佐渡島三郎の株式日記

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2006年10月11日
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カテゴリ: 相場コメント
ロンドンにいたモーレツ証券マンの話。


10月11日(水)
相場の世界、昔はすごいのんがいっぱいいた。

今はなき「あの証券会社。 」
主力の営業マン達はロンドンの北部にみんな住んでいた。
朝5時。。みんなでタクシーに乗って6時には出社。
営業マンみんな朝から日本中に電話をかけまくる。
各地の支店。調査部。銀行の友人。本社国際部。

情報をみんなで共有する。その日の営業作戦を議論する。
再びみんなあちこち電話をかけまくり取材する。

朝8時ぐらいからイギリス、フランスの顧客に電話をかけまくる。

で今日の日記の男。
彼はその日系証券のロンドン支店の日本株営業マンだった。

名前はH氏。

彼は180cmぐらい。。いつも何を考えているのかわからない。
宇宙人みたいでした。

彼は株が大好きで朝から晩までどの株がおもしろいか。。
とことん考えている男だった。

ゴルフはうまい。英語はまあまあ。アイデアマン。



あるとき、僕の担当の営業マン(彼ではない人)が
「今日も何もないですねぇ。。つまんない相場ですね」
彼の口癖だった。

俺:たまには東京の地下都市構想みたいに。
核攻撃に強く、地震に強く、地下に巨大都市をつくるような


彼:「ワタシは何もないですが、となりで今日、朝から富士電機を奨めてる奴がいて、富士電機のことなら30分でもしゃべりまくってる奴がいます。」

俺:「じゃすまん、そのけったいな奴電話に出してみて。」

で彼は延々と富士電機の材料を話し始めた。
議論は弾んで。。彼を僕の担当にすることにして
営業部長のY氏に話をして翌日から開始になった。



ある日。・
朝、彼に東京の株式市場のことを聞こうと電話したら
彼がいない。
Y氏があやまりの電話をかけてきた。
「実は彼、昨夜、酔っぱらって。道路の上に寝てたみたいで
なぜか警察の別室で一晩お世話になってるみたいで
今から迎えに行ってきます。」


ある日。。彼には無関係のことだったけど、彼の会社と
同じ関係会社の派遣社員がある事件を起こし僕を怒らせてしまって。

「悪いけど、先日腹が立つことがあって、もう君んとこの会社に注文出さないことに決めた。許せ」

昼飯を食べたあと。オフィスの受付の女性から電話が
あって。「お客様です。」

誰だろうと思って一階に下りたら、なんと彼と営業部長だった。電話のあとヒースローまで飛ばし、飛行機に飛び乗って
エディンバラまでやってきたのだった。

あの事件。僕が100%悪くていまでも申し訳ないと
思ってます。でも彼らのプロ根性はすごかった。


ある日。。彼の父と会った。
彼はイランに何十年も住み働いていた知る人ぞ知る人物。
イランの革命やらクーデターで政変があるたびに彼の父は
ムショに放り込まれた。通算8回以上。
中東情勢の分析で外務省の人も彼に電話してよく情報入手したらしい。

彼は言う。。「なぜサダムがクエートに突撃したかと言うと、
イラクがイランと何年も戦争してるあいだに、イラクとクエートの国境の真下にあるでっかい油田で戦争中は蓋をしてあったのだけど、終わってみたら空っぽになっていた。戦争中にクエートがせっせせっせとくみ取っていた。でお金で返すかアブラ
で返すかどっちだとサダムがせまると、クエートはどっちもいやだと返事した。だからサダムは怒ってクエートに乱入したわけ。サダムが怒るのは当たり前。。中東の人間なら誰でも知ってる話です。」
貴重な話だった。


話をもどして。

ある日。。日銀が公定歩合の引き上げを決定すると噂された日だった。
俺:「やっぱり決定しそうなの?」
彼:「我々の情報では3分前まで日銀本店の3階の廊下はとても静かです。決定があるときは廊下は戦争みたいになります。
ですから今日の決定はないと思います。」
こういう情報は野村からも大和からも日興からもなかった。


神戸震災のとき、
「ハギ。すまんけど注文テレックス打たないで完全極秘
で地所400万株売ってくれ。深夜ロンドンから寄り付き直前に電話して出すか、お前が直接執行するかやってくれ。ガイジンが日本を売ってきたと言われないように売ってくれ。値段は好きなようにやってくれ。任せる。」

(地震の前に取材して売却決定済みだった。
僕にとっての三菱地所事件というのがあった。
いつか話すね。)



1995年。為替が劇的に円安に動くと彼はマクロデータを
どっさり持ってきて話をする。。マネーサプライの話ばかり。
年初から緩やかに円安になってきて。。夏の盆休み直後から
ぐっと円安がひどくなった。

彼は為替感応度から日産自動車の買いを奨めてくれた。
円高でダメージが小さいトヨタよりもダメージがでかかった日産。これがいいと。

で買うことに。。あのときは順番で野村に注文を出すことになった。

800万株の計らい注文。これもテレックス厳禁。野村の営業マンが東京の株式部に深夜黙って連絡。

僕も心配で野村の株式部長に電話。
なぜか買いが殺到してます。。今成り行き買いが1000万株。。
ああ今1500万株。。しばらくして。。今3500万株。。
「部長。。もうお任せします。。全部成り行きでやってください。僕はもう寝ます。」

で翌朝。ストップ高で。。450万株買えた。半分以上僕が買った感じ。でそのストップ高の値段が東京タワーのてっぺんになってしまった。一人で妄想にふけり、その日だけみんなも踊った。ただそれだけだった。
忘れもしない日産自動車事件。

H氏は「なんで僕にあの注文くれなかったですかぁ!」
俺「いやすまんすまん。順番。順番。他のでっかいのを回すから心配するなよ。」


他にもいっぱい話があるけど、このくらいにしましょう。

(ロンドンの日系証券マンみんなで極秘の松下売りのキャンペーンをやったりしたこともあった。)


でそのH氏。。


本日の日経の真ん中にある某投信の1ページ全部を使った広告。ある女性アナ(福島)の
右側に立っている男がH氏です。


今日彼に電話して30分ほど昔話をしてました。

でこの日記ででてくる営業部長Y氏。。
彼は本当にすごかった。大阪支店にいたときからいつもトップセールスの人だった。
いつも腰が低く。。常に顧客優先を貫いていたね。
昔はお腹がドラム缶みたいに出てたY氏だったが少しは凹んだかな?
今有名な某外資系運用会社の社長さんになってると聞いてびっくり。



証券界には彼のような個性あふれるセールスマンがいっぱいいます。

今もそうでしょう。知らないとこにきっといるでしょう。


みんながんばってほしいですね。
迷惑になるといけないから、場合によってはこの日記は
あとで削除するかもしれません。


三郎。







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最終更新日  2006年10月13日 02時54分43秒


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