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何が二人に起こったのか?



 そんなのではなかった、と思い当たるだろう。何が二人に起こったのか? 一つは男女が親しくなりセックスをする関係になった時、相手を所有した、あるいは、支配したかのように思うということがある。

 こんなことをいっていた人がいる。すてきな男性を職場で見つけた。積極的に彼を誘い、何度かデートを重ねた。その間、彼は終始やさしくて、こんなに愛されたことはなかった、と自分がいかに幸せか、と思い、その幸せを自分でも噛み締め、友人たちにも吹聴していた。

 ところがある日一夜を共にしてから二人の関係は急変した。朝、目を覚ましたら隣に彼がいた。すてき、生きているとこんなステキなことがあるんだ、と思った。そうだ、私はこの人とこれから先ずっと人生を共にするになるのだろう、と思ってはこんなふうに先のことまで夢見る性急な自分を恥じてみたりした。

 ところが、彼は目を覚ました時、幸せに酔いしれ茫然としている彼女にいった。

「おい、めし!」

この二人がその後どうなったかはいうまでもないだろう。

 もう一つは、親しくなれば多少ぞんざいな口のききかたをしても大丈夫だろうという思い込みである。戸籍に入っているからといって、また、セックスする関係だからといって安心していてはいけない。油断してはいけない。もしも絶えず二人の関係を振り返り、吟味しなければやがて嫌味をいったりもするようになる。彼や夫に家事をしてほしい時、「あなたはちっとも手伝ってくれないのね」といってしまったりする。

 そんなふうないい方をしないでもしもしてほしいことがあれば、丁寧にお願いをすればいい。「お疲れでしょうけど、夕食の後犬の散歩にいってくださったらうれしいのだけど」というふうに。もちろん、夫が妻に何かを頼む時も同じである。

 どうして夫婦(恋人なのに)そんないい方をしないといけないと思う人はいるだろうか? そもそも、あの人が悪いのに、どうして私がそんないい方をして折れないといけないの、という人がいるだろうか?

 たしかに彼(女)は間違っているかもしれない。しかし、自分の正しさに固執すれば、関係の修復はかえって困難なことになってしまう。二人の目標は、仲良くすることであるはずだから、自分の正しさを証明したところで、彼(女)が去っていってしまったら元も子もないことになる。



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