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2008.01.28
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カテゴリ: lovesick
楓のおじいさんは、それ以上楓には何も言わず、俺の方に向いて、

と頭を下げていう。丁寧な言葉に恐縮しながら、
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
と頭を下げた。おじいさんは、満足げにうなずくと立ち上がり、楓の頭をなぜてから、フジシマくんに、
「ちょっと散歩にいってくる」
と告げ、ゆっくりと部屋を出て行った。
フジシマくんは、おじいさんの分のコーヒー茶碗を片付けながら、
「ま、あんまりプレッシャーに感じないで。気楽にね」

「分かってます。ただ、なんか、俺よりも、楓にはプレッシャーになってるような気がしますけど、俺とのこといわれるのが」
と楓の方を向くと、楓は、ちょっと困ったようにうなずいた。フジシマくんは、
「楓もプレッシャーに感じることないよ。ゆっくりでいいんだ。少しずつでも前に進もうとしているの、この間からの作品見てると、よく分かるよ。先生もよく分かってるはずだよ」
といい、俺も、
「そうそう、そのまま、宗太郎が言ってたように、いいポジションだっけ?キープしてなよ。居心地悪くないなら。まだ俺たち出会ったばかりだし。」
楓は少しほっとしたようにうなずいた。と、携帯にメールが来た。

宗太郎→悠斗:うっす。今どんな感じ?

悠斗→宗太郎:今、楓の実家にいる。おじいさんに会って少し話したよ。

宗太郎→悠斗:そっか。じゃあ、後でちょっと寄るわ。

「宗太郎があとでちょっと寄るって言ってるけど」
と楓に言うと、楓はうなずく。




楓に促されて、2階に上がり、楓の部屋にはいった。いろんなモノがある。全てが楓の破片だと思うと、ドキドキする。楓は机に置いたパソコンを起動させている。俺はたくさんある写真立ての中の写真を見ていった。いろんな時の、いろんな楓。俺の知らない時間の中の楓。どれも幸せそうだ。悟さんのセピアの写真もあった。本当にやさしそうな笑顔。なかなかこんな表情できない。楓はとても大きな愛情に包まれていたんだな、と、改めて思う。妬けるか妬けないか、と訊かれれば、妬けると応えるしかない。でも、嫉妬の感情なんて、大したことではない。今の楓のゆれる気持ちや、そして何より悟さんの無念さを思えば、俺の楓の過去への嫉妬など、一体何の意味を持つだろう?

楓がキーを打ち始めた。後ろに立つ。
『ごめんね、おじいちゃん、なんかいろいろ。。恋人でもないのに。。』
俺は、楓の両肩越しに手を出し、キーボードを使って、『恋人』の前に、『まだ』と書き足した。
「これ、すごく重要だから。」


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最終更新日  2008.01.28 00:08:06
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