太宰も三島も意地に拘った作家だろう。言行一致と三島は言って自殺した。「人間失格」と言い続けた太宰も同じだ。どこか文中にある「言葉から起こった難儀」に苦しまねばならない。太宰は落語が好きで、とめどなく言葉が出てくる天才でもあったそうだ。彼の文章を見ているとそれを彷彿とさせるフレーズがいくつもある。これが龍之介にはできなかったようだ。太宰は落語の造詣が深かったのだろう。相変わらずオリジナルが少ないのであり、一つの作品が、いくつかの連関をなしている。
太宰は、突き詰めると逃げ場のない生き方をしており、女ではないが「女三界に家なし」のような感さえする。それともまじめ過ぎて生きるのが下手だったのだろうか。それは作品のなかで繰り返されてもいる。太宰のユーモアのルールが或いは「落語」にあったかも知れない。
・へ2・・・国民の選択を残していくことが政府の役割でもあるが、ワンウェーばかり行こうとしているのではないだろうか。引返すことができない道が国民を長い間苦しめた歴史がある。硬直した思考が感じられてならない。