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2006年11月09日
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カテゴリ: 戦争映画
1945 1月公開 製作:日本映画社 陸軍省検閲済 海軍省検閲第1号
6分 モノクロ


 1940年から戦時ニュース統制のもと、社団法人日本ニュース映画社がニュース映画として製作したシリーズ。1945年段階では日本映画社に改組されており、映画館での上映がなされていたものである。当然のことながら国策映画であるので、真実のニュースというよりはプロパガンダ的要素が強い。本号では年初めの陸軍観兵式と陸海軍の特別攻撃隊映像がメインとなっている。

 前半の「大元帥陛下親臨陸軍始観兵式」は昭和20年1月8日に宮城前広場で開催されたものである。軍旗、歩兵、騎兵の行進映像だけに特に目新しく面白いものもない。
 ナレーションは「軍旗を先頭に、皇軍の精鋭は陛下の御下前に堂々の軍列行進を行う。当決戦いよいよ急を告げる時、防衛の参加諸部隊は戦闘帽、鉄兜姿も凛々しく、将兵の士気ますます奮い、ただただ必死奉公、米英撃滅を堅く誓い奉ったのであります」と述べる。

 後半はうって変わって「撃て 驕米」とのタイトルのもと、陸海軍の特攻部隊の映像となる。
 海軍では福留比島方面海軍航空部隊指揮官(福留繁中将)の命名、大西比島方面海軍航空部隊指揮官(大西瀧治郎中将)の訓辞のもと、「金剛隊」特攻隊員の姿が見える。全部で数十名いることから各分隊の出撃ではなく金剛隊全体の命名式であるように思える。興味深いのは、福留中将らが搭乗員と握手を交わしていくのだが、搭乗員らの表情が一様に暗い事。これから死地に赴くわけであるから当然なのだが、一歩前へ出る仕草、握手の姿勢、中将の顔を見る表情など、憮然とし、中には反抗的な目をしているような隊員も見える。緊張しているとも取れるが、必死への割り切れなさや上官への不満とも見て取れるのがなんとも悲しい。搭乗機は零戦。何型かな?見る人が見れば分かると思う。
 陸軍は富永比島方面陸軍航空部隊指揮官の見送りの中、複座戦闘機屠龍、一式戦闘機隼、九九式襲撃機による発進シーンが写される。屠龍については無記号の機体が複数機飛び立っていく。隼は重たげな爆弾を腹に抱えた第33戦隊マーキングの機体である。九九式襲撃機は見た事のないマーキングに27の数字が映っている。どのこ部隊だろうか。製作時期から考えて隼は「靖国隊」「一宇隊」「八紘隊」、九九式襲撃機は「石腸隊」「」鉄心隊」あたりではなかろうかと推測される。


海軍(金剛隊)指揮官             零戦搭乗



特攻機99式襲撃機(?)

興奮度★★★
沈痛度★★★
爽快度★
感涙度★



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最終更新日  2006年11月09日 09時32分38秒
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