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2005年11月23日
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カテゴリ: 戦争映画
1939 東宝 監督:亀井文夫 
66分 モノクロ



 ただし、亀井の作品を良く「反戦」映画と評するが、これは違うだろう。亀井は決して戦争に反対しているのではなく、日本軍部・政府に反対、いや共産主義の啓蒙を目的としているのだ。そういう事を念頭に本作を眺めるとその意図が見えてくる。
 本作は全編を通して写実的に、リアリズムを追求するかのように、疲弊した中国人、負傷した日本兵、置き去りにされる馬の姿などを表裏なく描写している。好戦的でも反戦的でもなく、これを厭戦的表現と見る向きもあるが、むしろ私は人民主義を伏線にしているものと思っている。中国人の農民、日本軍の下級兵士ともに戦争行為の被害者のように描きつつ、単調な叙情的な音楽と情景を交えて、その雑草的強さをことさら強調している。立ち上がれ人民とでも言い出しそうな雰囲気である。この製作手法はソビエトの「芸術記録映画」とも繋がる部分があるような気がする。いわゆる共産主義者が軍国主義の中でいかに主張をするかといった事を考えたとき、このような手法を取ったのだと理解すれば、なかなか興味深いものがある。
 映像は日本陸軍の進軍風景で、武漢攻略戦あたりまでが写されており、ほぼドキュメンタリーでストーリーや構成に面白みはない。しかし、叙情的な映像には記録映画としての価値が多分に含まれている。収録された会話は現場の声の採録がメインで、前線中隊指揮所や歩哨交替のシーンは実に臨場感がある。命令する中隊長、復唱する兵隊の会話がスムーズでないあたりがことのほかリアルだ。また、疲弊した将兵の姿や破壊し尽くされた街並み、寺院、教会、駅などの風景も、恣意的に写されたとはいえ、それはそれで戦意昂揚映画にはない、現実を物語っている。
 音響効果も、やや寂しげなバックミュージックのほか、機銃音や小銃音がなかなか臨場感あふれる。

 登場する兵器類としては、319の記号の付いた小型船舶、八九式中戦車、九四式軽装甲車が見える。特に八九式戦車に四名の戦車兵が搭乗し、障害物を乗り越えていくシーンはなかなかいい。また、航空機では、九三式双軽爆と九四式偵察機?が見える。このほか、トラック類、乗用車類、サイドカー、ロバ(兵器じゃないか)、の類は頻繁に登場する。大きな石がごろごろある河原を渡るトラックは無茶だ。 

興奮度★★★
沈痛度★★★
爽快度★★
感涙度★



 中国戦線の日本陸軍。前線の日本陸軍本拠地の風景として、捕虜尋問、兵器修理班、野戦病院、給水班(水質検査)などが写される。この部隊が移動したあとには、再び中国人農民が開墾を始め、たくましい農民の姿である。
 前線は漢口に向かって進軍する。途中で病気になった馬は置いていかれる。
 最前線の中隊本部では、攻めてくる中国軍に対峙して各小隊からの伝令がやってくる。第1小隊は敵に囲まれ、三角山を奪われる。小隊の40名は軽機20をもってトーチカに立て籠もっている。中隊長は奪われた三角山の敵に攻撃をかけるべく、砲兵に応援を頼み、第2小隊、指揮班を伴って攻撃に出る。
 戦闘で死亡した兵士の妻からの手紙が朗読される。無事を祈る内容に幼い子供の写真が添えられている。
 明治節になると武漢へ進軍を始める。戦車、航空機、トラックが次々と歩を進めていく。武漢は抗日の本拠地であり、市内には所々に抗日のスローガンが掲げられている。日本軍が占領した後の武漢は至る所が廃墟となった。しかし、そこでも中国人はたくましく生活を始める。継ぎ接ぎだらけの軍服の日本兵、疲れ切った日本兵。それに対して、往来を行き来する纏足の中国人女性が往来を行き来する。


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最終更新日  2005年11月23日 09時09分29秒
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