12月3日(水)
歌集「蟲のゐどころ」(44)
発行所:(株)角川書店
著書:植松法子
発行:平成十九年二十五月
作者は、わたしが静岡県歌人協会の常任委員のとき副会長をなさっていました。歯に衣着せぬ歌評で、わたしと対立する場面もありましたが、色々勉強させられました。1994年角川短歌賞の佳作に入選されています。
Ⅱ純林(7)
五分のかがやき(1)
天日はほがらほがらと差しわたりオホイヌノフグリささめき笑ふ
百合鷗キンクロハジロを早々に帰していまだ冬なるながれ
あかねさす紫雲英畑の方形を見下ろしてゐる第二東名
密を吸ふ目白を振子のごと揺らししだれ桜は五分のかかやき
わが薊にあゆみ止めたる人の影ときのま朝の障子に映る
(つづく)
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