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七年目の恋。(無意識の中の夢)
「いつか貴方と海の見える街で暮らすの。二人で静かに潮彩を聞きながら」僕等は二人上手くやって生けると心の中で思っていた。 東京のむし暑い夏の夜僕等は下町の歩道橋の階段に腰かけて見えない海の潮風の香りを探そうとしてた。就職活動が忙しくなり僕は君との暮らしと現実に目を向けなければならなかった。「貧しいけど、幸せな家庭。神様僕は多くを望みません。だから彼女との暮らしだけはどうか僕から取り上げないで下さい。神様僕に仕事を与えて下さい。彼女と生きて生けるのならどんな仕事でもします。僕は彼女と暮らせるだけで多くを希ません」僕は寝る前に神に祈りを捧げた。
就職活動も順調に進んでいた。親戚の縁故のコンピューターのSEの仕事文系の僕には、合っているとは言えないけど、「これからはコンピューターの時代だから雄介も真面目に人生考えた方がいいぞ!」叔父さんの口癖だった。もう一つ内定をもらった。リゾート開発の会社だ。
「我社はこれから発展するウォーターフロントの開発とゴルフリゾートとマリーン開発をメインにこれからの余暇の過ごし方を提案して行く最先端の産業の礎となるだろう」社長のカリスマ性に僕は心を動かされた。すべては上手く行けは行くほど冴からの電話は途切れがちになるのだった。
つづく。
七年目の恋。
日曜日の朝早く家の電話が鳴った。「雄介、起きなさいあなたに電話よ早く出てしょうだい」母は二階の僕の部屋にコードレスホンを持って上がってきた。「ああ、わかったよ」少し寝ぼけていたが母の手からコードレスホンを受け取った。いったい誰なんだ!こんなに朝早くから。「もしもし岩田ですが?」電話の向こうで女性が答えた。「岩田雄介さんですね?あのー、私スタジオボッテカの秘書をやっています、石川といいますが社長が貴方にお逢いしたいと申しておりますので、明日ご都合いかがでしょうか?」僕は頭がまだ起きていない事もあり、何が何だかわからなかった。だって今日は日曜日で明日は今雇われている会社の仕事のスケージュールが入っていて休めない。「石川さん来週の週末か平日の夜でいかがでしょうか?」電話の向こうで紙をめくる音がした。きっと手帳を開いている音だ。「岩田さん残念ですが、社長明日からイタリアに仕事で出張にでるので、次に面接できるのは二週間後ですねぇー」彼女は答えた。僕は一瞬頭に血が昇った。自分の都合で日曜の朝早く電話してきて履歴書にはきちんと在職中だと履歴書に書いてあるのに平日の昼間に面接に来る奴は非常識な奴に決まっているだろう?しかし、非常識な会社だ。暫く電話から会話が途切れた。「でしたら、今日いかがでしょう?」僕はこの非常識な会社の秘書に答えた。「今日でしたら大丈夫ですよ。こちらに来れますか?」行くしか無いだろう。この非常識な会社の社長を見てやりたい物だ。「わかりました。「これから準備して出ますので、三時頃に伺います」石川と名乗るおそらく三十歳前後の女性は答えた。「それではお待ちしております。当社の最寄駅は京急新逗子駅が一番近いのでお待ちしております」僕は電話を切り、急いでシャワーを浴び逗子へ向かう準備を始めるのだった。
七年目の恋
