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2006年11月12日
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カテゴリ: 戦争映画
ジャック・パランス氏追悼レビュー
1969 イタリア  監督:ウンベルト・レンツィ
出演者:ジャック・パランス、クルト・ユルゲンス、トム・ハンター、ウォルフガング・プライスほか
74分 カラー


 個性派俳優ジャック・パランス氏が逝去された。戦争映画では本作の他「 攻撃(1956) 」の狂気に近い指揮官役、「 地獄の戦場(1950) 」のベテラン軍曹役などが強烈。アメリカ人だがイタリアっぽい顔立ちでマカロニコンバットにも多く出演しているようだ。実戦参加経験のある役者がまたひとり亡くなった。

 本来は94分ということだが、テレビ用に74分に短縮された日本語字幕版をGyaoで見た。英米連合軍のノルマンディ上陸作戦に先んじて、英軍コマンド部隊が先行して上陸しドイツ軍の列車砲を爆破する任務を描いたものだが、英米連合軍対独軍の戦いなのにイタリア製作。バリバリのマカロニコンバットで、主演のジャック・パランスはコメディチックでもあり渋くもある。最近は重めのヒューマンドラマ系を多く見ていたためもあり、軽快でハチャメチャのアクションは爽快だった。そのため、ちょっと評価も高めかも(汗)。
 マカロニコンバット系は結構明るく軽快な展開でありながらも、最後はドーンと暗く落ち込むことになるのが多いのだが、本作も内容自体は結構シリアス。特に、ラストシーンは戦争とは何かを考えさせるオチがある。それまでの軽く脳天気な展開と登場人物の性格付けは何だったのか、というアンバランスこそがマカロニコンバットの真骨頂でもあるのだ。
 画像はかなり粗めで時代を感じさせるものだったが、音楽は明るく楽しいテンポ。画面からの迫力や美しさを追求するものでなく、ノリとテンポを楽しむものなのだろう。従って、銃撃戦や格闘戦は二流アクション映画並み。腰だめ射撃こそはなかったが、ドンドンバリバリとドイツ兵をなぎ倒していく。その割に味方兵もやられてはいるのだが・・。
 意外にも秀逸だったのは潜水艦内部とドイツ軍列車砲。戦車などの戦闘車両はM3?装甲車?とパットン戦車らしきものがほんの一瞬だけで、金かけてないのがわかるが、潜水艦は実物実写で、特に艦内の映像がリアル(本物だからね)。この潜水艦はイタリア海軍「レオナルド・ダ・ヴィンチ(S-510)」で米軍のガトー級潜水艦「デイス」が1954年に供与されたものらしい。皮肉にも、デイスは太平洋艦隊に属し、多くの日本軍輸送船を撃沈したほか1944年に重巡摩耶を撃沈した潜水艦でもある。また、ドイツ軍列車砲は実物大のものが実際に線路上を動いている。長大な砲がかなりリアルに出来ている。この辺りは妙に凝っているなあという印象。このほか、ドイツ軍水雷艇の機関砲の発射シーンが音といい動きといいリアルでいい。
 マクファーソン大佐役ジャック・パランスはボクシングの竹原似の独特な風合い。今ひとつ凄みはないが、陰のありそうな渋みがよく出ている。米軍大尉役のトム・ハンターは特に印象的ではないが、チャラチャラしつつやる時はやるというのが米国人のイメージなのだということが良くわかる設定。その他のごろつき隊員たちは折角の性格設定がある割に、活かされていなかったのは残念。もしかもすると、カットされた場所にそう言うシーンがあったのかもしれない。ドイツ軍アッカーマン大佐役のウォルフガング・プライスは「ロンメル軍団を叩け(1970)」ではロンメル将軍役。堅物のイメージが強く、本作では無能な上官に反抗する律儀な男に描かれている。マクファーソン大佐とは仇敵という設定で、最後の両者の対決までが一つのテーマになっている。ただ、このテーマ性が逆に本作の戦争映画のバランスを崩している要因でもあるのだが。
 この他、興味深かったのは地元フランス女性を用いて英独軍がニセ情報戦をしかけるところ。実際の戦闘でもこうした情報戦は数多くあったそうだが、情報の信憑性をいかに素早く判断するかという技能が戦時にはいかに重要かがわかる。
 マクファーソン大佐の副官にはハビンダ軍曹がいるが、彼はターバンを巻いたインド兵。インド兵は英軍とともに、アフリカ、イタリア戦線で戦っており、マクファーソン大佐の前任部隊はアフリカ戦線で壊滅したことになっているので、その時からの部下という設定なのだろう。
 ストーリーや映像を考えると、どうってことのない作品だが、気負うことなく見る事が出来、見終わった後の爽快感。これぞ戦争映画って印象を得た作品であった。


M3?装甲車? 



