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数百年の歳月に耐える社寺と城
旅行ライター 小林 克己
古都京都の文化財
京都は、三方を山・丘陵に囲まれた盆地という防御に適した地形を生かし、 794 年から 1868 年まで 1100 年近くも日本の政治、経済、文化の中心として栄えました。
洛中の中心部は度重なる兵火や地震などで多くの建物が焼失しました。平安・室町時代の古い建物は平安京唯一の遺構である東寺をのぞき、あまり残っていません。
でも、洛西、洛北などの周辺の山麓部は幸い災害を免れ、起伏に富む自然の地形を巧みに取り入れた大寺院や神社、山荘、庭園などが数百年の歳月に耐えて創建時のまま数多く残っています。うち、中心部も含めた西本願寺、東寺、二条城、清水寺、銀閣寺、下鴨神社、上賀茂神社、金閣寺、龍安寺、仁和寺、天龍寺、高山寺、西芳寺(苔寺)、醍醐寺、平等院、宇治上神社、延暦寺の 17 の社寺、城が構成遺産として世界文化遺産に登録されています。
大河ドラマ『光る君へ』の藤原道長の息子、頼通が建立した宇治の平等院鳳凰堂の対岸にある宇治上神社は、世界遺産の 17 の構成資産になるまで京都通もあまり知らない穴場でした。
平安時代建立の日本最古の神社建築の本殿は、一間社流造の3棟連なる小さな社を檜皮ぶきの覆屋で囲っており、厳かな雰囲気があります。
世界遺産の大半が寺社という中で、唯一の城が二条城です。二重の堀に囲まれた徳川の居城で、大政奉還の舞台としても有名です。
桜の名所の双璧といえるのは、秀吉の醍醐の花見で名高い醍醐寺と御所の紫宸殿を映した金堂がある仁和寺です。京都では最も遅咲きとされる、仁和寺境内の御室桜は現在、見頃を迎え、今月下旬まで楽しめます。
17か所の世界遺産巡りは地下鉄・バス1日乗車券か、観光エリアを周遊する「京都観光ループバス」の利用が便利です。桜と紅葉で彩られる 4 月と 11 月が最適のシーズンです。
【日本の世界遺産】公明新聞 2025.4.17
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