日本全国に視野を
広げてみると、同じように感じていらっしゃる方があるのではな
いかとも思います。

これが現役時代を知らない若造の戯言です。と同時に、だから世
の中に完全がないのだと受け止めて、日本国中に正々堂々と出掛
ける口実と言っていいのではないかと解釈するしかないのです。


感謝!







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013年05月27日 11時11分37秒
コメント(0) | コメントを書く
[] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: