読書とアメカジの日々とetc.

1巻 を読んでから続きが気になってたんですよねこの漫画。

ランド 2

山下和美

ランド 2  講談社モーニングKC


１巻同様に面白いですこの漫画。
しかしながら変わらずランドの正体はハッキリしません。
もう少し話が進めばそのあたりもわかってくるんでしょうね～。
たぶん。
内容が伝奇的なんですけど遠くに見えるランドは現実世界の大都会のような景色。
この巻では主人公の杏は姉のアンと接する機会が増してます。。
しかしながら姉妹の交流的な暖かなものはなくその関係はまだ殺伐としてます。
姉のアンのことが描かれてる部分が多く、1巻では異形の子としての部分のみが目立ってましたが、2巻では内面的なこと？成長過程を見ることができてアンに対する印象が変わりました。
人間の弱い部分・醜い部分が集団心理として現れるのは漫画でも小説でも現実でも同じ。
杏の幼馴染の平太もすっかり周囲に流され影響され、杏やその叔母である真理にとる態度考えかたが変わっていきます。ある意味風刺が効いてるといってもいいのかもしれません。
主人公達が暮らしている世界は江戸か明治か昭和初期かっていう山村ですから、そういう場所で集団の中からはみ出るってのはかなり怖いことですよね。
アッという間に村八分。
しかもランドの世界の中では生贄って習慣が当たり前のように存在するので無理矢理に理由をこじつけてでもはみ出し者を生贄にっていうことがまかり通る。
これまた現実世界と一緒。
為政者の支配の安定のために生贄を利用する。
今も昔もよくあること。
悪事を働いたから生贄になるではなく、生贄になるからには何か悪事を働いたに違いない。
そういうふうに考えてしまう心理って怖いですがこれもよくあること。
と、漫画や小説を読むと考えさせられることって多いです。
作品にもよりますけど。
本の帯に
「ねえ知ってる？人間を縛る最初の呪いって何なのか」
山下和美が抱く日本への不安が滲み込む最新刊
ってあるように、世界観や内容は明るさとは程遠いですけど面白いですこの漫画。
誰が読んでも面白い！って感じではないですけど。
しかし読んで損はないかなと。

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