邪馬台国九州説


 さらに北九州と南九州説にあったする説に分類できる。

 記紀神話に見える弥生時代的な描写は九州が舞台であることが多いことから、「文献の九州説」と言われる。
 近年では、古墳時代の年代繰上げを受けて、非常に劣勢であるとされる。

 邪馬台国「東遷説」あるいは「東征説」、「九州王朝説」などもこのバリエーションである。
 東遷説は安本美典、奥野正男、大和岩雄らが主要な提唱者であり、九州に存在した邪馬台国が何らかの理由で近畿地方に移り、大和朝廷になったとする。記紀神話の神武東遷伝承をも合理的に説明することができ、特にアマチュアの古代史家には人気がある説であるが、近年では考古学上の知見と明確に矛盾することとなり、劣勢であるとするのが客観的なところである。

 九州王朝説は、古田武彦とそのシンパによって唱えられているもので、大和朝廷とは別個の王権が存在していたとするものであるが、文献史料や考古学的成果の恣意的な解釈が多く、今日ではほぼ真剣に検討される学説とはみなされていない。


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