ヘイフリックの限界part2

ヘイフリックの限界part2

2007.01.26
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今日は、メインは、「湖南の扇」「点鬼簿」外5作品だ。殊に、「点鬼簿」のもつ意味は、決定的だ。芥川は、それまで母が狂人だったことを隠し続けてきて、この作品で出生の秘密を初めて触れたからだ。この孤独な青年は、屈折した幼児期を過ごしている。芥川は、晩年(?)自伝的な作品も書いている。作品中の「僕は時々幻のやうに僕の母とも姉ともつかない四十格好の女人が一人、どこかから僕の一生を見守つてゐるやう感じてゐる。」と書いている。


     かげろふや塚より外に住むばかり


こうしたいという願望をつねに抑え込んで本音が言えない苦しさが「点鬼簿」と僕と芥川の生い立ちと重なるのだ。芥川は、師で漱石が死に、徐々に吐き出し続けた多くの作品に埋もれながら人生に行き詰って行く。


     あんこうや孕み女の吊るしきり


明治27年頃の作だという。誰の作か聴き取れなかった。凄い俳句だ。漱石は、芥川に送った書簡の中で「・・・牛のように、うんうん死ぬまで押すのです」と書いた。「湖南の扇」は、芥川の中国旅行の成果だろう。人物の選び方や、光の当て方は、鴎外から学んだ。説明の省略は、作品に多く観られるが、その分余韻がある。短篇の余韻を表現しようとしただろう。


「湖南の扇」は、自信作だったようだ。「小説の筋らしい筋のない小説」の魅力を訴えている。芥川の深層心理は、読み解くには複雑過ぎる人物なのだろうか。







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最終更新日  2007.01.26 18:34:51
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