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2006年02月07日
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カテゴリ: 戦争映画
1999 アメリカ TVM 監督:ジョン・グレイ
出演者:アーマンド・アサンテ、ドナルド・サザーランド、アレックス・ジェニングスほか
95分 カラー



 ハンレー号は人力(手こぎ)型の潜水艇で、9人乗りで全金属製だが浮上走行時にはハッチを開けておかなければならないことなど欠陥も多く、実験時に35 人の命が失われ、「逍遙学派の棺」との汚名を着せられていた。そのハンレー号が最初で最後の出撃で戦果をあげたのが本作の主たる内容である。もちろん、当時に魚雷などなく、密かに敵艦に接近して機雷を取り付けて爆発させるという攻撃方法だが、このあたりは艦内の様子も含めて、記録が残っていない以上かなり想像で作られていると思われる。とはいえ、艦内のリアルな様子は真に迫るモノがある。
 映画としては、史実をもとにしたフィクションという感じの作りだが、リアリズムを損なうこともなく、かつ緊迫感を楽しめる良い出来である。主人公の葛藤という心理的要素や、変わり者の二等兵などコメディ的要素も入っており楽しめる。ただ、ラストの水没(水死)シーンは物語としてみれば、余りに悲しく切なすぎるし、映像的には結構ショッキング。水に対する恐怖を煽り立てる。まあ、それが史実なのだから仕方ないのだけれど。
 兵器としてみた場合、余りに稚拙で危険な乗り物である。動力が人力クランクというのはまだしも、注排水は小型の人力ポンプで故障がち、最悪の事態には艦底の金属バラストをはずして投下など、恐ろしい限りである。このような恐ろしい棺桶に志願して乗り込んだ勇士に敬意を表したい。なお、この潜水艦は陸軍所属となっており、乗員は海軍に頼みに行って確保している。
 全体としてはよくまとまった良作。もう少し、潜水艦の構造等にマニアックに取り組んでいたら、もっと面白かったかも知れない。本作はテレビムービーだが、アメリカのテレビムービーは本格映画よりも優れた内容の作品が多い。映画にしてしまうと駄目になるのかなあ。

興奮度★★★★
沈痛度★★★★
爽快度★
感涙度★★



 1864年サウスカロライナ州チャールストンは、北軍の封鎖・包囲にあい、港の北軍艦艇からの艦砲射撃で町は瀕死の状態であった。港の封鎖網を打開するため、南軍はハンレーの設計による潜水艦攻撃を計画していた。全鋼鉄製の完全潜水艦で、2人の操舵手7人の動力手による人力推力である。しかし、ハンレー船長は実験中にハッチの閉め忘れミスで水没して死亡してしまう。
 その意志はディクソン中尉が引き継いだ。ディクソン中尉は妻を機雷事故で失っており、いまだにその哀しみが乗り越えられずにいる。ディクソンは海軍に乗組員の募集をかけるが、馬鹿にして誰も応じない。しかし、北軍の艦砲で南軍艦艇が撃沈されると、7人の勇士が名乗り出てくる。ディクソン中尉、機関員のアレグザンダー中尉に加え、フランク・コリンズ、カール・シムキンズ、アーノルド・ベッカー、ジェームズ・ウィクス、リッジウェイ、カールソン、ミラーである。
 最初は仲間同士いがみあっていたが、耐久潜航実験で酸欠という恐怖に遭遇した彼らは、急速に仲間意識を高めていく。そして、いよいよ出撃の日が来る。機雷はロープで牽引していくこととなっていたが、北軍はそれを察知して対潜ネットで対抗措置を施していた。作戦は失敗に終わり帰還する。
 ボーレガード将軍は、ディクソンに新型機雷を提案する。潜水艦の先に機雷をつけてぶつける方法である。ディクソンはすぐさま準備にかかるが、英国人技師のアレグザンダー中尉に帰還命令が出る。代わりに新兵ホワイト二等兵が加わる。
 夜闇に紛れて潜水艦ハンレーは敵艦に接近する。あと100ヤードのところで発見され、銃撃を受けるが、機雷を取り付ける事に成功。すぐさま、敵艦を離れて機雷を爆発させ、見事敵艦は大爆発を起こして撃沈した。しかし、潜水艦ハンレーも被害を受けてハッチから浸水。底板のバラストをはずそうと試みるが、レンチがみつからない。もはやこれまでと悟ったディクソン中尉ら乗員は、先に約束を交わしていたとおり、潔くバルブを開放して海の底に沈んでいくのであった。


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最終更新日  2006年02月07日 05時57分47秒
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