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2006年03月03日
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カテゴリ: 戦争映画
2003 アメリカ  監督:アンソニ・ミンゲラ
出演者:ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン、レニー・ゼルウィガーほか
155分 カラー



 確かに、南軍に徴集された男の脱走逃亡劇と、残された世間知らず女の貧窮生活という二重ストーリーはかなり幅広い内容となっていて、見応え十分。南軍、北軍のどちらに肩入れしたものでもなく、背景となる黒人差別や脱走兵狩りも事細かに描写されているなど、歴史的背景も良く描かれている。また、未来の見える井戸など多くのエピソード(アクシデント)も興味深く取り上げられ、かつ登場人物も適正な人数で性格付けもはっきりしている。内容だけをあげれば、超大作並なのである。
 しかし、原作に沿ったのかも知れないが余りに多くの事象を盛り込みすぎたことと、場面転換の頻繁さとフラッシュバックの多用によってストーリーがブツ切れになっている感があるのだ。せっかくの題材が、脚本と映像編集の失敗によってひどく退屈に思えてしまうのだ。ただでさえ、上映時間が長いのだから観客が時を忘れるような引き込み方が欲しかった。
 本作は南北戦争を題材にしているが、基本は男女の別れと再会をテーマにしたラブロマンスである。だが、再会シーンも想像したほど感動的ではなく、それまでの伏線が何だったのかと悩む。戦闘シーンもスケールが小さく盛り上がらない。一つ一つの事象のテーマは面白いのだが、映像がそれについて行っていない感じで、もっと深く映像的にも内容的も突っ込んでいれば面白かっただろうに。冒頭のピーターズバーグの包囲戦はもっときちんと作り込んで欲しかった(個人的な要望だけど)。

 難点は役者にもあるかもしれない。世間知らずの牧師の娘エイダ役のニコール・キッドマンは単なる美女。お相手役のインマン(ジュード・ロウ)に惚れていく過程の演技が今ひとつ盛り上がっていない。インマンの出征中の辛酸も表情等にあまり表れていないのも興ざめ。インマン役のジュード・ロウの方は、無口で働き者という設定が全然あっていない。結構べらべら喋っているし、本気でコールドマウンテンに返りたいという気迫が余り見られなかった。
 決してお手軽映画ではないし、歴史的背景についてもそれなりにしっかりしているのに、こんな低評価となったのは自分でも驚きだし、残念。それだけ、早く終わらないかと時間ばかり気になった映画であった。
 ちなみに、キスだけしかしたことのない二人が、最後の最後でようやく結ばれるシーンのために、R-15指定(笑)。すぐに寝ちゃうアメリカ人にとっては禁欲映画の部類に入るんじゃなかろうか。

*ピーターズバーグの包囲戦
 1864年7月30日に北軍のアンブローズ・E・バーンサイド少将が、ピーターズバーグ要塞に籠城する南軍の真下までトンネルを掘り、爆薬を詰め込んで爆破させた。大爆発とともに北軍がなだれ込む予定であったが、本映画にも出てくるように大きく開いたクレーターに北軍自らがはまってしまって大反撃を受けた。このことからクレーターの戦いともいう。結局決着は8ヶ月後の1865年の4月であった。ちなみに南軍の司令官はロバート・E・リー将軍。

興奮度★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★☆



南北戦争末期の田舎町ノースカロライナ州コールドマウンテン。牧師とその娘エイダ(ニコール・キッドマン)が転居し、村の男たちが教会作りを手伝っていた。そのうちの一人インマン(ジュード・ロウ)は無口な男だが、エイダに一目惚れする。
 エイダとインマンは次第に惚れ始めるが、その頃北軍と南軍の戦争が始まろうとしていた。インマンは他の男達と同様に南部を守るために徴兵に参加する。
 出征の日、二人は初めてキスを交わし、インマンは出征する。戦争は短期に決着が付かず数年にも及んだ。
 1864年7月、ピーターズバーグの包囲戦にインマンはいた。インマンはエイダの写真を肌身離さずに持ち、北軍の仕掛けた爆薬爆破にも生き延びる。しかし、ついに首に銃弾を受けて負傷する。病院でインマンはエイダからの手紙で「父親が亡くなり、生活も窮乏してどうにもならない。帰ってきて。」とつづられているのを知り、ついに脱走を企てる。脱走兵は銃殺刑に値するが、インマンは徒歩でコールドマウンテンを目指すのだった。
 一方、エイダは父親が亡くなり、生活の糧もなかったが、庶民の施しを受ける事をよしとせずに、貧困の極みを味わっていた。それを助けてくれたのは隣人のサリー一家で、サリーの家でエイダは未来の見える井戸を覗いてインマンが倒れる映像を見る。
 さらに、サリーの計らいでルビーという娘が共同生活者兼お手伝いとしてやってきて、そのおかげでエイダも働く事を覚えていった。
 ところが、ある日、村の権力者ティーグ一派がサリーのもとにやってきて夫と隠れていた脱走兵の息子二人を殺害してしまう。失意のサリーも含めてエイダらは女3人で生活を始める。さらに、ルビーの父親が軍を脱走し、音楽仲間を引き連れて現れ、奇妙な生活が始まる。だが、隠れていたルビーの父親だったが足跡を残してしまいティーグ一派に見つかり、銃で撃たれてしまう。瀕死の父親を発見したルビーらは賢明の介抱を施すのだった。

 インマンは途中で、孕ませた黒人召使いを殺そうとしていた牧師を見つけて街のさらしものにする。牧師はお尋ね者となったが、逃亡中にインマンと遭遇して行動をともにすることになる。二人は脱走兵狩りの義勇軍から逃げるが、ついに騙されて義勇軍に捕まってしまう。その連行中に北軍の襲撃にあい、インマンただ一人だけが生き残り、老婆に助けられる。老婆は、親切にインマンの介護を施してくれ、インマンに銃までくれるのだった。
 老婆のもとを出発したインマンは、未亡人と赤ん坊だけの家に宿を借りるが、そこに北軍兵士が襲ってくる。病気の赤ん坊を放置し、未亡人をレイプしようとする北軍兵をインマンは殺害し、最後の一人は未亡人が射殺する。

 瀕死のルビーの父親を介抱しているところに、インマンがやってくる。エイダとインマンはついに再会を果たし、二人は結婚を誓い、初めて床を共にする。しかし、翌朝ティーグ一派がやってきて銃撃戦となり、インマンは死んでしまう。その姿こそ、エイダがサリーの家の未来の見える井戸で見た姿そのものであった。


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最終更新日  2006年03月03日 08時53分46秒
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