愚者の日々…想うこと

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まんまんでー

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＜早春の道＞…詩をめぐる旅より

著者…伊藤信吉

詩…　尾崎喜八

『のべやま』と書いた停車場で

汽車をおりて、

私の道がここからはじまる。

高原の三月、

早春のさすらいの

哀愁もまた歌となる

さびしくて自由な私の道が。

開拓村の村はずれ、

年若い母親と子供二人に山羊一匹、

薄あおい大空　雪の光のきびしい山、

まだ冬めいた風景の奥に

遠く消えこむ枯れ草の道。

これが私に最初の画だ、歌のはじめだ。

私はこの画の中にしばしとどまる、

この牧歌にしばし私の調べをまじえる。

清らかな貧しさと愛のやわらぎ、

これが私たちの今朝の歌だ、

第一歩の祝福がここにあり、

私のさすらいがここからはじまる。

＊＊＊＊＊＊

■著者・伊藤信吉の文より引用

「早春の道」と題するこの詩を作ったとき

尾崎喜八は八ヶ岳麓の富士見高原に住んでいた。

戦火で家を焼かれ転々と居を変えていたのだが、

自分の純粋な生活を求めて、

昭和二十一年（１９４６）秋十月に、

長野県諏訪群富士見町の高原（富士見駅から十五分くらい）で

農耕と詩の仕事の生活に入ったのである。

富士見駅から野辺山駅までは、

途中の小淵沢で乗り換えをするが、

僅か六つ目の近さである。

しかし勾配はかなりきつい。

小淵沢を拠点にして、その標高は

小泉駅１０４４、大泉駅１１５８、清里駅１２７４

野辺山駅１３４６メートルとせり上がってゆく。

清里と野辺山の中間の鉄道線路の傍らに

標柱が立っていて【注・原文のままですので
ＪＲとなった現在、標識の有無は定かではありません】

「日本国有鉄道線路最高地点・標高海抜１３７５メートル」

と記してある。

降雪は５０～７０センチくらいだが、

３月の野辺山はまだ冬をのこしている。

八ヶ岳連峰の雪が白く光り、風は冷たい。

早春の高原の小さい旅。

高原の自然がもたらす哀愁。

哀愁の中に知る純粋なもの。

それは、

自然によって掻き立てられる精神的な

手応えというべきもので、

甘美な心の揺らぎとして、

一瞬のうちに消え去る情緒とは異なる。

ほのかな苦ささえ混じっているのだろう。

高原の夏は短い。

夏の花と秋の花がいっしょに咲き、

白樺林、松林にセミが鳴く。

私は長野県側、山梨県側の牧場をたずねたり、

はじめてみる八ヶ岳の主峰赤岳を遠望したり、

野イチゴの赤い実を摘んだりしながら、

夏の高原には夏の哀愁のあることを知った。

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Last updated 2009.01.28 03:53:22
コメント(8) | コメントを書く

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■コメント

Re:早春の道(01/27)

エスタビエンさん

なんだか懐かしい。
子供の頃親戚を訪ねて、諏訪・蓼科の高原には毎年行っていました。
勿論、戦後もヤギもありませ・・・あっ、隣家ではヤギを１匹かっていました（笑）

高原と云えば、夏、白樺の中を駆け巡る子供の私。
哀愁とは、全くかけ離れたものでしたね。
今度訪ねる時は、いくつもの思い出と哀愁が駆け巡る番でしょうか？
ＮＺもまさに高原の様な気候です。
空気が澄んでいて直射日光は肌をさすほど強いのに、ひんやり冷たい風が吹いています。
(2009.01.28 05:55:32)

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Re:早春の道(01/27)

トンカツ1188 さん

高原と　聴くだけで　心が躍りますね

家族と離れて　友人と初めて行った

蓼科山　その近くで　キャンプファイアー

今でも　思い出します

高原の春　芽吹きには早い　雪も残る

空気はおいしい　そんな所で生活したい

でも１週間無理でしょうね (2009.01.28 08:37:42)

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高原

店長　布上さん

こんにちは。

昔は夏休みに親に高原に旅行に連れて行かれても、
「避暑地って言っても、クーラーの方が涼しいジャ
ンか」なんて思っていました（笑）が、最近ようや
く高原の良さがわかるようになった気がします。
でも、冬はスキー以外は高原はイヤですね（笑）。

もしかしたら、あと２０年ぐらいしたら良さがわか
るようになるかもしれません。

(2009.01.28 13:51:19)

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Re:早春の道(01/27)

つきさ7794 さん

　日本国有鉄道線路最高地点という文字。野辺山高原とう高原名「そういえば聞いた事あるなあ・・・」と思い出しましたが、つきさの頭　不確かで　はっきりどこで・いつと思い出せず　もどかしい。

　ベランダでスイセンの匂いがわかるまんまんでーさん　うらやましい。

　つきさは　スイセンのそばに座り込んでも　花に近づけないと分からない　形だけの鼻。

　だから　折角ステキな詩を読んでも　チンプンカンプンの書き込みしか出来ない　無能な頭　いつもいつもゴメンナサイね。

　 (2009.01.28 21:09:40)

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Re[1]:早春の道(01/27)