列車砲

興奮度★★★
沈痛度★★
爽快度★★★★
感涙度★



(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
英軍マクファーソン大佐は荒々しく将軍の部屋に入っていく。将軍が、ドイツ軍が待ち伏せしていることを知っていながら大佐の部隊を送り込み、28名の部下全員が戦死したことに抗議するためだ。しかし、その場で逆に新しい命令を受ける。大佐の仇敵であるドイツ軍アッカーマン大佐が率いるノルマンディー守備隊への特殊任務である。マクファーソン大佐は「うまく考えたな」と将軍を睨み付けながらも仇敵への任務を引き受ける。
 任務は英米連合軍のノルマンディー上陸作戦に先立って上陸し、後続の英軍コマンドー部隊が内陸部の列車砲爆破任務を遂行できるよう、先に沿岸ドイツ軍監視所を占拠することである。大佐は爆破の専門家米軍ケビン・バーク大尉を与えられ、その他には上官反抗等の罪で降格されている荒くれども5名を選び出す。これに元々の部下であるインド兵ハビンダ軍曹を加えた8名が特殊任務に出発する。
 潜水艦に乗船した大佐らは夜闇に乗じて沿岸監視所に潜入。アルバート・ハンクが戦死するものの何とか占拠に成功する。一方、海中で機雷除去にあたるバーク大尉も作業を終えて上陸してくる。大佐らの任務はこれで終わり、上陸用舟艇で待機するコマンドー部隊の上陸を待つばかりだが、その時、ドイツ軍水雷艇R-10号に上陸用舟艇が見つかってしまう。コマンドー部隊は全滅し、大佐らも内陸へ避難するしかなくなってしまう。
 フランスの民家に潜入したマクファーソン大佐は、全滅したコマンドー部隊の任務であるアンゴーにある列車砲爆破を遂行すると命じる。部下らは反対するが、結局従わざるを得ない。大佐らは、まず爆薬を入手するべく親ドイツ派のピエールとその情婦を人質にして移動を始める。しかし、大佐は逃げようとしたピエールを射殺し、バーク大尉は「これではナチスと変わらない」と責め立てるが、部下の一人は「でも本当の軍人だ」と冷めて言う。
 ドイツ軍の弾薬集積所を襲撃し、大佐らは埋められていた地雷から爆薬を入手する。しかし、その際にフェルナード・ノールズが戦死。さらに、二名が造反して離脱しようとする。そこにドイツ軍が急襲し激しい銃撃戦となるが、造反した二人の救援で何とか場を救われる。うち一人が戦死し、残りは5名となる。マクファーソン大佐は人質の女を解放するが、その際に上陸はカレー、任務は潜水艦基地の攻撃と嘘を教える。
 ドイツ軍のアッカーマン大佐は英軍コマンドー上陸の証拠をつかみ、将軍にノルマンデイーエリアの強化を進言するが、上陸はカレーだと信用して貰えない。そこに、人質だった女が捕まりSS大尉の尋問にかけられる。案の定、嘘の情報を掴まされ、ますますアッカーマン大佐は信用されない。
 6月6日、ついに連合軍のノルマンディー上陸作戦が始まる。アッカーマンは急遽列車砲部隊の指揮を任される。アッカーマンはマクファーソンの特殊部隊が列車砲爆破を狙っていると察知し、逆に人質の女に偽情報を教えて解放する。
 しかし、マクファーソン大佐は騙されなかった。アンゴーの列車砲基地に潜入するとドイツ兵に化けて爆薬を仕掛ける。そこにアッカーマン大佐が到着し、爆破を阻止しようとする。ギリギリのところで列車砲の爆破に成功するも、ハビンダ軍曹が戦死。列車から飛び降りたマクファーソン大佐はアッカーマン大佐と対面を果たす。一騎打ちでアッカーマン大佐は撃たれ「望みを果たしたな。私の負けだ。勝利の日まで生きていたかった」と言い残して死ぬ。マクファーソン大佐は仇敵を撃ったが、「何のための戦争だ」と言い銃を捨てる。しかし、それを見守る部下達のまなざしに再び銃を拾うのだった。


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最終更新日  2006年11月12日 09時58分45秒
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