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2007年07月03日
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カテゴリ: 戦争映画
1973 アメリカ  監督:ハル・アシュビー
出演者:ジャック・ニコルソン、ランディ・クエイド、オーティス・ヤングほか
104分 カラー THE LAST DETAIL


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 二名のアメリカ海軍憲兵下士官が、募金箱からたった40ドルを盗もうとしたという、陳腐な罪で懲役8年の刑を受けた水兵を護送することから始まるコメディドラマ。登場人物もこの3名がメインで、スケールの大きい作品ではないが、軍隊のとある些末な事象を、兵のやりきれない気持ち、生まれくる連帯感、同情心などを交えながら事細かに描写するのは斬新だ。ただ、コメディとはいえ、物語は淡々と冷静に描かれており、舞台が厳冬のアメリカであるのも加味されて、もの悲しい寂しい雰囲気を感じる。かなりシュールな部類に入ると言えよう。

 主役のバダスキー一等兵曹役はジャック・ニコルソン。ちょい悪な雰囲気をよく醸し出して好演。哀れな兵卒メドウズ役にはランディ・クエイドで、ちょっと抜けた憎めない役柄を淡々とこなす。バダスキーの相棒マルホール一等兵曹役のオーティス・ヤングはちょっと真面目な役柄で、狡賢いバダスキーの歯止め役として好対照だ。
 3人はそれぞれ初対面で、偶然にトリオを組むこととなるのだが、バダスキーのお節介心から徐々に連帯感が生まれてくる過程が面白い。3人は途中に立ち寄る町々で、様々な事件を引き起こすのだが、それも二人の下士官が童貞で世間を知らないメドウズに、兄貴分としての愛情を感じ始めることに端を発する。しかし、単に愛情だけでなく、その背景には下士官にとっても、軍の閉塞感や将来への不安が見え隠れする。自分自身の発散でもあり、何事もなかったかのように終わるラストシーンはその象徴でもある。軍というものを遠回しに風刺しているのだろう。また、幼く世間知らずのメドウズが徐々に大人になっていく(すれていく)のも見物だ。

 映画は移送中の車両や途中に立ち寄る町中、宿泊場所という限られた空間が描かれているだけだが、撮影はノーフォークからポーツマスまで実際の町を舞台になされているようだ。従って、セットでの撮影とは違う、ドキュメンタリー的なリアルな雰囲気が漂っているのも特徴。
 3人のほかに登場する人物で可笑しいのは、日蓮正宗を名乗るカルト?集団。畳敷きで仏壇を前に「南無妙法蓮華教」と唱える集団はなんとアメリカ人青年男女たち。年代から見てヒッピーか反戦主義者のようにも見えるが、南無妙法蓮華教を唱えると願い事が叶うというちょっと間違った宗教観が笑える。メドウズが感化されて電車内でも唱え続けるのは滑稽。

 全体に特に盛り上がりがあるわけでもなく、コメディとして抱腹絶倒というわけでもなく、淡々とした描写はやや物足りない気もする。しかし、軍の日常に限らず、我々一般人の日常というものはこんなものだろうという親近感を得る作品である。派手なアメリカ映画にしては珍しいような気もする。ちなみに、原脚本はかなり汚い言葉の羅列だったそうだが、映画化にあたって大人しい表現に直されたそうだ。邦題のかもめは水兵とかけているのだろうが、なかなかセンスいいなと感じた。

興奮度★★
沈痛度★★
爽快度★★★
感涙度★



海軍一等兵曹のバダスキーとマルホールは、募金箱からたった40ドルを盗もうとして捕まり、懲役8年の刑を受けたメドウズをノーフォークからポーツマス基地まで護送する任務を命じられる。募金箱は隊長の奥さんが設置したもので、不当に重度な罰が与えられてしまったのだ。当初は嫌がった二人だったが、実質2日の距離を1週間の期間を与えられ、喜び勇んで出かけていく。
 メドウズは19歳で、手癖は悪いが、童貞で世間知らずの青年だった。護送の列車中で、バダスキーは徐々にメドウズに同情を感じ始める。マルホールは深く関わるなと言うが、バダスキーはフードショップで注文すらまともに出来ないメドウズに、せめて護送中でも良い思いをさせてやろうと思い始める。
 バダスキーは次の列車の時間までビールを飲み始め、未成年のメドウズにも飲ませる。酒を飲んだ3人は盛り上がるが、列車は発車してしまい、一泊することにする。通信兵のバダスキーはメドウズに手旗を教える。
 翌日、メドウズの母親に会わせてやろうと実家を訪ねるが不在。家に入ったが乱雑に散らかった内部を見て、3人は会わずに帰ることに。駅のトイレでバダスキーは海兵隊に喧嘩をふかっけ、メドウズも一緒に殴って逃げる。次第にメドウズも笑いを漏らすようになってくる。また、バーのダーツでバダスキーは旅費をかけて勝ち、儲けた金は山分けにする。その帰り道、怪しい声に引かれていくと、そこは日蓮正宗の道場だった。若いアメリカ人男女が正座して仏壇にお経を唱えていた。南無妙法蓮華教のお経を唱えると願い事が叶うと聞いたメドウズは、レストランで覚えたお経を唱えていると若い女性が寄ってくる。お経の効果かと色めき立つバダスキーらは女性の家に上がり込む。家には女性3人と男性一人がおり、兵とは全く住む世界の違う人種だった。メドウズは女性に何故逃げないのかと諭され、バダスキーは話しを完全に無視され、マルホールは政治論議をふっかけられる。
 護送期限まであと1日となり、メドウズに筆おろしさせてやることになる。バダスキーは元海兵のタクシー運転手に頼んで女郎屋に行き、メドウズを男にしてやる。かわいらしい女性に相手をして貰ったメドウズは男らしくなる。
 一度になにもかもやりすぎた3人は、最後に公園でバーベキューを始める。厳寒の寒い中、ソーセージを焼いている中、メドウズがいきなり逃げ始める。追いかけて殴る二人。
 顔に傷を負ったメドウズは、ついにポーツマスの海兵隊基地に入る。海兵隊の少尉は逃亡しようとして殴ったのかと問いただすが、二人は口を閉ざす。罵る少尉に反対に書類の不備を指摘したバダスキーは、ざまあみろと捨て台詞を残して基地を去っていく。


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最終更新日  2007年07月03日 08時50分12秒
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