今の仕事は二社目の会社で今探している会社に転職すれば生涯三社目の転職になる。父親は今年定年で夜よく酒に酔いながら僕に言った。「雄介お父さんはなぁ戦争のお陰で俺の若い頃は腹いっぱいに食べる事が夢で18で今の会社に入ったんだ。会社の為にお前達の為に定年まで働いた。会社の為に俺は勤めあげた自分の人生ってどういう意味があったのか?今思うとつまらない人生だと俺は思うよ。お前に言っておく。一つの会社で安定しようと思うなよ!特に若い時はな!自分の為にやりたい様に生きる事が大切だし、何よりお前が生きる意味について良く考える必要性もあるから、色々な事に挑戦してごらん!お前は誰よりも自由なのだから」僕は部屋の壁を見ながら、「ああ、」と小さな声で応えた。最初の会社はそこそこ大きな会社で新御茶の水のビルの中にあり、ビルの一つのフロアーに100個位の机がありいつも誰かの電話が鳴っていた。四六時じゅう誰かが電話で話していた。「申し訳ございません!いえ、そんなハズは無いのですが?」そんな会話が聴こえて来る。係長に山ほどの書類を渡され、「新人のお前はそこの吉田さんの隣の机を使え」隣の吉田さんは、係長が去ると「どうしてあんたこんな会社に就職したのよ!」と自己紹介もする間も無く言われた。吉田さんは僕の四つ上のOLので何処にでもいるおとなしそうなタイプの人だった。「私、鬱気味だから気にしないでね」雑音の中で吉田さんは僕に告げた。僕は何か重大な告白を聞いた様な気がして、どうリアクションをしていいのかわからなかった。
「ちょっと!あんた私の話し聞いているの?僕は引きつった笑顔でうなづいた。「ええ、ちゃんと聞いていますよ」そう言いながらが僕は鳴り続けている受話器を取っていた。まさに戦場の様な忙しい職場だった。
七年目の恋(無意識の中の夢)
仕事は日増しに増えていった。朝タイムカードを押していつ陽が沈むのか解からないまま僕はデスクの上で蛍光灯に照らされている姿がまるで、狭い部屋に閉じ込められ、肥える事を待つだけのブロイラーの養鶏場となんら変り無い光景だと僕は思った。それでも、電話の赤いランプが途切れる事は無く誰かしら電話の対応に追われていた。勿論この僕もその一人だ。「こんにちは、山田さんのお宅ですか?」暫く受話器の無効で呼吸する微かな音がする暫くすると、「ハイ、山田です」受話器の向こうで歳の項で、5歳ぐらいの女の子が答える。「君の他に誰かいるかなぁー?お母さんかお父さんいる?」また暫く無言になる。「ちょっと、待って下さい」女の子はお母さんー。と叫びながら部屋を走っている。遠くの方で受話器に耳を澄ましてみる。小さな声で、「お母さんは居ないって言うのよ」と微かに聞こえた。「お母さんは今居ないです」彼女は不思議そうにそう答えた。「お利口だねぇー、おじさんはねぇーお父さんのお友達なんだよぉーわかる?」暫く彼女は黙っていた。「お父さんの会社の友達なんだけれど、お母さんにそう言ってくれないかなぁー?」「えー誰ぇー?お母さん、お父さんの会社のお友達だって」彼女はそう言うと受話器を母親に渡した。「もしもし?」僕は受話器の向こうの母親に言った。
「電話切らないで下さい。お宅居留守使ってもダメだよ。子供に嘘つかせるなんて酷いじゃないか」母親は金切り声で叫んだ。「あんたこそ卑怯じゃないか嘘つきやがって、無い物は払えないよ」地獄から突き上げる様な声で叫んだ。「おかあさん、あんたがちゃんと払ってくれなきゃ困るでしょう。もう期日はとっくに過ぎているんだから。子供にまで嘘つかせて、お金いつまでに振り込んでくれるのですか?」近くでさっきの女の子の泣き声が聞こえる。「もう少し待ってもらえませんか?」僕は即答で答えた。「いや、待てないあんたこの間も約束守らなかったじゃないか!今いくらあるの?いくらだったら払えるの?」「わかりました。今日振り込みます」僕は「よろしくお願いします」とだけ言って受話器を置いた。「おーい雄介!今日は飲みに行くぞぉー!!」5時の終礼のチャイムが鳴り僕タイムカードの列の後ろに並び打刻するのをまった。少女の泣き声が耳にこびりつき消えないままだった。
七年目の恋(無意識の中の夢)
