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21世紀の教育をめざして・・・
新・新年度の指導 その8 12月
明日は、人権に関する授業参観日です。
その準備をしています。授業の構想を考えています。
教師の一つひとつの行為には
「タネも仕掛けも『ある』」
わけですから、それを考えるのは楽しいです。
「教育については、誰もが自分自身の経験した『教育』が
あるので、何でも言える」
という話を聞いたことがあります。
まさしくそのとおりです。何でも言えそうです。
そうではなくて、明日は、
「教師の専門性」
を見せる時です。
わざわざこうやって書くほどのことでもないのでが・・・。
いつものように、子ども達への授業ですが、
参観される方たちへの「授業」もします。
楽しみです。
■ディベート大会の後の指導
このことが、今後の大きなテーマとなります。
・どの子も伸びる学級経営に
・前向きな人間を育てるために
・議論の技術や考え方を教えるために
「結果」を喜んだ後からが、
これからの指導のポイントが明確になってくると思っています。
これからますます「加速」していくために。
その後の子ども達を見ていると、
「前向きな生活、考え方」
という面が1番大きな成果のようです。
「1歩前に出る」
ということです。
違いをおそれない、
間違いをおそれない、
反論をおそれない、
という「強さ」を感じます。
ディベート学習の大きな効果です。
■スピードを上げる
いろんな場面で子ども達にスピードを要求しています。
・教室移動
・手を挙げる
・ノートに書く
・席を立つ
・考えをまとめる
・前に立った人の気配を感じる
・・・・・
様々な場面にスピードの「基準」を作ろうと考えています。
「停滞の禁止」(もちろん時と場合によりますが)をめざしています。
「集中力」を鍛えたいですね。
■ディベートの意義 (とおる先生「毎日おはよう」)
12月7日(火ようび)
おはよう、こどもたち。
「自分を発表する力」
世界のかきねがなくなっています。日本もどんどん国際化しています。いまのこどもたちが大人になるころには、それがもっとすすんでいるでしょう。日本人が世界のなかで、いろんな国の人といっしょにはたらいたり、競争したりする時代がきます。そんななかでは、「自分を発表する力」がとても大切です。自分の考えていることをきちんと相手に伝えなければならないからです。これは、いままで日本人が苦手だったことです。もちろんそれだけではありません。相手のいうことを理解する力も同じように必要です。
ディベートはともすると、相手をやっつけることが目的になりがちですが、それはちがいます。ディベートを練習する目的は、自分の意見をしっかりつくれること、それをことばにまとめて発表できること、相手の意見を聞くこと、相手のいいところは認め、自分とちがう部分を話し合い、最後は理解し合うこと。つまり、コミュニケーション能力をやしなうためにするのです。
.......ですよね、省三先生。
12月8日(水ようび)
おはよう、こどもたち。
「相手を攻撃する力?」
ディベートは相手をやっつけることが目的ではない、といいました。なぜそんなことをいったかというと、こんな経験があったからです。ボクがはじめて入った会社はアメリカの会社の日本支社でした。そこに、アメリカの大学を出た日本人が派遣(はけん)されてきました。その人はいつも議論をふっかけては、相手をやっつけるのを楽しんでいるように見えました。こたえをいっしょに考えるというより、話のあげ足をとったり、けちをつけたり、ともかくなんでも反対という感じでしたから、ボクはなんだかなあと思いながら、なかよくなれませんでした。
これは、アメリカの大学でいつもディベートのような授業を受けてきたから、勘違いしているのですね。議論の大切なところがどっかへいって、「議論のための議論」になってしまっている、こういう人がいちばん「こまったちゃん」です。なにしろ、時間のムダですから。
12月9日(木ようび)
おはよう、こどもたち。
新しい日本人をつくろう。
確かな学力だけではいけない。学力ばかり大事にしていると、「勉強しかできない人」になってしまいます。「勉強もできない人」をつくってしまうリスクもあります。それらの教育は、豊かな人間形成、立派な人格形成とは無縁です。「確かな学力」はとーぜんとして、「自分を発表する力」「豊かな感受性」があってはじめて「生きる力」になるんだ、と思っています。
