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親心




順一は、会社の同僚と遅いランチを取った。

彼の名は吉田一馬。歳は順一と同い年順一とは同じ営業職のライバルだ。

一馬には、二人の子供がいる。一番上は高校生の女の子下は今度高校受験の男の子高校卒業して働いていた彼女に子供が出来て結婚したらしい。

「ウメはいいよなぁ!大学出て気ままで、自由で、俺なんか、やれ子供の塾だとか、金かかるからたまらないよ。」

一馬はいつも、思って無いのに、回りを気にする男だった。

誰に比べてが一馬の口癖だった。

「だって、奥さんだって好きでいっしょになったんだから、幸せじゃない?」

一馬は、「いやー、俺の場合は出来ちゃったから!」

順一は、呆れた「今度下の子受験だろう?」順一は一馬の話を聞いた。

「さずが、俺の子でさぁ、共学がいいんだって!」

順一はタバコに火を点けた。「そんな事より、将来どうするのよ?お父さんの様な仕事したいとか言わないの?」

一馬は言った。「ダメダメ!!俺達の様な仕事は!!息子は公務員みたいに安定した仕事さ!!」

順一は目が点になった。

「一馬さー!!俺子供いないからわからないけど?俺もお前もそう言う将来が嫌で、この仕事選んだんじゃないの?老後にいくら金積まれても、我慢して生きる人生よりも今を生きる為じゃなかったのかよ?」

一馬は「アオイよ!!順一!!」と言われた。

僕らはどこまで行ってもライバルみたいだと順一は思った。

順一は思った!!例え僕が野たれ死んでも僕は、牙を剥きながら、死んで行く狼でありたい!!

この国が資本主義である限り可能性を信じたい!!

努力した者が報われる世の中でありたい。

親心など、幾つになってもわからないのかもしれないが、

もし、自分に子供がいたら、立ち向かう心。

そして思いやる心を伝えたいと思う。そして、応援するだろうなー!!子供の自由を!!

順一は、つくづく同世代の現実と言うものを垣間見るのだった。

                   つづく。


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