tomorrow

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ODOメーター


僕の相棒のODOメーターはすでに、地球を三周半している。

「いつまで、貴方と付き合って行けるかわからない!出会う前に戻った方が幸せかも知れない。」

そんなメールが届いて、僕はいてもたっても居られなくなった!

僕は車のキーを取り合えずポケットに入れ部屋を出て、車のエンジンに火を入れた。

とにかく今日中に君に逢いたくて、僕は走り出した。

川口のインターから、渋谷経由で用賀から、東名に乗り小田原厚木道路で平塚に向かった。

もう、携帯電話の電源は切った。

あいつから電話が来たらおしまいになる様な気がしたからだ。

「もう、昔みたいに人を好きになれない様な気がするの。もう、昔程若く無いから!友達でいましょう!私達」

僕は二千八百回転をキープしながら、カーラジオのボリュウムを上げた!

何だかわからないけれど、

その言葉が悔しくて、降り始めた雨はフロントガラスを叩く雨をワイパーで削っても僕の涙は拭えなかった。

「どうして君はそんな簡単に全て諦められるのかな?」

雨は止み平原の様な平な大地の小田原厚木道路を太平洋へと向かう!

アイツの家も近い!

いつだってこの車で僕は君を迎えに行くよ!

彼女の家のマンションに着いた。

部屋の明かりはついたままだった。

カーラジオから、佐野元春の情け無い週末が流れていた。

君の部屋の灯りが消え、僕もいつの間にかリクライニングを倒したシートの中で眠っていた!

車のシートは僕のベットと化していた。

コンコン!コンコン!サイドガラスを叩く音で目覚めた!

一つ年上の君は会社に行く所だった。

驚いた顔で君は「何回もメールしたのに!」と朝から泣きべそだった。


僕の車のODOメーターは君に逢いたくて、いつの間にか、地球を三周半しているのだった。

終わり。

Image of aoiandsakura Tank you !!


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