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2006年03月13日
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カテゴリ: 戦争映画
1972 東宝 監督:増村保造
出演者:勝新太郎、田村高廣、安田道代、宍戸錠ほか
92分 カラー


 やくざ上がりの大宮一等兵とインテリの有田上等兵の織りなす、娯楽アクションシリーズだが、本作は初めてのカラー作で製作も大映から東宝に代わり、勝プロが製作に関わっている。従って、これまでのモノクロシリーズ8作とは連続性はなく、独立した内容と捉えていいだろう。
 カラー作品ともなると作品のイメージがガラッと変わる。モノクロだと映像の粗が目立たないがカラーではそうはいかない。どうしても背景や小道具等の出来具合が問題となる。そう言う意味では、本作はそれなりにしっかりしているし、モノクロ作品ではあまりわからなかった軍装がなかなかリアルであるということもわかった。軍服がカーキ色になっただけでこれほどまでにリアル感が増すというのは驚きでもある。
 ただし、内容の出来はお粗末。ストーリーはこれまでのモノクロシリーズと似たようなものだが、八路軍スパイの女と恋仲になってしまう大宮一等兵(勝)は、以前のような豪放さやスケベさはなく、八路軍側につく売国奴のようなイメージである。勝プロの意向なのかどうなのかは知らぬが、人物設定に変化が見られるし、中国への配慮なのか八路軍が美化されているのも気に入らない。「八路軍は、盗むな、嘘つくな、捕虜殺すなが規則だ」など、どこからそんな馬鹿なイメージが出てきたのだろうか。
 それにも増して最悪なのは音楽効果。八路軍女スパイ芳蘭との逢い引きシーンになる度に、「チャラリーン」とエレクトーンの間抜けな音楽が入る。余りに兵隊やくざシリーズとは相容れないメロディはどうしてしまったのだろう。本作がもとから単発のつもりだったのかもしれないが、続編が出なかったのは正解だと言える。これ以上、兵隊やくざのイメージを崩すべきではないから。
 戦闘シーンは冒頭の場面だけはそこそこ迫力があるが、それ以降はどんどんしょぼくなっていく。また、モノクロシーリーズにも増して大宮の神懸かり的戦闘に拍車がかかり、スタンディング機銃撃ちや弾丸飛び交う中を両軍陣地を走り抜けるなどもう無茶苦茶。迫力があるわけでもなく、リアル感を損ねているだけ。
 勝プロが関わったせいであろうが、本作は大宮一等兵にかかるウエートが非常に高い。有田上等兵の出番は極端に減り、完全に脇役扱い。どういうつもりで製作したかは知らぬが、結果的には兵隊やくざに泥を塗った形だ。宍戸錠の悪役軍曹役は本当に悪そうな奴だ。

興奮度★
沈痛度★
爽快度★
感涙度★



 厄介者扱いの有田上等兵と大宮一等兵は北支の前線部隊である北井小隊に転属を命じられる。小隊長の北井少尉は中学出の幹候で戦争嫌いの温厚な性格だが、隊で実質的に権限を握っている分隊長神永軍曹(宍戸)は狡猾で汚い性格だった。
 転属移動中に有田と大宮の乗ったトラックが八路軍に襲撃され、奇跡的に有田と大宮だけが助かる。しかし、その場で北井小隊が駐屯する村の村長の息子(少年)がスパイとして捕まる。北井少尉は親日派の村長の息子がスパイのはずはないと反論するが、神永軍曹は独断で少年の処刑を大宮に命じる。大宮はあの手この手で神永を愚弄し、処刑を中断させ、ようやく北井少尉の命令で少年の命を助ける事が出来る。
 その晩、少年の姉芳蘭が大宮のもとを訪れ、お礼として鶏を置いていく。大宮は美人の芳蘭にすっかり一目惚れする。しかし、芳蘭を狙っていたのは大宮だけではなかった。神永軍曹も目を付けており、スパイ容疑という名目で芳蘭を犯そうとした。間一髪の所で大宮は芳蘭を助けるが、芳蘭がスパイではないかという容疑は晴れたわけではなかった。
 北井少尉は大学出の有田に、芳蘭と恋仲になってスパイかどうかを探れと命令する。有田は大宮が芳蘭を好いている事を知っており、大宮にその役目をやらせる。大宮は、芳蘭を宝物のように思っており、なかなか手を出す事ができない。期限の日が迫り、ついに大宮は手を出そうとするがするが、芳蘭はそれに先んじて「八路軍が12時に南から攻めてくる」との情報を教える。芳蘭はやはりスパイであったが、大宮の事を好きになっており情報を教えたのだ。しかし、そのまま報告すれば芳蘭は処刑されてしまうため、大宮は芳蘭を逃がしてから報告する。
 神永軍曹は敵を逃がした罪で大宮を処罰すべきと進言するが、北井少尉はまずは敵襲に備えるべきとする。案の定、時間通りに敵襲があり、準備していた日本軍は八路軍を撃退する。撃退後、大宮は敵を逃した罰としてタコ殴りにされて営巣に入れられる。その晩、村長の息子が大宮のもとに忍び込んできて、芳蘭のもとに手引きする。
 八路軍の芳蘭のもとに行った大宮は、芳蘭から八路軍に入らないかと誘われる。一旦は断った大宮だったが、芳蘭の魅力に次第に惹かれていく。しかし、芳蘭から今晩も日本軍襲撃があるとの情報を聞いた大宮は、残してきた有田上等兵が心配になり、急いで村に戻る。
 村の日本軍は敗退し、そこには北井少尉の戦死体があった。しかし、有田の姿も神永の姿もない。実は、北井少尉は神永軍曹に殺され、有田は拉致されていったのだ。
 その後、芳蘭から有田の居場所がわかったことを聞き、大宮と芳蘭は中国人に化けて潜入する。しかし、これは罠であり芳蘭もろとも捕まってしまう。有田、大宮、芳蘭は縛りつけられ、銃殺だと伝えられると、芳蘭は神永軍曹の女になる代わりに二人を釈放するよう頼む。神永軍曹はこの条件を聞き入れ、清い関係のままだった大宮の目の前で芳蘭を犯すのだった。
 翌日二人は放免となったがそれも嘘だった。銃殺される直前で、二人は八路軍に助けられる。武器をもった大宮は単身神永軍曹のもとに戻る。神永軍曹との決闘の末、芳蘭が神永を銃殺し、二人は八路軍のもとに戻る。「神永に抱かれた私を嫌いか」と問う芳蘭に大宮は半狂乱になる。それを見て芳蘭は無言で去っていく。後に残った大宮と有田は中国人の服を着て再び歩いていくのだった。

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最終更新日  2006年03月13日 08時53分02秒
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