僕はスタジオ、ボッテカのある逗子には、土地勘も無く一体どうやって行けばいいのかわからなかったが、取り合えず日曜日だと言うのに、朝からスーツに着替ネクタイを締めテーブルの上にあった二つ折りのマジックテープで留める財布をズボンの後ろポケットに押し込んだ。「行ってきまーす!」僕は一気に二階の部屋から玄関に降りた。「ちょっとアンタァ、もう少し静かに階段降りられ無いの?ご飯はいいのぉ?」背中腰に母の声が聞こえたが母の声に振り返って手を上げた。駅に着き券売機の上にある路線図を見回した「新逗子は何処にあるんだろう?確か海の方のハズだけれど?」結局見つける事が出来ず、駅員に聞いた。「あのー、新逗子に行きたいのですがキップは幾等ですか?」一人ぼっちの駅員は怪訝そうに答えた「ああ、新逗子ねぇーそれだったら品川で乗り換えで京急線だな」そう言うと彼は品川までのキップを差し出した「京急線ってどんな電車?泉岳寺とか、青物横丁とかそうそう鮫洲とか行くやつだったよなぁー」何となく自分の想像している物としっくりと来ない。とにかくこの街から飛び出さなくちゃ、僕の知らない街へ。今日の面接は緊張していなかった。何故ならダメで元々今仕事が無い訳じゃ無いし、とにかく物を作る仕事がしたかったし面接されると言うよりは日曜の朝に叩き起こされた非常識な社長の顔も見てやりたかった。電車のベルの音を聞き階段を一気に掛け下りて駆け込み乗車で、ギリギリセーフ電車は僕の街から発車した。人のまばらな日曜日の朝だった。
七年目の恋(無意識の中の夢)
照りつく太陽の光りは海辺特有の遮る物の無い強い日差しだった。スタジオボッテカは逗子のなぎさ商店街の外れにあった。たまたま会社の愚痴を幼馴染みの裕子にファミレスで愚痴った「何て言うかなぁ?今の仕事文句無いよ。週休2日で仕事終わるの早いし残業無いし前のキチガイみたいな会社に比べたら」裕子はストローを噛みながら僕に言った。「だったら何で呼んだのよ!雄ちゃんが私呼び出す時って決まって何か迷って居るときよね」僕は目で否定した。「そんなんじゃないって。だいたい相談て言うよりは、自分で答え出しているじゃん」裕子は笑った。「確に。お互い男と女の関係にはならないし」確にそうなのだ、お互い近すぎて恋愛の対象にはならない。誰とお互い付き合って來たか知ってるし僕自身も裕子は恋愛対象外なのだ。まあ、しいて言えば男友達より愚痴を言い易いと言う事なのか?昔、オタクな男と別れられなかった時いいように彼氏にされて利用された事はあったが。「本当は今の仕事満足なんかしていないんでしょう?給料安いし、やりがいが無いんでしょう?」僕は一瞬息が止まった読まれてる。「そんな事無いよ平凡で僕が望んだ暮らしだもの」裕子はニヤッとした。
「嘘つき雄介!」この女は侮れないだから恋愛対象にはならないのだ。「アンタさぁ~、もったいないよ!力あるのに、いつまであの女の事に引っ掛かっているの?何でも昔みたいに戦ったらその方が雄介らしいよ。くだらないオヤジにならないって言っていたじゃん」結論の見えないまま僕達はファミレスのコーヒーのおかわりを断った。
車に乗り込み裕子を送って行くと「チョットコンビニ寄ってよ」裕子に信号待ちの時に言われ、僕はコンビニの駐車場に車を停めた。僕は裕子のお供の様に車から降りるとソソクサと漫画の立ち読みを始めた。「雄介!いつまでもジャンプ何か読んでないの。それより、仕事でも探したら?」裕子は求人誌を持って来た。彼女はデザートコーナーへと行ってしまった。「オリジナル鞄工房スタジオボッテカ!!未経験者歓迎。オーダー鞄作成、販売。」僕は2センチ四方のその小さな広告を見逃さなかった。
なぎさ商店街の外れに大きな壁の横にガラスで囲まれたイタリア調のフローリングのお店があった。大きな壁にはイタリア調タッチ白地の光った壁に大きな木蓮の満開の木と白い花が描かれていた。それが、初めてのこの地スタジオボッテカと僕の出会いだった。
つづく。
七年目の恋(無意識の中の夢)
