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音の無い世界(スキー天国2)



夜が明けるまでの数時間車の中で毛布に包まり朝が来るのを待っていた。

天井のガラスのスライディングルーフは少し曇っていたが、満天の星が見えた。

僕は夜空の星を見ながら、RCサクセションのバラードを聴いていた。

僕等は毛布の中で手を繋いで夜明けを待った。

気がつくと、鳥達のざわめく声が聞こえ夜が明けた。

僕はユミコが家で作ってきた、イギリスパンのサンドウィッチと、僕が家で作ってきたコーヒーで朝食を食べた。

ゲレンデのロープウェーが動き出すのを合図に僕はスーリーのキャリアから、スキーを下ろし、靴をスキーブーツに履き替えた。

雪の中にスキー板とストックを突き刺した!!

「ユミコ!!早くしないと、置いて行くよ!!」

ユミコはブーツを履くのに手間取っていた。

僕はユミコのそばに行き、「肩につかまってごらん!!」

その間にブーツのフックを調整し、フックを固定した。

ユミコは嬉しそうだった。

「順一は何でも出来るんだね!!流石だね!!」

「どういたしまして!!さあ、行くよ!!」

僕等はリフトに乗った。

僕は家族で、小さな頃から、スキーに慣れ親しんで来たので
雪国で育った事も幸いして、スキーに対する恐怖心は無かった!!

右手で、リフトのイスをキャッチして、静にユミコをリフトに乗せた!!

「順一!!下見ると恐いよー!!」

ユミコは目を瞑っていた。

「大丈夫だよ、このバーに掴って!!」

遠くの湖が美しく輝いていた。僕等のスキーシーズンは、

まだ、始まったばかりだった!!


                  続く。


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