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たんぽぽ


春先、道端に咲いている黄色い花。

子供の頃家の近所の江戸川の土手に沢山毎年咲いていた。

花の命は短く気がつけばタンポポは綿毛になり、

江戸川の土手は黄色から、一面白くなった。

風の強いある日、誰からと無くタンポポは群れる事無く、

フワフワと空高く飛んでいく。

いったい何処まで飛んでいくのだろう??

ある物は自力で、あるものは動物の体にしがみ付き、

今まで見た事の無い様な所へと、旅にでるのだった。

タンポポの本能、誰が教えるのは、より遠くへと何故に

そんなに、旅にでるのか??

僕ら人間にはわからない。

あるタンポポは今飛び立とうとしているタンポポの種に

言った。

「そんなに何で遠くへ行こうと君は思うの??馬鹿だなぁー
いいことなんて有る筈無いと思うよ!!せいぜいこの近所の
方が楽でいいじゃない!!ムリする事に何の意味があるの?」

彼は得意げに言った。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

彼女は僕に言った!!

「男なんて大嫌い!!軽薄で、鼻の下ばかり長くして、何で
 浮気ばかりするのか??絶対許せない!!」

僕は言った!!「ゴメンゴメン!!そんなつもりじゃないんだけれど、殆んど病気!!自分でもそう思う何でおいらは
いつもこうなんだろうか??」

そう、誰に教わったわけじゃ無いんだけれど、この世の生き物は、生命が追い詰められれられるほど、

子孫を残し後を托そうとする本能がある。

浮気は確かにいいとは思わないけれど、より良い子孫を、

生命力は強く生き残れるDNAを求めて!!

頭が良くて、ハンサムで、生命力も強く!!

すべての選択は、自分の遺伝子を残す為。

もし、力のある男の人なら、沢山の自分の遺伝子を

多くの子供に残し、それでも足りなくて、浮気にはしる。

当たり前で笑えるかも知れないけれど、

そう考えると男の一連の行動の理由はわかるのでは??

きっと僕らの祖先はそうやって、命を繋いできたのかな?

男は白い綿毛のたんぽぽと同じかもしれない。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

遠くへ飛ぼうとするタンポポは、飛ぼうとしないタンポポの

綿毛に言った。

「諦めるなんて早すぎる!!僕は高く高く空に舞い上がり、

自分の生まれた大地を見てみたいんだ!!そして見知らぬ

大地と結ばれて、生まれた所を離れて大きな花を咲かせるん

だ!!上手く着地できなくても、上手く着地できなくても、

後悔は無いよ!!自分の生まれた大地を空から眺められた

のだから!!さようなら!!可能性や希望がどんなに小さく

ても、僕は挑戦するよ!!」

そう言い残し、かれは空高く風に乗って行った。

残されたタンポポは近くの大地に落ちて花を咲かせた。

しかし、彼は高く遠く舞い上がって行った兄弟の事を忘れる

事がなかった。

「こんなに花の命が短いのなら、遠くで綺麗な花を咲かせる

のだった!僕も高く飛んでみたかった。一度でいいから。」

彼は栄養の少ない大地で、花を咲かせる事無く人生を終える

のだった。

                     終わり。


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