スタジオボッテガは、一階がガラスに囲まれたショールームで二階が工房兼事務所だった。入口を入ると大きな犬が店番をしていて、奥にキャッシャーがありそのわきに二階に続く螺旋階段があった。「こんにちわ」人の気配も無く仕方なく、僕は店番をしている犬と戯れながら、店先に並ぶ鞄を物色していた。鞄の大きさはまちまちで色も昔ながらのなめし革の物やら、グリーンのクロコの形押し柄や金具は金で鞄のエンドはステッチをニスで固めてありなかなか素人の僕から見ても良く出来ていた。僕は何だかこの店を前から知っていたかの様な懐かしい錯覚に陥った。暫くすると螺旋階段を降りてくる人影が見えた。僕は慌てて背広の真ん中のボタンを留め上着のポケットのべろが外に出ているのを確認した。細身の女性の後ろを少し小太りの鼻の下に髭を生やした男が降りて来た。「あのー、今朝ほどお電話頂きました吉田と申しますが」雄介はなるべく笑顔を保ちながら二人に呼びかける様に言葉を発した。「ようこそスタジオボッテガへ」細身の30代前半の品の良いその女性は答えた。「お待ちしておりました。さぁ、どうぞお二階へ」小太りの髭の男はニコリともせず螺旋階段を登っていった。
つづく。
七年目の恋(無意識の中の夢)
螺旋階段を登るとそこは作業場だった。6台のミシンが並べられ僕とあまり歳の変わらない人達がまるで学校の放課後の部活の様に一枚の二メートル四方の革の裏面に各々のパーツを描いて行く一枚の革に無駄が無い様パーツ分のチャコールのエンピツで印を付けて行く。「こんにちわ」軽く僕は会釈をした。僕は奥の社長室に通された。窓際には長い社長の机が置かれ机の上には大きな地球儀が置かれ左の壁には大きなチンザノのポスターと右には年代を感じさせる手書きのスリーポインテッドスターのガルウィングのポスターだった。机の上には吸いかけの葉巻があり、部屋の隅には、ガラスケースのワインセラーが置いてあった。僕はこの部屋のセンターにある三人がけのイタリア調のソファーの左側に腰をかけた。暫くしてからさっきのこの部屋へ案内してくれた女性がお茶を持ってきた。「今社長が来ますので少々お待ち下さい」彼女はそう言うとドアを閉めて出て行った「以外にちゃんとした会社なんだなぁ」僕は今朝の電話の主を待った。「どうぞ楽にしてください」僕の目の前に二人の男が現れた。ひとりはさっきお店で逢った髭の社長そしてもうひとりは営業部長と肩
書きの名刺を僕に差し出す神経質そうな人物だった。一瞬で僕はコイツとは合いそうも無いなと思った。
つづく。
七年目の恋(無意識の中の夢)
人との出会いと言うのは一瞬にして一言二言交わす言葉からその人の生き方や考え方まで感じ取れてしまう瞬間がある。「君は何で一流の会社を。。。。」彼の言葉は聞いてはいけない事を聴く様で言葉が段々小さくなっていった。「はい!!部長がお聴きになりたいのは、自分が何故会社を辞めたか??と言う事ですよね」僕は逆に大きな声で質問した。「ああ、そうなんだが」バツの悪そうな声で彼は言った。「会社の金の使い込みですよ。上司のね!上司は僕にその事を公言されたく無くて、そういうのに巻き込まれたくなくて辞めたのですよ」一瞬部屋は氷付いた。
本当の理由はそれだけでは無かったがこれ以上の事は興信所でも使って僕を調べればわかる事だ!!僕は目線を外した部長の顔を見た。その様子を見ていた社長が口元に薄ら笑いを浮かべた。「君は中々優秀な方だね!!色々と調べさせていただいたよ。追って今日の結果を電話で知らせますので、今週いっぱい待って貰えますか?「はい、勿論です」僕は答えた。「所でもし、家に来て貰える事が決まったら、勿論今の実家からは通えないけれどその辺は大丈夫かね」社長は僕の方を見て言った。「ええ、そのつもりで家族にはもし、採用して頂いた暁にはそうなると話しをしてあります」社長は「そうか、そうか」と微笑むのだった。それと対照的に部長は押し黙ったままだった。
つづく
七年目の恋(無意識の中の夢)
