『たいせつなこと』



いよいよ 2003年最後の日を迎えました。

思えば、たくさんの“出逢い”があり、たくさんの“やさしさ”に支えられた一年でした。

そして、思いがけない たくさんの“感動”をもらった一年でした。



たいせつなこと





 ◆『たいせつなこと』 マーガレット・ワイズ・ブラウン 作/レナード・ワイスガード絵  うちだややこ 訳/フレーベル館

世界中で長く愛され続けている『おやすみなさいのほん』のマーガレット・ワイズ・ブラウンとカルデコット賞受賞画家のレナード・ワイスガードのコンビが贈る一冊です。

毎日の生活の中で、当たり前に映るものたちを 新鮮な驚きをもって自由にとらえたこの本は、1949年に「The Important Book」として最初に出版されて以来、たくさんの人々に読み継がれてきています。

うちだややこさんが 海外の本屋さんで 半世紀も前に創られた、つつましく輝く、この絵本に出逢いました。

それから幾度か季節はめぐり、出逢った頃のしずかな喜びを“ひらがな”という美しい音色にのせて、2001年の9月に、彼女の手で翻訳されました。

当たり前のことが どんなに大切なのか・・・とてもわかりやすいことばで、素直に心に響いてきます。

私はレナード・ワイスガードの このやさしい絵が とても好きです。

子どもたちだけでなく、おとなの心にも届けたい・・・。


あめは そらから おちてきて しとしと ざぱざぱ おとが して

いろんな ものを つやつやに かがやかせ

どんな あじにも にてなくて

くうきと おんなじ いろを している

でも あめに とって たいせつなのは

みずみずしく うるおす と いうこと


くさは おおきく のびて あまく あおい においで

やさしく つつみこんでくれる

でも くさに とって たいせつなのは

かがやく みどりである ということ


かぜは めに みえないけれど ほおで かんじることが できて

こずえをゆらし ぼうしを ふきとばして

ふねを はこんでゆく

でも かぜに とって たいせつなのは

ふく と いうこと


そらは いつも そこに ある

まぎれもなく あおくて たかくて くうきに みちている

そして ときおり くもが とおりすぎていく

でも そらに とって たいせつなのは

いつも そこに あるということ


そして、マーガレット・ワイズ・ブラウンが一番最後に綴った“たいせつなこと”とは・・・いったい 何だったのでしょう。

どうぞ 来年も、皆さんにとって、幸せな一年でありますように・・・。




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