個の社会である欧米の教育を受け、たくみな自己表現能力を持つ人たちといっしょにはたらいたり、競争したりする時代がきます。こどもたちのためにも、日本の未来のためにも、世界をいきいきと生き抜く、すぐれたコミュニケーション能力、異なる文化を理解する豊かな感受性と広い世界観を持つ「新しい日本人」を育成していかなければいけません。もちろん、インターネットの海をおぼれることなく泳ぎ抜くための、「情報選択能力、情報活用能力、情報発信能力」の育成も不可欠です。
家庭で、学校で、地域社会で・・・
新しい日本人を育てるのは、すべての大人に課せられた義務。
北九州の香月小学校菊池学級では、その一歩がはじまっています。
■指名の考え方
授業中に子ども達に発言をさせます。
その時の「指名」の仕方を考えています。
教師の意図を考えています。
意外とこれがおもしろいですね。
自分なりにまとめてみようと考えています。
「指名」から授業を考え直してみようと思っているのです。
今までが、あまりにも自覚のない状態だったものですから。
子ども達の
・学習意欲を高める
・学習内容の理解を促す
という2つの面から「指名」のあり方を考えています。
個と全体のケースを考えています。
新しいことを考え続けることは楽しいことです。
■そもそも論で考える
日々、何気なく行っていること、
考えているようなことについて、
「そもそも」それらは何なのか、を考えていこうと思っています。
そもそも、
・授業とは
・指名とは
・板書とは
・机間指導とは
という授業関係と、
そもそも、
・論文とは
・研究とは、
・研究主任とは、
・学校の研究テーマとは、
といった、
この冬の自分の仕事に関することを考えていきたいのです。
自分で考え、本を読み、
たくさんの人と話をして、
「そもそも」何なのかを考えていきたいですね。
普段考えているようで考えていませんから。
1番いいのは人と話しをすることでしょうね。。。
■同じ学級は2度とできない
「同じ学級は2度とできない」
という言葉を、お師匠さんである桑田先生から聞いたことがあります。
そのとおりだと思います。
2学期も後少しになりました。
子ども達の事実をキチンとデータに残しておかなければいけません。
どんな事実をどのように残していくのか、
いくつかの「仮説」を持って行わなければいけません。
明日から、その作業を行います。
3学期以降をよりよいものにするために。
■子どもを追い込む「できないのか しないのか」
今年もあと少しです。ラストスパートをかけています。
その時々のキーワードの1つに、
「できないのですか? しないのですか?」
があります。
何でもないようですが、この差は大きいですね。
やる気になればできるのに、
できないと思いこんでいる、
思いこもうとしている、
そんな子どもの「甘え」を厳しく指摘しています。
そして、
「できないのではない、しようとしていないのだ」
と、スパッと話しています。
「自分の力を信じなさい」というサインを送りながら・・・。
前向きで積極型の子どもを育てたいものです。
■漢字テストの点数
50問の漢字テストをしました。
1問2点です。
100点が27人でした。
98点が 4人、
94点が 1人、
そして、
78点が 1人でした。
その子は、正確に写したり、覚えたりすることが苦手です。
この1週間、毎日、練習を本人なりに続けました。
何度もみんなの前でその努力をほめました。
『78点』
胸を張っていい得点です。
彼の顔は、落ち着いたいい表情をしていました。
■止めさせたい授業中の子どもの行為
授業中に「こんな行為は止めましょう」と言うことがあります。
「後ろ向き」の行為です。
「他との違い」を恐れている行為です。
「一歩前に出ない」行為です。
低学年でよく見かける、
「同じで~す」「いいで~す」
と、声をそろえて意味なく?言っている状態の行為です。
そのような意識で高学年でも生活・学習している子どもがいます。
具体的にはどのような行為か・・・・・
(ただいま整理中です。。。)
■学校論文
ここ10年ほど、学校論文を書かせていただいています。
例年、1月中旬が〆切になっています。
年末から締め切り日までは、原稿用紙と向き合っています。
土日は、朝から夜中まで学校でウンウンうなっています。。
とてもしんどいことですが、
「論文の頭」になれるので喜んでいます。
・論理的
・抽象と具体
・データ化
・新たな主張
・・・・
頭の中がピリピリしてきます。
・ただ追試をする
・うまくいったことを同じようにくりかえす
・探せばあることをする
・・・・
といったレベルとは違った緊張感がいいですね。
1年に1回は欲しい「時期」です。
昨日は、本年度の論文の骨格について提案し検討しました。
今年も学校論文の季節がやってきました。
先生方の1年間の実践に感謝しながら論文を書いていきます。
■「同じです」「いいです」を止めさせる
『同じで~す』『いいで~す』を教室からなくそう!