親離れ。
夢はいつか時と形を変えて叶う。信じる者には必ずそうなるし求める者には与えられる。しかし、それには幾つもの神の試みに挫けず何かを失っても一途に望み続ければ必ず与えられる。僕は今でもそう信じ続けている。
その夜、ボッテカの社長の秘書の女性から電話があった。「もしもし、吉田さんですか?」「はい、お世話になります」ひと呼吸おいてから、「今日はお疲れ様でした。唐突ですが良いお話は早い方がよろしいかと思ってお電話いたしました」彼女は丁寧でゆっくりとした口調で話した。「採用という事で決まりました。おめでとうございます。付きましては3月から我が社へいらして頂きたいのですが?」彼女の話に僕は唖然とした。3月まで二週間を切っているのだ。「あのー、住む所とか給料の事とかありますし、もう少しお時間とかは頂けないのでしょうか?」彼女は少し控えめに答えた。「吉田さん?ご不満ですか?でもこれは決定事項ですから」
僕はここで、隙をみせてはいけないと思った。「わかりました。三月一日にはそちらにお伺いいたします」彼女はホッとした声で言った。「短い期間ですけれども大変とは想いますが、何卒よろしくお願い致します」僕は彼女に言った「社長様によろしくお伝え下さい。ありがとうございました」僕は電話を切り今日一日の出来事を振り返った。昔彼女が言ってた海のある街で暮らしたい。もうずうっと遠い昔の話だ。デートで夜な夜な親が寝静まった頃親の車の合い鍵で車を持ち出し彼女と待ち合わせで行ったあの街が逗子だった。「いつか、あなたとこの町で暮らしてみたい」彼女は車の中から海を観ながら屋根のルーフを開け潮騒を聞きながら僕に言った。「そうだね(笑)でも無理だよ!僕らの街から何百キロと離れて暮らす手段も無いし理由も無いから本当に夢だよね」僕はそんな答え方をした19の頃。彼女はムキになって僕に言った。「夢は叶う!!あなたが望めば必ずそうなるんだわ!!
」確か彼女は僕の目を見てそう答えるとキスしてくれたあの頃。
つづく。
七年目の恋(無意識の中の夢)
僕は翌日から、一人暮らしをするべくアパートを探した。まずは、情報誌を駅で買い路線図を買った土地感の無い僕は、京急線の横浜から、新逗子の間を考えた。横須賀方面にはちょっとした苦い思い出もあり、起伏の激しい所が多く平地が少なかった。どちらかと言うと横浜から近く東京にも出るのに楽で家賃が安くと絞って行くと物件もかなり限られた。まずは横浜の不動産屋からあたり、上大岡の丘の上の緑色のアパートを紹介された。この物件のいい所は丘の上にたっているのでランドマークまで一望出来る景色が何とも気に入った。僕は、不動産屋に言った「この部屋でお願いします」六じょうと小さなキッチンが付いたこの部屋で決めた。誰も知らない土地で窓から心地よい風が吹いていた。人生の再スタートには丁度いい部屋の広さだった。全てが自分の手に届く狭い部屋でもうこれ以上失う物など無いのだから。僕は不動産屋に部屋の鍵を渡され「それじゃあ、よろしく」と声をかけられ一人窓の外の風景を見渡し溜め息を付いた。28の春だった。 つづく。
七年目の恋い(無意識の中の夢)
僕は、躊躇いもせず一人暮らしを決めた。住慣れたこの街を出る事にむしろ喜びを覚えた。「いいこと無かったなぁ。この街はもう戻りたく無いな」一人部屋の荷物を片付け、あいつに貰った物やアルバムやら整理した。僕はお金も無かったのでレンタカー屋でトラックを借りた。「お客さん今週は結構借りる人が多くて、箱型のトラックは一杯なんで、荷台付きで構わないですかね!」僕は迷いもせずOKした。手伝いには、会社の同僚の田島が「吉田君、寂しくなるなぁ君が居なくなると」田島はおとなしいく物静かな男だった。よく、彼とつるんで、会社の女の子と合コンをしたものだ。「もし、僕でよければ引越しの手伝いするよ。僕も一人暮らしだから結構引越しって大変なのわかっているからさぁ」僕は有りがたい彼の申し入れに快諾した。「助かるよ。何しろ急な事なんで、僕もどうすればいいか迷っていた所なんだ。恩にきるよ」こうして、引越しは決まった。ある晴れた日曜日僕は実家から借りて来たトラックに荷物を積んでベイブリッジを渡った。後から気が付いたのだが、何故僕は引越しする日が雨だと思わなかったのか?今思えば、天も僕の旅立ちをまるで祝福してくれていたのかもしれない。
