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【たかのえいさく】 @ Re:裏山のけものみち(11/02) こんばんは。 今年2014年も、宜しくお願い…
kopanda06 @ Re:裏山のけものみち(11/02) こんばんは。 年末、いかがおすごしでし…
雨ふらし。 @ こえめさんへ こんばん、わw   おひさしぶりです、こ…
kopanda06 @ Re:裏山のけものみち(11/02) こんばんは。 だらだらと登る道を歩む。 …
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【カーラ2

 人間界の街の一角で 、

カーラは人波を避けるように道端に立ち止まると、

そっとリカムに寄り添った。

彼のがっしりした胸と腕が、

カーラのほっそりとした、

しかし決して弱々しくは無い身体を、

しっかり包み込んだ。

そこに、浮き立つような心の動きがあったからではない。 

魔法国王の一人娘である、王女姫カーラと、

その第一側近として、彼女が生まれた日からお側に仕え、

生涯を捧げることを誓った

忠実な魔騎士、リカム。 

それは互いの立場として、当前の行為であった。

「リカム。少し歩き疲れました。」

「はい。では、何処かに――」

結界を張るのに良い場所は無いかと、

辺りに目をやる彼を制し、

カーラは疲れと不安からくる、やや硬い声で言った。

「いいえ、その必要ありません。休んでいる間に、

あの方を見過ごしてしまうかも知れない」

「分かりました。では、どうぞ、私に寄りかかってお休みください」

「ありがとう。そうするわ」

長いため息をつきながら、カーラは身体をリカムに預け、

信頼しきった表情で彼を見上げた。

リカムは複雑な思いを打ち消して、

そのやわらかに匂い立つ身体を支えた。

風があたりを吹きぬけて、二人の汗ばんだシャツを乾かしていく。

このまま、いつまでもこうしていたいと、

リカムは願うのだった。

         (つづく)      【次へ】

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Last updated  June 8, 2009 12:05:10 PM
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