ラッコの映画生活

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2009.04.19
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LES PARAPLUIES DE CHERBOURG


(つづき)-2-

話は少しずれるけれど実は1964年のこの作品は、1961年ドゥミ監督の第一作『ローラ』、1968年の『モデル・ショップ』と合わせた三部作だった。『ローラ』はドゥミ監督の出身地ナントが舞台で、ローラ(アヌーク・エメ)はこの港町で歌い手でもあり船員相手の女でもある。そんなローラの幼なじみが『シェルブール』でドヌーヴと結婚する宝石商カサールで、ローラを愛するけれど失恋する。『シェルブール』の中でカサールの語る過去の恋の傷とはこのローラとの物語なのだ。この『ローラ』の中でも同じマルク・ミシェルが同じロラン・カサールという役を演じている。ちなみにアヌーク・エメ演じるローラは第三作『モデル・ショップ』ではヌードモデルのようなことをしている。また時間の整合性は欠くが、『ロッシュフォールの恋人たち』の中の女性バラバラ殺人事件の被害者はこのローラと思われる。

あまりにも有名で『シェルブールの雨傘』は独立した一話だけの物語と思われ勝ちだし、そうするとギイ不在の間に金の力を利用してジュヌヴィエーヴと結婚してしまうカサールを、この物語の中で若い二人の純愛を裂く役割を担っているだけの役のように感じる人もいるかも知れないが、実はカサールという人物は、少なくとも監督の意識の中では、血も肉もある生きた人物なのだ。

そしてこの映画の撮影は1963年夏で、物語は1957年11月から1963年クリスマスまでを描いている。ギイが不在となるのは兵役ゆえであり、アルジェリアに送られる。我々日本人にとって、さらに21世紀の大方の我々日本人にとっては、兵役だアルジェリア戦争だと言っても、それはジュヌヴィエーヴとギイの悲恋の原因となる単なる戦争という意味しか持たないだろう。しかし63年にこれを撮った監督にとっては、そして64年にこの映画を観たフランス人にとっても、それはかなりリアリティーを持ち、またまだ後を引いていた大事態だったはずだ。21世紀の今でも、1974年生まれで直接には全くこの戦争を知らない俳優ブノワ・マジメルに映画『いのちの戦場 -アルジェリア1959-』を作らせてしまう戦争なのだから。

(つづく)







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Last updated  2009.04.19 18:00:13
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