Hampton Hawesは特別好きなPianistではありませんが、独特のSwing感がありone and onlyなPianstであることは間違いないところでしょう。Hampton Hawesの代表作と言えば、多くの人が『Hampton Hawes Trio Vol.1』(Contemporary)を挙げられると思いますし、私もそう思いまする。このアルバムはレコード(国内盤だったと思います)もCDも持っています。CDは多分東京在住時の15年くらい前に買ったんだと思います。CD購入後に何度か聴いていますし、名盤なのは間違いないと思います。
で、、、 「For Real」なんですが、多分20~30年ぶりに聴きました。Harold LandのTenor Saxが入ったQuartetの演奏でオーソドックスなジャズなのでリラックスして聴けます。Harold Landは有名なClifford Brown & Max Roach Quintet(EMARCYレーベル盤)での演奏くらいしか記憶がありません。際立った特徴、個性はないSax奏者だとは思いますが、このアルバムでの演奏はなかなか良かです。Hampton Hawesはいつもの独特のSwing感、弾むようなピアノタッチと音色で好調です。
なんですが、多くの人の注目点はBassにScott La Faroが参加していることでしょう。このアルバムが録音されたのは1958年5月ですが、1961年7月に交通事故で亡くなっています。享年25歳です。若すぎる。。。
アルバムジャケット裏面にScott La Faroに関する囲み文章が載っています↓
Scott La FaroはRiverSide盤のBill Evans Trioでの革命的、革新的なBass Playで有名です。1958年~1961年にかけて録音された4枚のアルバムはどれもがBill Evans Trioの傑作と評価されており、Scott La Faroの貢献度は極めて高いです。
このアルバムの彼のBassは後年のBill Evans Trioでの演奏に繋がる好演で、Scott La Faroの特徴がかなり表出しています。Blind Testで聴いてもベテランのジャズ・ファンなら多くがScott La Faroだと当てられるでしょう。1958年当時、黒人にしろ白人にしろこういうBassを弾く人はほとんどいなかったと思います。
ということで、私は評価は★★★★☆です。いい演奏ですが五つ星(満点)をつけるほどのものではありません。あ~~~、Contemporaryのレコードは総じて録音が良いので有名ですが、この盤の録音も優秀です。Blue Note盤の録音で有名なエンジニア・Rudy Van Gelderのような演奏者の汗や唾が飛び散ってくるような濃厚な、熱い、中音域重視の録音ではなく、西海岸風のすっきりとした鮮明度が高い録音です。エンジニアはRoy DuNannです。
Discogs記載のデータを適宜編集して以下に貼っておきます。
Hampton Hawes For Real!
レーベル: Contemporary Records S7589 フォーマット: レコード, LP, Album, Reissue, SLM 国: US リリース済み: 1980年
収録曲 A1 Hip Written-By Hampton Hawes 6:14 A2 Wrap Your Troubles In Dreams Written-By Billy Moll, Harry Barris, Ted Koehler 9:20 A3 Crazeology Written-By Bennie Harris* 6:40 B1 Numbers Game
B2 For Real Written-By Hampton Hawes, Harold Land 11:21 B3 I Love You Written-By Cole Porter 3:50
会社名など 著作権 Contemporary Records, Inc.
マスタリング Sheffield Lab Matrix △284 マスタリング Sheffield Lab Matrix △305 プレス Columbia Records Pressing Plant, Santa Maria
クレジット Bass Scott La Faro* Drums Frank Butler Piano Hampton Hawes Recorded By [Sound By] Roy DuNann Tenor Saxophone Harold Land
ノート Early 1980s yellow label stereo reissue. SLM stamps in runouts indicate plating by Sheffield Lab Matrix. SLM delta codes △284 and △305 can date this release as early as 1980 (by comparing against other SLM releases).
CBS-SM in runouts indicate metal prepared for CBS Santa Maria which was known to press for Contemporary in the late 1970s and early 1980s (the plant closed in 1981).
Recorded March 17, 1958 at Contemporary Records in Los Angeles.