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阪神・久保、好投で２勝目！「いい投球」

　前回登板で黒星をつけられた巨人については「特に意識はなかった」と言う。それでも、打球がよく飛ぶとされる球場で強力打線と対戦するという不安要素をはねのけた。六回１死一、三塁ではラミレスに遊ゴロを打たせて併殺で切り抜けた。「狙い通りゲッツーが取れました」と振り返った。

３度目の正直！久保、虎で初“Ｇ倒星”や

ゴクリとつばを飲み込んだ。同点の六回一死一、三塁。自身のけん制悪送球や四球で背負った正念場。久保は主砲・ラミレスを迎えて、開き直った。

　「小笠原さんはボール先行で（歩かせてよかったし）、ラミレスの方がゲッツーを取りやすいと思ったから」

　カウント０－１から外角低めに１２５キロのスライダーを投じ、イメージ通りの遊ゴロ併殺斬り。クールな男が思わず、右こぶしを握りしめてガッツポーズ。打線の援護を呼び込む７回５安打１失点の好投で今季２勝目をゲット。虎移籍後、対巨人戦３度目の正直で手にした“Ｇ倒星”。伝統の一戦ともなれば感慨深いものがあるかと思いきや、本人の感想は…。

「（巨人戦初勝利は）はっきり言って気にしてないです！！」

　とにかくチームに貢献できればいい。「勝てたら相手がどこでも一緒」と普段から話す久保らしい回答だったが、真弓監督は「非常にいい投球。見ていて安心できるね」と目を細めた。

　今月６日の夕方頃。懐かしい相手から電話が鳴った。その日、ロッテから阪神へ移籍が決まったばかりの川崎だった。聞けば、宮崎県出身で関西に縁もゆかりもないという新加入の左腕。「僕の場合は実家は大阪だし、渡辺や能見さんは社会人野球のときに知っていた。でも、彼は違う。何でもサポートしたいね」。ロッテ時代には投手会で何度もお酒を飲み交わした間柄。同じトレードという境遇でタテジマ戦士となった後輩に送る言葉は「プロの世界で移籍は当たり前のこと。チャンスと思えるかは本人次第」だった－。先発ローテの一角を勝ち取った経験者だから言える最高のエールがそこにある。

　「チームが１点差で勝つのは大きい。調子は悪くないんで、引き続きゲームを作っていきたい」　今季初めてのヒーローインタビューも淡々と答えた背番号「３４」。ウイニングボールをしまった左ポケットのふくらみが誇らしげだった。

阪神・久保、閃きバント決まった！

虎・球児、４連投！「それが仕事」

入念に肩を作った。久保田からバトンを受ける。九回。１点リード。虎の方程式に狂いはない。もしかして、と奇跡を信じるＧ党を黙らせた。４連勝すべてのマウンドで、球児がいる。

「４連投かぁ。大丈夫、大丈夫。きょうは、ちょっと、よくなかったね。制球？　１点差でアレがでるようではねぇ」

　自らが設定するハードルが高いからこそ、反省の弁が口をつく。ラミレスにはカウント０－１からフォークが外角高めに抜けた。結果、二ゴロ。阿部は左飛。最後の長野は１４９キロの高め真っすぐで三ゴロに仕留めた。

　２試合連続の５セーブ目。通算セーブ数を「１３２」とし、球団記録を更新した。昨年５月２３日（対オリックス、スカイＭ）～２７日（対西武、甲子園）以来となる４連投にもニッコリと笑った。

　伝統の一戦を制するため、敵地に乗り込んだ１２日。赤坂にある選手宿舎にチェックインを済ませると、藤川の足は都内のすし店に向かっていた。

　ひとりじゃない。中継ぎ陣１０人ほどを連れていった。「ゆっくりと話ができて、楽しかったです」。２年目最年少２３歳の西村が思いだし、目を輝かせる。貸し切りではなかったが、“決起集会”でリリーバーの気持ちが輪になった。

　ウィリアムスが退団したことにより、今季は久保田とともにブルペン最年長。モニターを見ながら、ナインに声援を送り、試合展開によって何度も肩を作るという宿命にある同志の結束を高めたかった。

　勝てば勝つほど出番が多くなる。連投が多くなるのが守護神の宿命だ。

　「それが仕事だから…。頑張るよ」

　虎戦士が一丸となって球児をマウンドに送り出す。その期待に応えるためにも、球児は投げ続ける。

阪神・城島、わざと首振らせた

ジョーが巧妙なリードでガッツを打ち取った。八回二死一塁の場面で、小笠原。城島の久保田へのサインは「首を振れ」。中継ぎ右腕の動きに幻惑された小笠原のバットはチェンジアップに空を切った。

　好リードでの僅（きん）差の試合を守り切った城島は「久保は制球もキレもよかった」と笑顔を見せた。打席では八回に今季３個目の死球を右ひざに受けた。痛みにこらえた城島が、のちのブラゼルの決勝打を呼び込んだ。これで通算１００死球まであと２となったが「俺は体が強いから。（あと２は）　あしたで決めようか！」と頼もしかった。

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