tomorrow

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不安な日々




私はフッと不安になることがある。

少し寒くなったせいかもしれない。

そんな時はバスタブに温めのお湯を張り、ラベンダーのオイルを数滴湯槽に落とす。

「ユミコ、幸せだね!順一さんがいて、でも順一さんしか知らないで、それって淋しくない?」

友達の浅香に言われた事が気になっていた。

ユミコは湯槽に浸かりながら、独り言を呟いた。

「順一!あなたはパーフェクトだわ!」

そう、どこから見ても私にとって完璧なのよ!

私がね、不安になるのは、あなたのお母さんの言葉!確かに、あの人の言葉は真っすぐだった。

あなたの将来は、私があなたに付いて行って迷惑にならないのかしら?

あなたは、大学を卒業してどんな仕事をするのかしら?

ミュージシャンになりたいって言ってたよね!笑いながら、「ガソリンスタンドの店員でもいいし、金融屋の取り立て屋でもいいね!ユミコと暮らす為だったら、何でもいいよ。」あなたは笑って言っていた。

私は、あなたの将来の可能性について、私なんかと居て終わらせる必要無いんじゃないかと思うの!

だって私は将来高校を卒業して大学で学びたいと思わないし,

ただ、本当は色々な人とお付き合いしたほうが、人間的に幅が広がるのかなぁ?なんて思うの。

誤解しないで、あなたの事は好きよ!大切な人である事は変わらないの。

ただ、お互い今のままでいいのかなぁ?と不安に思う時があるの。

あなたは、どんどん私の手の届かない所に行ってしまう様でとても不安になるの。

ユミコは色々な事を考えると胸が熱くなって、バスタブの中で泣いていた。

「嫌よネ!悪い事ばかり考えるてる。」不安な夜はなるべくいい事を考えなくちゃ。

そう、あなたと暮らす夢を。

テーブルに、お花を飾り私は順一の帰りを待つの。

お料理をしながら、そう私が望んでいるのは、そういう暮らしなの!

ユミコはバスタブの中で小さく呟くのだった。

つづく。


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