母しゃん

母しゃん

第五話  生還


気付いたら、手術室から出て、ベットに乗せかえられる所だった。
「あー・・終わったんかー・・・生きてるんだ・・・・」とボヤーっと思った。
ベットに寝てるから天井しか見えないんだけど、次々に先生が顔を出し、「おわったよ(^-^)」と話てくれる。
その時が痛かったのかどうかは、思い出せない。
ドアがウイーンと開いて、病室に帰るって言われたとき、初めて声がかすれながらも出せたので、「赤ちゃんは?」と聞いてみた。
看護婦さんが「大丈夫!」と答えてくれたので、ホッとした所へ、旦那や両親が顔を見せてくれた。
この時ばかりは、本当に生きて還ってこれたのね・・・と思ったら、ガラにもなく
ポロリと涙が出てしまった。

病室に帰っても、両腕は点滴につながれ、尿の管は入れられ、貼り付けの状態でなんにもできない。
まあ、自分では何かやろうと思っても、無理な状態だったんだけどねえ。
麻酔が切れはじめると傷が痛み、お腹の中を触っているから、内蔵も痛い。
ずっと寝てるし、腰から麻酔してるから、腰も背中も痛い。
痛い所だらけの上に熱がでた。
38度を超える熱で、座薬の解熱剤で下げても、時間がくるとまた38~39度の熱。
この繰り返しで、まる二日間うなされた。
「赤ちゃんお腹の中で、煮えてない?」
と思ったりもして。
それでもなんとか、生きてるもんで、手術から三日目にはゆっくりゆっくりで、
起きて座れるようになり、そろーりと歩いてみたりできたんですねえ。
妙なとこで、看護婦魂というか、いつまでも寝てられるか!!と思っちゃって。
歩くようになってからは、順調に経過し、先生は心配したけど、10日で退院しました。


         次回  第六話  仕事復帰!


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