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この子の足は、瓦礫といっしょだ。
なくてもしっしょと、瓦礫とともに吹き飛ばされた。
役に立たないおもちゃの足。
ブン妃のように、殺されたら、少なくとも、その後苦しまなくてすむ。
だけど、どうだ。
この子は、どこに行くにも、一生、誰かにだっこしてもらわなければならない。
それを、この子は、声高にいわない。
誰かが写真にとったから、こうしてその存在を私に伝える。
いなくてもいっしょ、とされた人たち。
歴史に名をとどめる人たちは、まだ、にんげんとして殺された。
瓦礫と一緒と、瓦礫に埋められた人たちは?
死んでも瓦礫といっしょとされた人々は、どうしたらいいのだ。
午前2時の家宅侵入。
そんなもの、イラク、アフガンでは、イヤんなるほど見た。
黒い ヒンディの彼女らは、寝ていたところを米兵に、襲われた。
瓦礫に埋められ、深夜に連行され、拷問されてゴミのように捨てられた、名もない人々、
ああ、残酷×六十万。
名前さえ残さず、忘れられ、生きるも地獄の人々は、自ら瓦礫の一部のように、静かに佇む。
少女を抱く父親の顔。右目からいつくしみが少女の上に滴り、左の目はターバンの陰りから我々を射抜く。
唇は、溢れ出る言葉をおしとどめ、「見よ」と、夕陽の当たる唇は、瓦礫の数だけの言葉を、無限にその瓦礫の下から語ろうとするがゆえに、閉じられる。
「これが、あなたがたのやったことだ」
週間金曜日 「戦犯・小泉を喚問する」