光ちゃんもうすっかり少年。

こんな痛みって!何??

tokei午後3時頃(?)

やっとの事で、分娩室に入れてくれた。
『もう駄目だあ!!痛み止めを打ってくれ~・・』(麻薬患者みたいだな)ママは言った。
そう!さっき、確か看護婦さんが言っていた。
『あまりにも我慢できなくなったら、痛み止め打ちますから、言って下さいねえ』って。

『もう駄目!!痛み止めを打ってもらってよ~』ママはパパに言った。
『え?あ・・そう?』パパはもうどこかに行ってしまっている様子。もぬけの殻って奴ね。(あなたが疲れてどうするんじゃ!)
『あのお・・痛み止めを打って欲しいって言っているんですが・・』と、パパ。
『え?もうここまで痛みが進んでいるとねえ・・打っても効かないんですよ~。それに、さっき一回打ったんですけれどねえ・・効いていないですねえ』と看護婦さん。

えええええええ!!! そりゃ無いよ~。そう言えば、待機室に入った時に、何か注射打ったっけ・・』
つまり、もうこのまま、この激痛に耐えるしか無いって事か・・

『そうそう!おトイレ行きます?膀胱にオシッコが溜まっていない方が、少し痛みが安らぐんですけれど~』助産婦さんは言った。
『おいおい・・動けないっての・・』ママは思った。

動けません~・・ 』ママ言った。
『じゃあ、チョット痛いけれど、管差して抜きましょうか?』看護婦さんは言った。
『この際、楽になるなら何でも勝手にしてくれーーー』ママは思った。
管を差した痛みなんてのは何も感じなかった・・でも、本当に心なしか楽になった気がした。(一瞬ね。)

ママは身体の回り全体に痛みのオーラが張り巡らされている気がした。

『まだ力んじゃ駄目よ~!ほら!痛み逃しの呼吸法して・・ははっはーー』と看護婦やら助産婦さんやらパパやらが煩い。
『力んでいないっての!!』ママは思った!足が突っ張っているだけだっての!!(これが力みなんですねえ・・あはは。実はね・・)

痛いよおおおおお!!いたーーーーーいい! 』皆がどうせ分からないので、ママは日本語で叫んでいた。(痛くても、どこか冷静で居られるのね・・)

『もうお腹を切って出してよ~~!!』ママはパパに言った。
『それももう遅いよ・・陣痛が来たら。。産むしか無いんだよ・・』パパは他人事のように言った。
『こいつ!!そう思ってもなんとか言えないのか?もう!あっちにいけええーーー!!』ママは本気でそう思って、ママを抱き寄せているパパを思い切り突き放した。

がねえ・・あなた・・・勘違いも程ほどにして欲しいんだけど。
パパはこの行為が『あ~。ママは痛くて仕方が無いんだ!もっと、抱き寄せてやらなきゃ~!』って思ったらしいのよね。
逆に、きつく抱き寄せられちゃった・・

『違うっての!! 鬱陶しいんだって!!あっちにいけえええええ 』ママは思って、もっと突き放す。
が・・勘違いのはなはだしいパパは『あ~。まだ足りないのか~』ってますますきつく抱きしめる。

離してよ!!!苦しい~!! 』ママは苦しいのと痛いのと、腹が立つのとで大声(日本語)で言った。
『おや?』と言う顔でパパはママを見た。

『何て言っているの?』と、回りは聞いた。

『死ぬ~。って言っているらしい。死なないから大丈夫だから!僕がここに居るから~』と、パパは人生最大の勘違いをした。
回りも『大丈夫ですよ~。この痛みは、普通だから~』と言う。

『だ~れ~が、 死ぬ~! なんて言ったんだよ!!適当な通訳なんてするなよ!』ママは陣痛の痛みに耐えながら(全然耐えていない・・)、このバカヤロウを恨めしそうに見た。

先生が来たのはいつだったんだ?
『もうすぐだけど・・まだ力んじゃ駄目だよ~』と言って去っていった。(通りすがりの人だったのか?)
『だ~か~ら~・・力んでいるつもりは無いんだけど、我慢しているだけだって~・・』ママは思う。

『そんなに力んじゃ、 お腹の赤ちゃん が苦しいわよ~!駄目よ~』と言われても、ママは力んでいるつもりは無いんだもの。どうすりゃいいのか?分からないよ・・・
とは言え・・・ママの右足はベットの端をへし曲げるんじゃないか?って思うほど押していた。

しかし・・ お腹の赤ちゃん この言葉は、この時点でママかなり参っていた。
だって・・この一言を言われると、自分がこの子を苦しめているのか・・って思うじゃない?そういうのって、かなり罪悪感を感じる。

でも・・苦しいのは私なのよ~!!!!私だって苦しいんだからあああ!
『おい!そこで、一緒に参っているお前!(パパの事)私に触るな!!』そう言いたい気分だった。

なんと言っても、体中が痛い。身体の回り30センチ以内に近づかれただけで痛みが感じるような気がする。

明らかにママの身体に別の生き物が居る!それが意思を持っている。
そう思った。

『痛い~。いたいよ~!!痛いって~!』涙が出てきた。パパはそんなママを見て『死なないから大丈夫だから』と言う。
『はなせーーーー!離せって言っているんだ!それに死ぬなんて言って居ない!』 ママはそう言いながらパパをどついた。
『大丈夫よ~。死んだりしないから~』回りでは看護婦さんやら助産婦さんやらが笑う。
『くそ・・』悪態とつく・・ママ。

苦しみだしてどれくらい時間が経っただろう?手や足が麻痺してきた。ついでに悪態をついている口までが・・コリャいったいどうしたんだ?

『手がしびれているよ~・・』と言うが、口がきけない。
『また、罰が当たったんだ・・・神様ごめんなさい・・』
そう、きっとあまり酸素を吸い過ぎて過酸化症候群になっていたんだろう。

『さて!そろそろ、大丈夫かな?』先生が来た♪

《ウンチ出ちゃったら・・どうしよう?》に続く・・


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: