


<作品> 「ふるさとびと」「樹下」「雪の上の足跡」
・今回が最後の堀辰雄講座。
・次回、中島敦講座が4月から。
・レジュメを中心に講義。
・「樹下」は堀辰雄が死んだあとに編集した。
「ふるさとびと」
・「この雪道をゆきし人あり。」が頭にあった。・・・そのあと。共通テーマ。
・堀は、折口をどう思っていたか。実証主義を取らないため。学者は評価しなかった。
・異端児視されている。「死者の書」。堀辰雄と折口。
・脇役「およう」がメインになる。
・変遷。およう。「菜穂子」を読んだことを想定して書かれている。連続性がある。
・昭和5年「水族館」葉子。川端の「雪国」のヒロインと同じ名前。複雑にからんでいる。
・着想を得ている。似ている、似ていないは解らないように盗んでいる。
・マグネシュ-ムを焚く。
・「水族館」が注目されてきている。葉子と狂女の組み合わせ。
・「美しい村」まで繋がっている。
・三島の作品と堀の関係。
・「目覚め」
・菜穂子「楡の家」第二部。
・お葉はわき役で出てくる。「おえふさん」。ある運命に生きる女として描かれている。固有名詞が出ている。作家が気になっている存在である。「菜穂子」にでてくる「およう」が、「ふるさとびと」のヒロインになる。それが解からないと理解できない。ロマネスクを悲劇に換える。「物語の女」
・「鹿鳴館」の結末のモチーフに「水族館」がある。
・待っている。「われわれは待った」の有名なフレーズ。「待つ」というだけで意味がある。幼児期に母親とのスキンシップが無いという共通点がある。
・悲劇論。花火を打ち上げる。
・「雪国」のイメージ。
・卒論につかえるテーマにもなる。
・悲劇だけが突出している。根拠があるのが菜穂子。そのまえにあるのが「水族館」。
・気付いていく「目覚め」お葉を発見したといえる。
・お葉は悲劇的である。からだの弱い娘を抱えている。そこらへんにいるひと。
・さびしそうな女。およう。堀は、平凡な女と思っていない。
・チェ-ホフ「学生」のテーマ。
・都築明のテーマ。
・実在とロマネスク「仮象」との対照。
・菜穂子と「雪の上の足跡」。
・詰まらないものとみえるものが実はある奥行きがあるものが内蔵されている。「小さい絵」にも通じている。「小さい絵」の中に重要なものがある。
・「芥川の終ったあと堀辰雄は出発した」。
・ボオドレエルの一行を。
・堀辰雄の文学の到達点が「小さき絵」である。
「ぼくはこの言葉の終るところからぼくの一切の仕事をはじめなければならない」。
・発想。アイデア。年齢は関係ない。
・芥川との違い。一行が多くのものを内蔵している。
・「雪の上の足跡」・「何か陰惨な感じの、遊女らしいちいさな墓」
・「岸本捨吉」と藤村。
・「思い浮かべた」瞬間。
・蘇ってこないものと、蘇ってくるものがある。
・不幸と不幸とは思っていない女としておようが描かれている。
・然し、遊女は哀れと思っている。
・西日が当たる。旧家と西日が当たる場所。外車の停まっている風景。
・あきらめの主題。
・「いっそ此の娘も死んでくれたら・・・。ふいと何か希望のようなものがかすかに湧いてくる」。しぶとい活き方をしている。堀の考えはしぶとい。
・狂ったりしない。
・没落。崩壊の象徴的表現。
・「金閣寺」崩壊とともにしない。主人公は何故死なないのか。
・藤村に近い立場で書いている。