ホンジャマカの嫁姑同居日記

ホンジャマカの嫁姑同居日記

夫の父親


私たちが結婚した頃よく昔の話を聞いたものだ。
当時、義父はすでに酒を飲まなくなっていたので、実態は想像のみであった。

義父は人がいいので近所の植木の手入れをしてあげたり、ごみ収集所をきれいにしたり、常に家にいたので近所の宅急便を預かってあげたり、いいおじいちゃんだった。
お風呂洗いは義父の仕事、ごみだしも、運動靴洗いもやってくれた。
子供たちの面倒も私が買い物に行くときなど見てくれた。
酒さえ飲まなければ本当にいい義父だった。

私の父のがんの再発と同時期に肝臓がんの手術を受けて、しばらく入院していた。
肝臓がんの手術は成功し、先生はあと5年は確実に生存できます。と明言したそうだ。
もちろん本人には病名を隠した。
しかし、自分の病気を察していたようだ。
4年位前から公園で昼間っから酒を飲むじじいグループと知り合いになり、朝から酒を飲んでは公園に出かける日々が始まった。
話には聞いていたが酒乱っていうのがこんなにすごいものとは・・・私の想像外だった。
家庭の中はめちゃくちゃ・・・
今思えばよく一緒に住んでいたなって自分で自分をほめてあげたいわ。
当然けんかもした。
私も耐え切れなくなって義父にくってかかった。
その時、義父は怒りのあまり私に『他人が口出しするな!!!』と言った。
ショックだった。
その時は夫が逆上したので私は何も言えなかった。
あとになって、義父は謝ってきた。
しかし、その一言は私の中でしこりとなって残った。

その義父がこの9月に亡くなった。

義父はいいところもいっぱいあるが、やっぱり最後の数年間の姿を忘れることはできない。

義父が亡くなってしばらくしたら、どういうわけか、私の胸の中のしこりがどんどん大きくなっていくような気がする。

もう死んだんだから許してあげれば良いのに・・・




© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: