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2005年10月02日
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カテゴリ: 戦争映画
1961 東宝 監督:佐伯幸三
出演:ハナ肇、渥美清、桂小金次、植木等、野村昭子、春川ますみ、ザ・ピーナッツほか 
81分 モノクロ



 舞台は第二次世界大戦末期の中国戦線だが、当然設定は適当。日本兵の姿格好はまあ見れるが、中国軍女兵の軍装やその存在そのものは無茶苦茶。中国を小馬鹿にしているのか、リアリティを求めない時代性か。まあ、そういう点はコメディなので気にする事はないのだが、一番気になるのはストーリー。クレージーキャットや渥美清が出てきて、最初から最後までコメディ路線で行ってくれればいいのだが、意外と暗く重苦しい展開がのしかかる。映画の主題をひっくり返すような、信じられないどんでん返しもあり、尻切れトンボのようなエンドと言い、何を見せたかったのかわからない。これだけの喜劇スターを集めたのだから、とことんコメディに徹して欲しかった。

 映像はほとんどが屋内スタジオ撮影。銃撃戦シーンもほんの最初だけ。あとは、主人公3人と中国女兵のドタバタ。ハナ肇、渥美清、桂小金次の異種合作のコメディはなかなか見物。また、中国女兵ではドラマ「家政婦は見た」シリーズの野村昭子が隊長役でとっても良い味を出している(今とあんまり変わらないというのも凄い・・・)。春川ますみも入浴シーンで、すわヌードかと思わせるきわどい場面も。役者の味という点では素晴らしいので、やはりストーリ構成の難が残念なのである。

興奮度★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★




 第二次世界大戦末期の中国戦線。南支派遣軍木村分遣隊は中国軍の襲撃を受け、頓田(ハナ)、三木本(渥美)、松浦(桂)の三人の二等兵を残して全滅。三人は命からがら戦場を脱出する。この際商売に転じようという三木本らに対し、頓田は先任として戦線に戻る事を主張した。
 途中で立ち寄った民家で、親類の子を抱く女桂花と出会う。桂花は日本兵を嫌っていたが、三人が子供ミルクを分け与えているうちに打ち解ける。
 枝本分遣隊にたどり着いた三人は、分遣隊に取り込まれるが、枝本分遣隊は最下級兵でも兵長という古参部隊であった。三人は新兵として雑用に使役される。そのうち、三人は古参兵が暴行しようとしてた双子の娘ソーラン、シンシュー(ザ・ピーナッツ)を助ける。
 しかし、本隊では木村分遣隊が全滅したと報告済みであり、三人が生きている事がおもわしくなかった。そこで、三人は無茶な偵察任務を言い渡される。しばらくしても戻ってこない三人に分遣隊は三人の葬儀を進めるが、ふと気づくと三人がその列に加わっているではないか。三人は無事戻ってきたのだった。
 続けて、三人はさらに危険な任務を言い渡される。付近に陣を構える中国軍に潜入して情報を入手して来るというものだ。しかも、相手は女兵士の部隊である。途中で水浴び中の女兵から奪った服装を身につけ、三人は女に化けて女兵ばかりの中国軍に潜入する。女兵との入浴や、添い寝という危機をいくども乗り越えるが、ついに身体検査の過程で男である事がバレ、さらに服を奪われた女兵の帰還で日本兵である事もバレてしまう。
 中国女兵隊長(野村)、副隊長(春川)のもと軍事裁判が行われる。その検察役はなんとあの桂花が務めていた。弁護人の巧みな弁護で一時は無罪になりかけるが、頑固な頓田は捕虜になる事を潔しとせず、スパイであることを暴露し、死刑判決となる。
 いよいよ死刑執行が近づいてくるが、三人の死刑に気が進まない桂花のもとに、かつて暴行を助けたソーラン、シンシューも三人の死刑中止を求めてくる。桂花は隊長に進言し、三人が中国軍に協力させることを条件に死刑中止を勝ち取る。しかし、中国軍に協力する事を拒んだ頓田は機密書類を入手のうえ脱走するも、桂花に見つかり銃で撃たれる・・・・。
 と頓田はここで目が醒める。明日の危険任務を前に夢を見ていたのだ。三人は改めて危険な任務に赴く。その途中で、自軍陣地が襲撃される音に気づく。戻った三人は全滅した枝本分遣隊の姿を見る。またも命を延ばした三人はあてもなく広い荒野を歩いていく。その足下には「日本降伏 戦争終結」のビラが落ちている。


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最終更新日  2005年10月02日 08時10分21秒
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