2005/07/16
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カテゴリ: 読了本
「さまよう刃」東野圭吾(著) <出版社 / 著者からの内容紹介>

「遺族による復讐殺人」としてマスコミも大きく取り上げる。
遺族に裁く権利はあるのか?
社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は!?

<著者からのコメント>
他人事ではない
明日にでも、この物語の『誰か』に
なるかもしれない
その時あなたの『刃』は
どこに向けられるだろう?

          東野圭吾

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

<本文より>
”犯人は未成年、しかも意図的に殺したわけではなく、たとえばアルコールや薬の影響で正常な判断力が損なわれていた。”
などと弁護士が主張すれば、刑罰とはとてもいえないような判決が下されるおそれがある。
未成年の更生を優先すべきだ、というような、被害者側の人間の気持ちを全く無視した意見が交わされる。
事件の前ならば、私もそうした理想主義者たちの意見に同意したかもしれません。
でも、今の考えは違います。
こんな目に遭って、私はようやく知りました。
一度生じた「悪」は永遠に消えないのです。
たとえ加害者が更生したとしても(今の私は、そんなことはあり得ないと断言できますが、万一あったとしても)
彼等によって生み出された「悪」は、被害者の中に残り、永遠に心を蝕み続けるのです。

あの手のガキの神経を理解しようと思っても無駄。
奴らには、自分の行為によって周りにどんな影響を与えるかとか、人がどう思うかなんてことを考える頭が無いんだ。
大事な事は、今時分が何をしたいか、だけなんだ。
捕まってから、みんなから責められるのが嫌なんだ。
捕まって泣いているのは反省ではなく、捕まった自分への悲しみ。

********************

少年法。。。。。。
とても重いテーマです。
この本の中でも、 ”法” としては、あだ討ちなんて許されない。
”法”の裁きを受けるべきだと理屈は皆、解かってる。
でも、幼い娘を突然連れ去られ、陵辱されたあげく殺された親の無念は!

法的には、こういう終わり方をしなければいけないのでしょうが、
こんな事件を許さない為にも、理屈や法でなく、
この犯人達を苦しめながら殺して欲しかった。
小説なのだから、奇麗事で終わらずに心や情・・・・を主にして欲しかった。

今の子供達は・・・・・
っていうのも有りますが、
では今の親は、本当に命を懸けて守ってくれるか?
また、命を懸けて復讐するという”愛”があるか?






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最終更新日  2005/07/17 10:39:50 PM
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Re:『さまよう刃』・東野圭吾さん(07/16)  
123mao  さん
非常に重いテーマですね。
被害者、加害者“当事者にならないとわからない”というのが正直なところ(逃げのようですが)。でも、被害者よりも加害者が優先されてしまうのだとすれば、やはりおかしいですよね。
(2005/07/17 11:03:49 PM)

Re[1]:『さまよう刃』・東野圭吾さん(07/16)  
☆かよ  さん
123maoさんへ
現実社会でもこの本の中でも、皆 答えが出せずに・・
何が正しい答えなのか解からずに・・居ます。

どんな時も皆、今が一番大切で”今何がしたいか”しか考えてないと思うけど。
それによって人を暴力的に傷つけ人格を壊し、死に至らしめても、=感じない=
こういう人って、私も更生するとは思えません。
(2005/07/17 11:12:35 PM)

Re:『さまよう刃』・東野圭吾さん(07/16)  
哲0701  さん
この本で描かれている内容は是非、読んでおきたい
のですが、テーマの重さでちょっとたじろいでいます。 (2005/07/17 11:40:59 PM)

Re[1]:『さまよう刃』・東野圭吾さん(07/16)  
☆かよ  さん
哲0701さんへ
こういったテーマは、哲学的で(哲さんに哲学?駄洒落じゃないんだけどぉ~^^)難しいです。
でも、東野圭吾さんの本なので読みやすく、久々に読書した私ですが、すぐに読めました。
(2005/07/17 11:49:32 PM)

はじめまして  
Pump!  さん
オレもこの本は読みました。
東野圭吾のファンということもあったんですが、この本のテーマはなかなか重かったですね。被害者側の気持ちに立つと本当にやるせない気持ちになります・・
似たようなテーマの小説で貫井徳郎の「殺人症候群」がありますが、そちらもいろいろと考えさせられました。

加害者のプライバシーを守るといった考えもあるようですが、オレはこの二冊を読んでから一体何が正しいのか分からなくなってしまいました。 (2005/07/18 02:21:12 AM)

Re:『さまよう刃』・東野圭吾さん(07/16)  
はなびら  さん
少年法もそうですが法というものがどちらの味方なのか分からないことがありますね。5分の魂を持たない犯罪者ばかりになってきたから。。 (2005/07/18 05:12:41 PM)

Re:『さまよう刃』・東野圭吾さん(07/16)  
ばあチャル  さん
東野圭吾さんの本も未読ですが(たくさん未読の作家さんがあるので言ってもしょうがないですが、汗)この内容には興味ありますね。間違った人権主義がまかり通った時代は過ぎたはず(マスメディアでは)なのですが、まだ一般的には根強いものがあるのでしょうね。戦争を放棄した時に何か間違えたような...、難しいです。

とても☆かよさんの感想が参考になりました、読みます♪ (2005/07/19 11:01:58 AM)

Re:はじめまして(07/16)  
☆かよ  さん
Pump!さんへ
>この本のテーマはなかなか重かったですね。被害者側の気持ちに立つと本当にやるせない気持ちになります・・
>加害者のプライバシーを守るといった考えもあるようですが、オレはこの二冊を読んでから一体何が正しいのか分からなくなってしまいました。
-----
まったく同感です=
何が正しいのか解からなくなるし、やるせなさが募りますよね。。。。
貫井徳郎さんの「殺人症候群」も、今度読んでみたいと思います。
(2005/07/19 01:50:04 PM)

Re[1]:『さまよう刃』・東野圭吾さん(07/16)  
☆かよ  さん
はなびらさんへ
少年法を旨く利用する子供達が増えた事、問題ですよね。
一般常識は無いのに、そういった所だけは熟知してたりして、人を殺める重大さが解かってない。
”自分がそういう目に遭ったら・・”
という想像力が無い。
一般の人でもそうですよね。
立場が違うから解からない、想像できないと・・・。
子供が居ない私でも想像できますけどね~。
(2005/07/19 01:55:49 PM)

Re[1]:『さまよう刃』・東野圭吾さん(07/16)  
☆かよ  さん
ばあチャルさんへ
>間違った人権主義がまかり通った時代は過ぎたはず(マスメディアでは)なのですが、まだ一般的には根強いものがあるのでしょうね。戦争を放棄した時に何か間違えたような...、難しいです。
-----
私には何が間違ったか、どうすれば正しいのか解かりませんが・・・
”なんだか、おかしい=”とは、殆どの方が思っているのでは?
どうすべきかは永遠のテーマかもしれないし、一人一人が考え行動することですよね。
他人を”物”のようにしか考えられない人たち・・・
これは何なんだろう~???
(2005/07/19 02:01:58 PM)

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