12月3日(水)
与謝晶子の歌(190)
(注)歌友である渡辺つぎさんは、平成二十九年九月六日、百六歳六か月にて永眠されました。「伊豆遊草」には、伊豆におけるおける与謝野晶子の膨大な数の歌が収録されています。その中から出来る限り抜き書きしたいと思います。
熱海詠草――(13)『冬柏』六巻三号・昭和十年二月
梅の花靄を破れど危ふけれ海より来るは厚き 雨雲
花咲ける伊豆に残らず海にのみ余寒残りて雨を送れる
都より友を迎へて聞く雨のうらなつかしくなりにけるかな
夕ぐれに一休庵へ遊ばんと告げて人去る 立春 の雨
雨降れば出でて桜を池に見ず遥かに恋ひしみよし野のごと
(つづく)
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