まんまんでーさん

エスタビエンさん、こんばんは。

＞なんだか懐かしい。
＞子供の頃親戚を訪ねて、諏訪・蓼科の高原には毎年行っていました。
＞勿論、戦後もヤギもありませ・・・あっ、隣家ではヤギを１匹かっていました（笑）

この本はかなり古い本なので、現在の子供達には状況が想像がつかない様な詩なのかも解りません(^^;)
私の実家の近所にも子供の頃一軒だけヤギを飼っていた農家がありました。良く見に行ったものです（笑）

＞高原と云えば、夏、白樺の中を駆け巡る子供の私。
＞哀愁とは、全くかけ離れたものでしたね。
＞今度訪ねる時は、いくつもの思い出と哀愁が駆け巡る番でしょうか？

白樺林を駆け抜けていたなんて素敵な少女時代だったんですね。私は地元の海で真っ黒に日焼けしていた少女時代しか記憶にない。
夏休みに高原の避暑地に行くなんて、漫画の中のお嬢様の世界でしたねー。憧れでしたね軽井沢（笑）

＞ＮＺもまさに高原の様な気候です。
＞空気が澄んでいて直射日光は肌をさすほど強いのに、ひんやり冷たい風が吹いています。

この詩の解説文を読んでいて、エスタビエンさんが以前、書いてくれたコメントでＮＺの花のことを思い出しましたね～(^^;)
買い物と病院が近くにあれば一生住みたいような気がします。
(2009.01.28 22:23:41)

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Re[1]:早春の道(01/27)

まんまんでーさん

トンカツ1188さん、こんばんは。

＞高原と　聴くだけで　心が躍りますね

良いですねー蓼科高原に朝霧高原…
あの風景を思い出すともう一度行ってみたいと思います。でも生活するには慣れないと厳しいかと思います(^^;)

＞家族と離れて　友人と初めて行った
＞
＞蓼科山　その近くで　キャンプファイアー
＞
＞今でも　思い出します

記憶にいつまでも残る風景ってありますね。
思い出すと胸の奥が切なくなるような懐かしさが押し寄せてきたり…(*^_^*)

＞高原の春　芽吹きには早い　雪も残る
＞
＞空気はおいしい　そんな所で生活したい
＞
＞でも１週間無理でしょうね

トンカツさんのように行動的でパワフルな方はボーっとしているのが苦手なように思いますねー♪
きっと毎日そこら中を散策して歩いて回るのではないか…と想像します（ゴメンナサイ）(*^_^*)
(2009.01.28 22:38:43)

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Re:高原(01/27)

まんまんでーさん

店長　布上さん、こんばんは。

＞こんにちは。
＞
＞昔は夏休みに親に高原に旅行に連れて行かれても、
＞「避暑地って言っても、クーラーの方が涼しいジャ
＞ンか」なんて思っていました（笑）が、最近ようや
＞く高原の良さがわかるようになった気がします。

子供の頃ってみんな店長さんと同じように感じると思います。
現に我が息子をスキーに行こうと言ったら「この寒い冬になんでわざわざもっと寒い所に行きたがるの」って断られた想い出がありますよ(*^_^*)

＞でも、冬はスキー以外は高原はイヤですね（笑）。

春の高原は花が綺麗だし、のんびりしてて良いですよー(^o^)

＞もしかしたら、あと２０年ぐらいしたら良さがわか
＞るようになるかもしれません。

店長さんはお若いから～（悔しいなぁ～）っと云っていますが私も若い頃には高原よりも海でしたね…
年齢と共に山や高原に魅力を感じるようになりました…って何歳なんだ？（笑）

-----
(2009.01.28 22:47:41)

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Re[1]:早春の道(01/27)

まんまんでーさん

つきさ7794さん、こんばんは。

＞　日本国有鉄道線路最高地点という文字。野辺山高原とう高原名「そういえば聞いた事あるなあ・・・」と思い出しましたが、つきさの頭　不確かで　はっきりどこで・いつと思い出せず　もどかしい。

記憶にあるだけでも羨ましい気がします。
私は実際にそこに行って見たわけではないので、
ハッキリとした所在は解りませんが、詩の場所を旅をした著者の文章から「あーそんなに高いところに鉄道をひいたのか…」と読みながらまだ現存していたら一度見てみたいと思いました(^o^)

＞　ベランダでスイセンの匂いがわかるまんまんでーさん　うらやましい。

鼻は低いですが機能は敏感に反応してくれます。
嗅覚は発達している方で、犬には勝てませんが結構目隠しでも判別可能で優秀です(*^_^*)

＞　つきさは　スイセンのそばに座り込んでも　花に近づけないと分からない　形だけの鼻。

良い香りは匂うと幸せな気分になりますが、夏などになるとイヤな匂いまで嗅いでしまうので気分が悪くなったり、咽せたりと大変な思いもします(*^_^*)

電車やバスの中でキツいコロンを付けてる人が隣に座ったらノックアウト状態です。
余り鼻が敏感でも良いことは少ないですよ～（笑）

＞　だから　折角ステキな詩を読んでも　チンプンカンプンの書き込みしか出来ない　無能な頭　いつもいつもゴメンナサイね。

コメントを書いて頂くだけで有り難いと思っていますし、読んでいてちゃんと解りますので、そんなに恐縮しないで下さいー♪
これからも宜しくお願いしますー☆
(2009.01.28 23:13:20)

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