どのくらいの歳月だろう、そのfieldには何も種は蒔かれなかった。
今では森になってしまっているその地に私は足を踏み入る。
葛(くず)の蔓(つる)に脚が取られる。
照葉樹林の草深き森を知る人は足を踏み入れないだろう。
その手入れには草刈機とチェーンソーが必要かもしれない。
私は一人、人に優しい手入れされた武蔵野の落葉広葉樹林を想う。
雨がぱらついて来た、草いきれでむせ返る。
君は私が吐きだした体液の臭いに似てると言ったことがある。
確かにそうかも知れないと想いながら、私は蛇を見た。
手入れの行き届いた武蔵野の森は君なのだとふと思う。
そして、人を寄せ付けない照葉樹林は私の中なのだと腑に落ちた。
蛇は私のペニスに違いない。
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