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2006年12月14日
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カテゴリ: 戦争映画
2004 タイ  監督:タニット・チッタヌクン
出演者:チャッチャイ・ブレンバーニット、アムポーン・ラムプーン、トゥイ・タンジョーほか
94分 カラー


 タイが国を挙げて映画製作に力を入れていることが良くわかるアクション大作。火薬使用量や投入した撮影(破壊)資材を見れば、香港やアメリカのアクション映画に匹敵するくらいだが、逆に香港、アメリカアクション映画の真似とも言え、タイ映画としての独自性はほとんど見られない。確かに、アクション性は高いのだが、脚本、編集ともにかなり稚拙な感は否めない。
 本作は1997年にタイで実際に起こった通貨危機、バーツ切り下げを題材に、IMF(国際通貨基金)から借りた借金返済の方法を巡って、タクシン首相の政府側と軍の一部を含む反対勢力とのテロ攻防戦を描いたものである。もちろん、こうしたテロ戦争が起きたことはなくフィクションである。しかし、その背景にはタクシン首相派と反対派の確執があったことは確かであり、奇しくも2006年9月に起きた軍事クーデターでソンティ陸軍司令官がタクシン首相を辞職に追いやったことは、ある意味この映画が予言していたとも言えるかも知れない。1992年の軍事政権下の流血事件もまだ記憶に新しいが、タイの民主化はまだまだ遠いということと、国軍がいかに権力と腐敗を併せ持っているかを念頭に本作を見る必要があろう。
 とはいえ、本作のストーリーは甚だ理解困難だった。タイ国民ならば理解できたのかも知れないが、冒頭の戦闘シーンからして国軍なのか合成麻薬組織か警察かさっぱりわからない。皆同じような服装というというのもあるが、登場人物の説明とその所属がほとんど解説されないのだ。さらに、話が進んで旧国軍兵士ナウィンがテロのリーダーに仕立て上げられる過程も、首相派と反首相派の対立も、国軍と警察の対立も、あんた誰?てな感じで極めて説明不足。結局、ラストシーンまで不可解なモヤモヤのまま行ってしまい、挙げ句の果てに(多分)どんでん返し的シーンが全くの意味不明。ジャングルの司令部で国軍の大尉に銃を突きつけていたのは誰?、強盗の逃走用車輌に落下してきた死体は何?など、とにかく晴れない疑問点は多い。これほど、ストーリーが理解できず、かつ製作者の意図が理解できない映画も珍しい。
 単に首相派と反対派という2元的な構図ならわかりやすいのだが、首相派(テロ阻止部隊)にも分裂が見られるし、反対派(テロ実行側)にも内部抗争があったりするので、なおさら登場人物の立場や考え方の説明が必要だったろう。十分に脚本が練られていないのと映像の演出技術が稚拙なために、せっかくのアクションが台無し。
 アクションにしても、確かに激しい銃撃戦シーンや生々しい死亡シーンも多いのだが、決して良質のものではない。多くは単に銃を乱射しているにすぎず、リアリティ重視というよりはヒーローアクション的な類だ。登場する兵器類は銃器類のほかにはヘリ(ヒューイ)が1台のみ。ただ、ラストの銃撃戦はバンコク中心市街地のパトゥムワン交差点で撮影されており、右往左往するエキストラの姿も多くなかなかのスケールである。
 2,3回視聴すれば理解できることも多いかも知れないが、それにしてもそこまでして見るほどの映画ではないかな。どうも、独自のタイ色を出せずに、外国映画の影響を変な意味で引きずっている。もう少し頑張って欲しいなタイ映画。
 おまけだが、パコン警部(少佐)役のチャッチャイ・ブレンパーニットはなんだか藤竜也にしか見えなかった(笑)。

興奮度★
沈痛度★★
爽快度★
感涙度★




 タイ国軍特殊部隊兵士のナウィンはタイ北部国境の合成麻薬業者の摘発のために、アジトを急襲する。しかし、敵側に逆襲を受け劣勢となり司令部の大尉の元に援軍を要請する。しかし、大尉は(合法麻薬に手を貸す軍?に)銃をつきつけられ、援軍を出すことが出来ない。結局北部師団に見捨てられた形となったナウィンらは多くの仲間を失い失業兵士となる。
 1997年になり、タイ国経済は悪化し通貨危機に陥る。チャクリット首相が退陣し、チュアン首相が就任し、IMFから5,800億バーツの融資を受けて経済を立て直すもタイは負債の返還に苦しむことになる。チュアン首相の失政でタクシンが新首相になり、タクシン首相は経済復興を公約し、2年でIMFの負債を返済することを宣言する。しかし、返済に当たっては国営企業の売却など強引な手法であり、経済界や一部の軍部から反発を受けることとなる。
 国防相らの反対勢力の首謀者達はIMF返済記念式典を阻止しようとテロを計画する。そのリーダーに旧特殊部隊のナウィンを選び、銀行強盗に誘う。ナウィンは先の戦闘で戦死した親友ワットの父親(将軍)からの誘いで断れずに強盗に参加するが、強盗は失敗し仲間は射殺され、ナウィンだけが逮捕される。しかし、護送中に反対勢力によってナウィンは連れ去られる。連れてこられた場所には戦友で爆薬専門のオンがいた。
 一方、国内では爆弾テロが2件発生する。軍の爆弾が2発紛失したこともあり、首相は軍ではなく警察に捜査を命じる。その過程で、警察のパコン少佐はナウィンを中心とするグループがIMF返済式典を阻止しようとテロを計画していることがわかる。捜索の結果、数度の銃撃戦を重ねるもナウィンの尻尾をつかむことができない。
 テロ爆弾の目標と思われる国際開発銀行の屋上で、パコン少佐はナウィンと対面する。ナウィンはアメリカ貿易センター、クレジット・ユニオンビル、ファイナンシャルタワー、国際開発銀行の4カ所に爆弾を仕掛けたことを告げ、屋上からパラシュートで脱出していく。警察は必死の捜索で爆弾を発見し爆弾処理班のチャク・ポンが解除するも爆弾は偽物だった。新たな爆弾を探し出すが、今度は送電網と繋がっていることが判明。解除のためには一帯の送電を停止しなければならない。パコン少佐はテロ犯の目的が付近のタイ中央銀行の地下金庫にある金貨にあると気づく。IMFに返済するための金貨を奪ってしまえば返済を阻止できるのであり、停電により中央銀行の警備網が機能しなくなるのだ。パコン少佐は送電停止をためらうが、そこに反首相派の軍が介入して指揮権を奪ってしまう。送電が停止され、金庫の金貨が盗まれる。さらに、中央銀行の総裁までもが誘拐される。
 ところが、反首相派で内部対立が起きる。IMF返済阻止だけでなく会場の爆破をもくろむ一派に将軍とナウィンは裏切られ、将軍は殺されナウィンも抹殺されそうになるが逆襲して逃亡する。裏切りを許さないとナウィンらは爆破を阻止するため、起爆装置の行方を捜し、追ってきたパコンらの警察部隊と中心街のパトゥムワン交差点で激しい銃撃戦を繰り広げる。ナウィンの仲間は次々と死んでいき、最後に群衆の中に起爆装置を持った男をみつけ銃撃する。その男はチャク・ポンだった。そしてナウィンもまたパコンに射殺される。


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最終更新日  2006年12月14日 07時45分19秒
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