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61番札所・香園寺

香園寺(こうおんじ)
 聖徳太子が創建し、本尊は大日如来。1976年に本堂と大師堂を兼ねた鉄筋コンクリート3階建ての聖堂を建立。 大同年間(806―810)に弘法大師が訪れ、寺の近くで苦しんでいた妊婦に祈とうし、無事男児を出産させたと伝えられる。境内には赤子を抱いた子安大師像があり「子安大師さん」として親しまれている。

 JR予讃線伊予小松駅下車、徒歩15分。愛媛県小松町南川甲19。









62番札所・宝寿寺

宝寿寺(ほうじゅじ)
 天平年間(729―749)、聖武天皇の勅願により伊予一国一宮の法楽所として中山川下流の白坪(しらつぼ)に創建され、僧道慈に金光明最勝王経を講読させた。その後、弘法大師が修行で長くとどまり、国司・越智氏の妻の難産を助けた言い伝えから、安産の信仰を集める。本尊は十一面観世音菩薩(ぼさつ)。移転と再建を繰り返し、1921年に現在地へ。

 JR伊予小松駅下車、徒歩3分。小松町新屋敷甲428。









63番札所・吉祥寺

吉祥寺(きちじょうじ)
 弘仁年間(810―824)、弘法大師が坂元山に建立。天正13年(1585年)、秀吉の四国攻めで全山焼失し、万治2年(1659年)、末寺の檜木寺と合併、現在地に再興された。本尊は、四国霊場唯一の毘沙聞天(びしゃもんてん)で、60年に1度開帳される。秘仏としてマリア観音像がある。

 「成就石」と呼ばれる丸い穴の空いた石は有名で、目を閉じて願い事を念じながら、つえを前に突きだして進み、穴に入れば願い事がかなうと伝えられる。

 JR予讃線伊予氷見駅から徒歩2分。西条市氷見乙1048。









64番札所・前神寺

前神寺(まえがみじ)
 役小角(えんのおづぬ)が修行道場として675年、石鎚山中腹に開基。その後、桓武天皇がふもとに金色院前神寺を建立し、霊場となった。1871年(明治4年)の廃仏き釈でともに廃されたが、ふもとの寺は直後に現在地に再建され、里前神寺と呼ばれる。中腹の寺もその後再建され、奥前神寺と呼ばれる。里前神寺には本堂、大師堂、お滝不動、権現堂などがある。

 JR石鎚山駅下車徒歩10分。愛媛県西条市洲之内甲1426。









65番札所・三角寺

三角寺(さんかくじ)
 天平年間(729―749年)に、聖武天皇の勅願で僧の行基が開基したとされる。815年、弘法大師が42歳の時に訪れ、十一面観音菩薩像を彫り本尊として安置。さらに三角の護摩壇を築いて、21日間の秘法を修業したことから三角寺と言われるようになった。

 観音菩薩像は愛媛県指定文化財で、安産や子育ての仏様として知られる。開帳は60年に1度で、次は2044年。境内には護摩壇の跡が残る三角(みすみ)の池があり、1795年に訪れた俳人小林一茶が、山桜に感嘆して詠んだ「これでこそ 登りかいあり 山桜」の句碑も建立されている。

 松山自動車道・三島川之江インターチェンジから車で約10分。川之江市金田町三角寺甲75。









66番札所・雲辺寺

 雲辺寺(うんぺんじ)
 789年(延暦8)、16歳の弘法大師が雲辺寺山に登った時、霊力を感じてお堂を建てたと言われる。後に嵯峨天皇の依頼で千手観世音菩薩を刻み、本尊とした。

 88か所の中で最も高い所にある札所。かつては学問の道場としても栄え、「四国高野」と呼ばれた。

JR予讃線豊浜駅の南東約8.5キロ。徳島県池田町白地763の2。









67番札所・大興寺

822年に開祖。真言宗と天台宗の2宗派の僧が並んで修行したという珍しい歴史がある。仁王門を抜けると、樹齢1200年を超えるカヤとクスノキが構え、本堂では参拝者が願い事を書いて奉納した「七日燈明」と呼ばれる赤い大ロウソクが揺らめく。

 JR予讃線豊浜駅約8キロ。香川県山本町辻小松尾4209。









68番札所・神恵院

  神恵院(じんねいん)
 約1300年前、日証上人が琴弾八幡宮の別当として創立。弘法大師が7代目住職の時、観音寺と改めた。琴弾八幡宮が68番、観音寺は69番だったが、明治初期、神仏分離で琴弾八幡宮の本地仏を移して神恵院を68番の本堂としたため、四国霊場唯一の珍しい1寺2霊場となっている。 

 JR予讃線観音寺駅下車、「善通寺行き」バスの「観音寺中学前」で下り徒歩3分。観音寺市八幡町甲3875。









69番札所・観音寺

観音寺(かんのんじ)
 703年(大宝3年)、日証上人が琴弾山上に八幡宮を建立した際、別当寺として開いた。808年(大同3年)、弘法大師がこの地を訪れ、聖観世音菩薩を刻んでお堂に安置。寺号を現在の名前とした。

 四国霊場で唯一、同じ境内に2つの札所があり、第68番札所・神恵院(じんねいん)と隣接する。

JR予讃線観音寺駅の北西約1.3キロ。香川県観音寺市八幡町1の2の7。









70番札所・本山寺

本山寺(もとやまじ)
 807年(大同2)、平城天皇の依頼を受けた弘法大師が、たった一晩で建てたという「一夜建立」の言い伝えが残る。本尊の馬頭観世音菩薩と阿弥陀如来、薬師如来も大師が刻んだと言われる。

 四国霊場八十八か所のなかで五重の塔があるのは、本山寺と善通寺(香川県善通寺市)だけ。本山寺本堂は国宝、仁王門は重要文化財に指定されており、建築史上、価値が高い。

 JR予讃線本山駅から徒歩15分。香川県豊中町本山甲1445。











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