授業中にこれらのことばを、口をそろえて言っている学級に知的な学級はありません。
子どもA:「~だと思います」
子ども達:「同じで~す」
子どもB:「~でいいですか」
子ども達:「いいで~す」
という子ども達の「やりとり」です。これをそのままにしていたら、知的に前向きに学習
に取り組む学級にはなりません。
(先生の『いいですか?』『分かりましたか?』に対しても同じです)
クラス全員の考えや意見が、同じになるはずがないからです。
違いを考えないのですから、思考も深まりません。
「なんとなく」「まあまあ」「~という感じ」
といった頭にしかなりません。
これではいけません。一人ひとり違うのですから。例えば、
「~について自分の感想を書きなさい」
と指示してノートに数行書かせてみれば分かることです。
自他の考えを比較し、その相違に気づき、そこをみんなで考え深めていくのが学習です。
「同じで~す」「いいで~す」を許していたら、深く考えない消極的な学級になってしまいます。
時には、
「前の人と同じ事を言ってはいけません」
「少しでも違うことを必ず言いましょう」
「違うことだけを話しましょう」
という教師のことばが必要です。
違いを恐れない強い一人ひとりを育てるためにもこの指導は重要です。
・書いたとおりに読みなさい
・途中を飛ばさないで読みなさい
・○○という言葉を入れて話しなさい
・自分との少しの違いを見つけなさい
・比べて違いを言いなさい
(3つ書いて持ってきなさい)
考えることは違いを見つけることでもあるでしょう。
どこがどのように、なぜ違うのか、考えたい(させたい)ものです。
『同じで~す』『いいで~す』を教室からなくそう!
もちろんことばだけではなく、このように安易に同調してしまう
考え方や学級の雰囲気もなくすべきです。
■子どもの作文
■私は、今から来年の夢を書く。
4月になったら6年生だ。
今よりもずっと勉強やスポーツは難しくなるだろう。
それを、こつこつ努力して克服していける自分になりたい。
そして、いい友達もつくりたい。
ケンカしてもすぐに仲直りできる友達が欲しい。
「もう知らん。」
・・・・
「昨日はごめん。」
・・・・
こういう友達ができていたい。
(まー)
■来年の夢は、苦手な国語が1日で得意になるということだ。
読めない漢字がスラスラ読めて、言葉の意味もバッチリ分かって、
「おれ、すごくない!」
と、となりの人に言いたい。
6年生になったら夢ではなくなるかな??
(ハリーポッティー)
■私は音楽が好き。今日は、リコーダーのテストだ。
「まっかな秋」と「気球よぼくらのゆめをのせて」の2曲だ。
みなさんは、この歌を知っていますか?
とっても演奏しやすい歌なのですよ。
私の番がきた。少しきんちょう!