つづく。
七年目の恋(無意識の中の夢) 「連載小説を書いてみようv(6297)」 [ カテゴリ未分類 ]
上大岡の商店街のアーケードをくぐり僕は赤い電車に乗り会社に急いだ。逗子の太陽は海辺の街特有の明るい日差しで、僕の眼は日差しに戸惑った。とても澄んだ空気のお陰で太陽の日差しを拒む物は何も無かった。会社に着くと軽くミーティングがあり、その後工場から商品の鞄を車に載せて僕の一日が始まる。全く土地勘の無い僕は戸惑った。ルート134号線が何処へ行くのかわからなかったし、隣町の鎌倉の交差点の名前もわからなかったし、葉山町に関してもマリーナがあることや、海沿いに行くと何処にたどり着くのかさえ分からなかった。ましてや、この街に幼なじみがいるわけじゃないし、僕は部長に簡単な手書きの地図を手渡された。「雄介、取りあえず地図を見ながら家の鞄を置いて貰ってるお店から回ってくれ」僕は部長から渡されたリストと地図を見ながら、鎌倉の下馬(げば)の交差点を横切り藤沢のお店や、海沿いをどこまでも走り幾つもの橋を渡りながら、七夕祭りで有名な平塚のお店を回ったり、時間があるときはサボって平塚のグランドで練習をしている弱小サッカーチームの練習を観戦したり、稲村ヶ崎からサーフィンを見ながら車の中でハンバーガーを食べぼんやり眺めていることもあった。車のシートのリクライニングを倒すと鳶が輪をかいて空を飛んでいた。それを見ながらずいぶん遠くまでやってきたんだなぁーとあいつと過ごした日々を思い出していた。
つづく。
七年目の恋(無意識の中の夢)
一人暮らしは気楽な物だった。アパートは寝に帰るだけだった。夕食は新逗子の駅前前にある定食屋か、上大岡のラーメン屋だった。自炊すると後かたずけが面倒だったから外食が多くなった。よく、「一人暮らしは結構寂しいよね?」と会う人に言われたが実感が沸かなかった。一人で家に帰るのも寂しいと思わなかったし、特に夜中に電話する恋人も居なかったが仕事が早く終わった時や休みの日にはビデオばかり観ていたし、近所のホームセンターに買い物に行くのも好きだった。
その内知り合いの居ないこの街にも仕事場以外の友達も出来た。葉山で花屋をやっている祐司だ。「雄介さんて変わってますよね(笑)でもカッコいいかな?」祐司はボッテカのショーウィンドウに月二回花を生けに来ていた。「祐司だって変わっているじゃん(笑)22でさ、男で花屋だろう?」祐司は今風のイケメンの痩せ男でチョットジャニーズ系だった。葉山の小さな彼の城は冬でも窓を開けっ放しの花屋でよく遊びに行くと店番を隣の雑貨屋のマダムに任せて二人で近所の喫茶店によく行った。「雄介さん、今度僕の彼女と彼女の友達と食事にいきませんか?」祐司は悪びれる様子も無く言った。「祐司、お前女癖悪いだろう?彼女なんていたんだ。俺だったらお前と付き合いたく無いなぁー(笑)」祐司は目を細めて笑った。
「雄介さんに言われたく無いですよ。雄介さんだって悪いことばかりやって来たからこの街に来たって地元の奴ら噂してましたよ(笑)」祐司は軽口を叩いて笑った僕はそんなやんちゃな祐司と連んで居るのが楽しかった。ただ、時より祐司が見せる寂しい横顔だけが、時折気になる事を除いては。
つづく。
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