Angel

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全て | 日々の日記 | 小説
July 2, 2016
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カテゴリ: 日々の日記
    『 もう一度、君と ~ 幼き約束 ~』 2


 月野早苗。高校一年生。

私の家はお香を取り扱う家柄である。私はその家の一人娘である。

現在、分家の香月家の者と婚約中である。と言っても厄介なことに3人兄弟の中から一人を選び結婚することを強いられている。

長男、香月秀。私の通う学校の先生でもあり、何でも卒なくこなすイケメンである。性格は皆の前では優しいが、私には意地悪な人。二面性のあるドSな男。最有力候補。

次男、香月守。同じ学校の生徒会長。清く正しく、真っ直ぐで、先生達にも信頼も厚く。ファンクラブがある。知的なクールさが売りの人。私の世話を焼いてくれるほど面倒見のいい人ではあるが、内心何を考えている変わらない。

三男、香月葵。私の一つ上の学年であり、運動神経が良いイケメンである。私に対し、何かとからかう様な態度を取る意地悪な人。ただ、情に厚く優しい一面を持つ。ヤンチャな兄貴分である。




 先日の祖父の決定事項の後、3兄弟はやって来た。



長男の秀は顎を持ち上げそう言うので、その手を払いのけた。

「私は貴方の事を認めたわけじゃありません。私が誰を想うが勝手でしょう。」

「そう言う訳にはいかない。君だってわかっているだろう?」

「俺達の何が気に食わないんだよ!」

秀に続き、守、葵が意見する。

「何がと言う訳じゃない。ただ、彼にもう一度だけ、逢いたいだけよ。とにかく、私の邪魔をしないで。」

私は3人を残し去るのだった。

「早苗・・・・・・」

「我儘な子猫ちゃんだこと。ちゃんと躾なっきゃ。」

「早苗のくせに生意気だ。」

守は少し寂しそうに、秀はドSモードを発揮する気満々。葵は、私の態度が気に食わないようだった。








 踊りの先生の稽古をつけて貰っている。

「そこ、遅れている。その癖をちゃんと直しなさい。」

「すみません。渡先生。」

先生にミスを指摘され、直す。

私の好きな習い事の中で一番好きな時間だ。



「今日はいつもより心が乱れているようだが、どうかしましたか?」

「いえ、何でもありませんよ。先生との稽古できるのもあともう少しなんですね。」

ちょっぴりセンチメンタルになる。

「そう言えば、ソロソロですね。貴女も今年16歳。立派な淑女に成れるように日々精進ですね。」

「はい。御婆様の様に立派になりたいです。」

そう答える。彼は少し笑って、練習を再開した。





 渡先生。舞踊の先生で、笹山渡先生。まだ独身であり、とても人気がある物腰柔らかい雰囲気の人であり、密かに憧れていた。どことなく、昔出逢った少年に似ているような気がしていた。

一度逢ったきりなので、何の手がかりも見つからず苦戦していた。

踊りながら思うのは、あの少年のことだった。それを見透かされていると思うと不味いと感じるのだった。





 snowの日記
梅雨が明けない。
でも、熱い。今年はどうなるのかな?






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Last updated  August 25, 2016 01:37:56 AM
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