♪テュールルールールー♪ ♪
終わった。
すると、○○○○さんが、自分のほっぺたの横で、
「パチパチパチー」
とニコニコしながら拍手をしてくれた。
私も笑顔になった。
(えだまめ)
■6時間目に突然、先生が、
「○○さん(私のこと)のいいところはどこですか?」
とみんなに聞いた。
『ビク!』
私は、びっくりした!!
すると、すぐに△△さんが、こう言った。
「なにかあるとすぐに手伝ってくれるところです。
例えば、集会の準備をしていて『使うキャラクターを
書いてもらえる?』とたのむと、すぐにしてくれる」
私はおどろいた。すぐに、そして、詳しく。。。
もちろんうれしかった!(^0^)
△△さんともっと仲良くなりたい。
他のみんなとももっと友達になりたい。
(知恵の輪)
■子どものスピーチ
『大人に言いたいこと』
(○○さんが前に出ると、自然とみんなが拍手)
今から私が大人に言いたいことを話します。
それは、子どもに言っているのに、自分は服を脱ぎ捨てるの
で、子どもに言って自分はしないのをやめてほしいというこ
とです。
ある日、学校から帰って早くおふろに入ろうと服を脱ぎ捨て
たら、お父さんが帰ってきて、
「服の脱ぎ捨て禁止。」
と言われたので、洗濯機に入れました。
次の日、お父さんが帰ってきて、
「一緒に風呂はいるぞー。」
と言ったので、
「ハーイ」
と言って私は服を全部脱いで、洗濯機に入れました。
トイレに行ってふろ場に行ったなら、なんとお父さんが、服
ぬぎっぱなし。パンツ、くつ下、Tシャツ、シャツ、ズボン
(指を大きく折りながら)。
歩く場所なんてないんです。子どもにそんなこと言って自分
はしてない。大人として本当に情けないです。
そのときの様子を絵にかいて見せます。
(おもしろく家の中で服を脱ぎたおしている様子を解説しな
がら図を書いていく。みんなの笑い声)
私は、大人に「子どもに言っているのに自分はしていないこ
とをやめてほしい。」と、強く思っています。
今日の私のスピーチを終わります。(大きな拍手)
■ふりかえり「何を学んだのですか?」
『何を学んだのですか?』
という言葉をよく言いました。
例えば、漢字テストで合格点が取れなかった子どもに対して使います。もちろん
100点だった子どもにも話します。
「失敗や過ちを悪いこと」ととらえない子どもにしようと考えているのです。「結
果」だけに左右されることなく、そこからプラスになることを学ばせようと考え
ているのです。
1学期の初めに漢字テストで合格点がとれないA君に、
『今日の漢字テストで何を学んだの?』
と聞きました。叱られるとでも思ったのでしょう。A君は、
「すみません。次はがんばります。間違えたところは直します。」
と申し訳なさそうに話しました。
2,3回に1回は合格するようになりました。合格の時も、
『今日の漢字テストで何を学んだの?』
と聞き続けました。「合格しているのになぜ?」といった顔をして、
「練習したから取れました。次もがんばります。」
と答えていました。
1学期の間は、合格は続きませんでした。
2学期になっても、しつこく、
『今日の漢字テストで何を学んだの?』
と話しかけました。少しずつ話してくれる内容が変わって気ました。
合格の時は、
「自分で確認のテストをするようになりました。『もう大丈夫』と思っても、確か
めるようにしています。」
「合格が続いているのでうれしいです。続いたら苦手な気持ちがなくなってきま
した。」
「前にできなかったところを何回も練習しました。いつも間違うところをがんば
って練習しています。」
と話すようになりました。
不合格の時には、
「練習はしていました。落ち着きがなかったので間違いが多かったです。」
「漢字の意味まで調べていなかったのでダメでした。だだ書くだけではいけない
と分かりました。練習の仕方を考えます。」
といったことをふりかえり考えるようになりました。明らかに「言い訳」ではな
くなってきました。
「結果」から学ぼうというA君に成長してきました。3学期のA君が楽しみです。
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