12 月1日(月)
昭和萬葉集(巻十四)(199)(昭和三十五年~三十八年の作品)
講談社発行(昭和 55 年)
Ⅲ(44)
仕事の歌(26)
商人の歌(1)
得能賀衛
燈のもとに帳簿散らかして息づけり梅漬けの塩多く売れたり
塩売れて久びさに空きし倉の隅鼠の穴あるに石つめふさぐ
雨漏れば屋根裏に昼の燈をつけて濡れたる塩の袋を数ふ
市田めぐみ
刺繍ある白きエプロンに神通し初荷売らむと店先に立つ
明日菊江
仕入日は明日なり銭をかぞえみる銭箱に銭の音たてながら
(つづく)
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