21番札所・太龍寺
太龍寺(たいりゅうじ)
延暦17年(798年)に桓武天皇の勅願で開基。弘法大師が25歳の時に刻んだとされる虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)像が本尊。太龍寺山(618メートル)の山頂近くにあり、焼山寺、鶴林寺と共に「阿波の三難所」といわれていたが、1992年に山頂までのロープウエーが完成した。
JR牟岐線桑野駅下車、丹生谷方面行きバスで和倉東下車、ロープウエー10分。徳島県阿南市加茂町竜山2
22番札所・平等寺
平等寺(びょうどうじ)
792年(延暦11年)、弘法大師がこの地を訪れると、空に5色の霊雲がたなびき、薬師如来の姿が現れたため、像を刻んで本尊としたといわれる。 弘法大師が祈とうに使う水を求めて井戸を掘ると、乳白色の霊水がわき出たとされる。どんな日照りにも枯れることはなく、万病に効くと「弘法の霊水」として伝わっている。
JR牟岐線新野駅から徒歩30分。徳島県阿南市新野町秋山177。
23番札所・薬王寺
薬王寺(やくおうじ)
815年(弘仁6年)、弘法大師が自ら厄よけ薬師如来を刻んで本尊として開いた。本堂に続く石段は「厄坂」と呼ばれ、最初の33段が女坂、次の42段が男坂。一段ごとに「厄銭」を置いてお参りする。本堂の右手の高台には、鮮やかな朱と白壁に彩られた瑜祇塔(ゆぎとう)が立つ。本堂から瑜祇塔に続く石段も61段の還暦の坂になっていて、〈厄よけ寺〉としても多くの参拝者が訪れる。
JR牟岐線日和佐駅下車、徒歩10分。日和佐町奥河内寺前285の1。
高知県
24番札所・最御崎寺
最御崎寺(ほつみさきじ)
大同2年(807年)、唐での修行を終えた弘法大師が嵯峨天皇の勅願により建立。本尊は虚空蔵菩薩(ぼさつ)。室戸岬は弘法大師が若いころに修行した土地とされ、伝説が数多く残されている。寺に続く山道にある「捻(ねじ)り岩」は、大師が念仏を唱えて風を鎮め岩をねじ伏せたときに出来たとされる洞くつ。
阿佐海岸鉄道甲浦駅から高知・室戸岬行きバスで1時間、「室戸岬」で下車し徒歩40分。室戸市室戸岬町4058の1。
25番札所・津照寺
津照寺(しんしょうじ)
807年(大同2年)、弘法大師が海で働く人々の大漁と安全を祈って建立。本尊は地蔵菩薩(ぼさつ)。1602年(慶長7年)、土佐藩主山内一豊が室戸沖を航行中に暴風雨に遭った際、本尊が僧に化身して船のかじを取り、無事室戸港に入港させたとのいわれがある。本尊は「楫取り地蔵」とも言われ、信仰を集めている。
阿佐海岸鉄道甲浦駅からバスで「室戸出張所前」で下車し100メートル。高知県室戸市室津2644。
26番札所・金剛頂寺
金剛頂寺(こんごうちょうじ)
807年(大同2年)に弘法大師が開いたとされる。本尊の薬師如来像のほか日光、月光菩薩、十二神将が安置されている。大師堂は境内に背を向けて立っているが、大師の修行の邪魔をするテングを足摺岬に閉じこめるために大師像を足摺岬に向けて安置した、という伝説がある。
JR阿佐海岸鉄道甲浦駅からバスで「元橋」で下車し2キロ。高知県室戸市元崎山乙523。
27番札所・神峯寺
神峯寺(こうのみねじ)
神功(じんぐう)皇后が戦勝を祈願するために天照大神などをまつったのが始まりとされる。その後、行基が十一面観世音菩薩を刻んで本尊とし、神仏を合わせてまつった。809年(大同4)、聖武天皇の勅命で、空海が札所に定めた。三菱財閥創始者の岩崎弥太郎の母親が、息子の出世を願って、21日続けて参拝したことでも知られる。納経所の横には土佐の名水の一つ「神峯の水」がわき出る。
南国インターから国道55号線で東へ約1時間10分。JR土讃線高知駅から甲浦、室戸行きバスに乗り1時間半で「東谷入り口」下車、北へ徒歩2時間。安田町唐浜2594。
28番札所・大日寺
大日寺(だいにちじ)
天平年間、聖武天皇の勅願により行基が開基したと伝えられ815年(弘仁6年)、弘法大師によって再建された。慶長年間以降は土佐藩の祈願寺として、800石余りの寺領があったという。1871年(明治4年)に廃仏毀(き)釈で廃寺となったが、84年(明治17年)に再興された。本尊の大日如来座像は、高さ1.46メートルで四国最大級。
JR土讃線土佐山田駅、高知空港からともに車で15分。高知県野市町母代寺476。
29番札所・国分寺
国分寺(こくぶんじ)
741年(天平13)、聖武天皇の勅願により行基が建立。本尊千手観世音菩薩がまつられたこけらぶきの金堂(本堂)を始め、創建当時のつり鐘、薬師如来2体は国の重要文化財。周辺は紀貫之が、国司時代に滞在した国府としても知られる。
高知自動車道南国インターから県道を南へ約2キロ。JR土讃線後免駅から領石行きバスに乗り国分寺通で下車し、徒歩5分。南国市国分546。
30番札所・善楽寺
善楽寺
土佐神社の別当寺として大同年間(806-810)に建立。本尊は阿弥陀如来。
明治初年の神仏分離令により、一時は廃寺になったが、1929年に再興。本堂は82年建立、隣には大正時代に建てられた大師堂がある。優しい顔をした地蔵が並ぶ子安地蔵堂は、子宝祈願にご利益があるという。
高知自動車道・高知インターから車で県道384号線を東へ約15分。バスは「高知駅前」から「高知医大行き」「奈路行き」などに乗り「土佐神社前」で下車。高知市一宮2501。


