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久恒啓一

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矢部宏治「日本はなぜ『基地』と『原発』を止められないのか」(集英社インターナショナル)を読了。

基地と憲法を巡る「沖縄の謎」、原発を巡る「福島の謎」、天皇と憲法を巡る安保村の謎、国連憲章と第二大戦後の世界を巡る安保村の謎、自発的隷従と起源を巡る最後の謎、そういった戦後の謎を解こうとする野心的な本だ。腑に落ちることが多い。

20009年の鳩山政権誕生の半年前の小沢事件は全くの冤罪による完全な国策捜査であった。鳩山首相と民主党小沢幹事長を検察は新政権誕生後も攻撃し大手メディアも足並みをそろえた。
沖縄本島の18%が米軍基地だが、上空は100%米軍が支配している。実は地上も潜在的には100%支配されている。米軍の財産のある場所は一瞬にして治外法権になる。
米軍は日本国憲法を超えた存在だ。
砂川判決はアメリカ政府の指示と誘導によって進行した。統治行為論。憲法違反は断を避けた最高裁そのものが憲法違反である。
安保条約、日米地位協定、日米合同委員会という構図。
密約法体系を含む安保法体系が、砂川裁判の最高裁判決によって日本の国内法より上位に位置することになった。
福島の原発事故で責任を問われた人はいなかった。警察も東京電力の捜査をしなかった。これはなぜか。

辺野古の基地建設を認めると初めて米軍基地の存在を自ら認めたことになるから、粘り強い抵抗運動になっている。強行すれば流血事態になる。
首都圏をおおう巨大な空域は米軍が支配している。首都圏が他国に支配されていて主権はない。独立国ではない。
横田基地や横須賀基地からアメリカの諜報機関要員が自由に日本に入り活動している。
外務官僚や法務官僚がオモテの法体系を尊重しなくなった。

国家レベルの安全保障には日本の法律のコントロールが及ばない。改正原子力基本法には「安全保障に資する」と入った。それは法的コントロールの枠外に移行するという意味である。
大気汚染法、土壌汚染対策法、水質汚濁防止法には、放射線物質については適用しないとある。環境基本法には放射性物質による汚染防止は原子力基本法その他の法律で定めるとあるが、何も決めていない。規制の基準値が決まっていない。
日米原子力協定は日米地位協定と同じ法的構造。日本側では何も決められない。決められるのは電気料金だけ。
憲法機能が停止状態。変えようとすると政権トップも必ず失脚する。
日米原子力協定は日本国憲法の上位法。政府の行動を許可できるのはアメリカ政府と外務省。
沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故で、日本は実質的な植民地状況にあることが明らかになった。
原子力村は日米安保村の一部で相似形。原子力村の経済規模は2兆円。安保村は530兆円。安保村は戦後日本社会そのもの。


実際は強要されているが、主体的にやった形をとる。
日本国憲法はGHQが書いた。日本人自身が選び取ったと70年ごまかしてきたことが現在の惨状を招いた。法治国家崩壊。
戦後日本の最高権威たちは結論をウラから与えられ、正当化するためには自説を180変えても平気な人物たちだ。
憲法という国家の根幹に大きな闇が生まれた。もし強要されていたなら自分たちでつくり直しただろう。
憲法については悪く変えるか、指一本触れさせないという二つの勢力しかないという悲劇。きちんと書き直して重要なことは憲法に書けばいい。

日本人は国際標準のまともな憲法を自分で書く力がなかった。2012年の自民党憲法草案は18世紀に戻ったような案。
米軍による日本全土への永久駐留、アメリカの基地帝国化が起っている。
国連憲章の敵国条項。対象は日本とドイツ。再び軍国主義が復活したら安保理事会の許可なしに攻撃してよい。
本当の民主主義を勝ちとっていくプロセスがどこかで始まる。新しい憲法を制定してまともな法治国家を一からつくっていくプロセス。新しい国のかたちをツクッテオモテ側で堂々と議論すれば反対できない。
日本に主権を残したままでの長期リース方式というフィクションにもとづくべきだという天皇メッセージ。
軍事力と交戦権を放棄した憲法9条2項と人類史上最大の攻撃力を持つ米軍の駐留という大きな矛盾による戦後日本の国家権力構造。

在日米軍基地と憲法9条2項と国連憲章敵国条項はセットで同時に解決すべき。
日本で有事とアメリカが判断した瞬間に自衛隊は在日米軍の指揮下に入るという密約がある。外国軍基地は日本に置かないことを憲法に銘記し、、過去の密約は無効とすべきだ。
安倍政権の「集団的自衛権の行使容認」の先にあるのは、密約の現実化。
フィリピンモデルの憲法。最低限の防衛力と国内に外国軍事基地を置かないことを明記。当たり前のことを堂々と主張。
ドイツは1990年に戦勝4か国と事実上の講和条約を締結。4年後に駐留軍を撤退させた。
不戦共同体を東アジアの地に創設。



「名言との対話」:1月2日。壇一雄。

「お前達の前途が、どうぞ多難でありますように…。多難であればあるほど、実りは大きいのだから」
遺作であり代表作でもある「火宅の人」で知られる直木賞作家の壇一雄は1976年1月2日に死去した。東大卒業時にほとんど授業に出ていなかったから卒業の見込みがなく「ラクダイシタ アシカラズ 一ヲ」と父に電報を打った。父からは「テイダイノイシンイマダニオチズ キンカイナリ チチ」という返電があったという。そのエピソードが示すように、その後の壇一雄の人生行路は波乱に富んだものとなったが、そういう夫や父を持った家族はたまったものではない。その一雄の長女が女優の壇ふみである。ふみには「能古島 月壺洞」という父を回想した素敵な文章がある。この能古島には「壇一雄の家」という案内板があり、訪ねたことがある。ここには博多湾の対岸の百地の海岸を遠望できる土地に建った廃屋がある。この地が終焉の地となった。「新しい環境を、その都度自分の流儀で埋め尽くし、埋め終わると同時に別の天地に遁走したくなる」と壇一雄本人が書いているように、娘からみると気ままでわがままな人であったろう。放浪の生涯、そして最後の無頼派といわれた人のこの言葉は、多くの困難を意識的に自分に与え、それをエネルギーとして自伝的作品を書き続けて生きた人の放つ真実だろう。火宅とは「燃え盛る家のように危うさと苦悩に包まれつつも、少しも気づかずに遊びにのめりこんでいる状態」を指すが、壇一雄はその通りの奔放な人生を生きたのである。






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Last updated  2016/01/03 10:08:08 AM
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