Angel

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全て | 日々の日記 | 小説
September 2, 2006
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カテゴリ: 日々の日記
              ~ 闇の沈黙の音 ~

             誰を捜している 何を求めるの?

             光を求め 何かを探し続ける

             闇 光を求め 追い掛ける

             憧れ続け 近付きたいと願っている

             闇に住む者しか 聞こえない沈黙の音

             悲しき音色 響き 求めているの

             光を 優しい光のある場所を

             孤独を知る者は 強くて 弱さを知っている



             光ある者 闇と共に 歩んで

             虹の架け橋 君と渡りたい

             悲しき歌 沈黙の歌 光 知らない

             孤独で 悲しく 切ない歌を

             誰もが 心の弱さを 闇に歌う

             早く 見つけて ここから 一緒に連れて行って

             優しい 光の下に


今日の誕生石 グレー・セミバロック・パール(Gray semi-baroque Pearl) アクアマリン(aquamarine) 和名:藍玉(あいだま) 意味 勝ち取る愛 聡明
 snowの日記
今日で夏休みも最後です! 




夢の中の碌は泣いている女の子の姿を見れたけど思い出せない。

 「お嬢様、本当に行かれてしまうのですか?!碌様はその事を知らないのでは......。」
「うん、言ってないわ。今の彼は前の彼と違う気がするし、言わなくて何も変わるわけではないから良いの。それにお母様と住めるの夢だったからすごく嬉しいの。人形達も一緒に連れて行きたいけど、全部は一気に無理だから徐々に連れて行くわ。私も普通の女の子になれるかな......?」
スイナの最後の言葉は何故か寂し気だった。

彼女は自分の想いに気付いた。一緒にいたくて家族とは違う愛しさ、胸の高鳴り、そして一番逢いたくて、傍にいて欲しい人という存在、それは好きな人だと解った。

 スイナは想いを伝えられない代わりに今日はお菓子を作って、手紙と一緒に彼に残して行くことを決めた。
最後の夜、夜が明ける前にこの屋敷を去ることが決まっている。だからもう使用人達と会うことは無い。碌に逢うのはこれで最後だったはずだが、このことはまだ言っていない。言わず、逢わずさようならをするつもりだ。
 今の彼は逢っても以前のように優しくて大切に思っていると思えない、だからもっと強くなって闇に打ち勝ってるようになったら自分の想いと共に逢いに来ようと思っていた。

 夜が明けて、太陽の日差しの弱いうちに出発となった。
家を出て、車に乗り込む時1度だけ振り返った。長い間、住んでいた家との最後の別れを惜しみ、目に焼き付けるために。
そう思っているといるはずの無い人物と知らないはずだけど、知っている人物が家の玄関前に立っていた。目を擦って確認する。

 それは碌と魔女サルリアだった。驚きのあまり声が出ない。

「スイナ、行きましょう。もうそろそろ、行かなければ貴女の体が......。」
「お母様、少しだけ待ってください。最後のお別れして来るから!」
母にそう言い残して走って行った。


 「......碌、何でいるの?まだ、出勤時間前だよ。お姉さん、私どこかであったことありますか?知らないはずなのに、知っている。貴女は誰ですか?」
「あら、お嬢さん私のことを少し憶えていたのね。私は魔女サルリア。何でも願いを叶える魔法使いよ。何かと引き換えに叶えるけどね。」
彼女は妖しく笑った。
「......サルリアお姉さん、貴女がいるてことはまさか......。」
スイナは気付いた。碌が何かを願ってしまったのではと。
「そう、彼は願いを叶える代わりに貴女への今までの想いと記憶を代価にしたのよ。だけど、手違いで予想以上に酷いことになってしまったわ。貴女、闇の沈黙の歌を歌えるわね?彼は闇に打ち勝つことは出来たけど、光の中を彷徨って何かを探し続けている。歌て頂戴。そして自分の想いを全て込めて歌うのよ。」
「そうすれば、碌は戻ってこれるの?」
「ええ、私が今度こそ元に戻すわ。貴女への代価は歌よ。さあ、歌って。」

「~♪」


~ 闇の沈黙の音 ~ 続く





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Last updated  September 2, 2006 08:55:55 AM
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