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大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう
前巻が面白かったので続きも面白いに違いないって期待しまくって読みました。

大江戸科学捜査
八丁堀のおゆう
両国橋の御落胤
山本巧次
大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 両国橋の御落胤 宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ
山本巧次
江戸と現在を自由に行き来し、現在科学の力で江戸の事件を解決する!
時代モノが好きでSFが好きな私にはタマラン小説です。
さて今回はサブタイトルにもある御落胤問題にヒロイン・関口優佳(おゆう)が巻き込まれます。時代劇なんかをみてると頻繁にネタとして登場しますよね御落胤。
太平の世になると殿様の重大な使命は戦場にはなく跡継ぎを残すこと。
それこそ種馬のように。
徳川家斉なんか凄まじいですよね~。
物語は小間物問屋・大津屋正五郎に呼ばれ、正五郎の息子の清太郎の出生に疑義が生じていると相談されるところからはじまります。
清太郎を取り上げた産婆の おこう から生まれたときに他所の子と仔細あって入れ替わったという内容の手紙が届き、そのことで悩んだ正五郎から事件を解決してほしいと優佳(おゆう)に依頼が。
分析マニアの宇田川という強力カードを持ってる優佳(おゆう)は小芝居をして親子の口の中に綿棒を突っ込んで分析用のサンプルを無事にゲット。
そして現在科学の力でDNA鑑定。
宇田川から聞かされた答えは
「親子関係が存在する確率は、99.9パーセント」
ほぼ確実に親子。
それをそのまま伝えることができたら問題は即解決なんですけど、江戸時代で「あなたがた親子の唾液で親子関係が証明されました」なんて言っても?????で理解されるわけがないですし、下手したら頭がおかしいと思われて悪評が立ってしまいます。
だから、それをどうやって噛み砕いてというか江戸風に翻訳するかが問題になるんですけど、結果を上手く説明できないうちに事件はドンドン複雑化していきます。
答えはわかっているのに、その答えを伝えることができないというストレスの中で優佳(おゆう)は悶々としながら複雑化した事件の解決に四苦八苦。
複雑化したのは清太郎と取り替えられたという子供が備中矢懸藩奥山家四万石の藩主の御落胤だからなんですけど、そこには関係者の思惑が絡み合い魑魅魍魎が跳梁跋扈。時代劇でもお馴染みの跡継ぎをめぐってのお家騒動なんてものが勃発します。
小間物屋の跡継ぎの親子関係の問題からはじまり大名家を巻き込んでの大騒動に発展。
DNA鑑定により御世継ぎ問題なんて起こりようがないってことをしってる優佳(おゆう)はどうやって問題を解決に導くのか?
そういうのが今回の面白いところでした。
人間関係にも変化があり、分析マニアの宇田川の不器用な温かさもみれました。
OLをやめてしまった優佳(おゆう)は貯金を切り崩して生活してるんですが、江戸で得た報酬の小判を現在で使うわけにもいかず現在世界での生活苦へのカウントダウンがはじまってたんですが、宇田川が優佳(おゆう)をたすけるために小判を何枚か買い取ると提案。
宇田川は変人ですけど優秀ですからけっこうな高額所得者です。
宇田川の心遣いに気付かないほど鈍感ではない優佳(おゆう)との人間関係は微妙に変化しそうですが、そこには友情はあっても愛情はなさそうです。
愛情のほうは江戸の住人で南町奉行所の同心・鵜飼伝三郎と育んでます。
今回はその伝三郎が優佳(おゆう)の正体に気付いてしまいました。
何故か?それは伝三郎も優佳(おゆう)と同じ時間旅行者だからなんですけど、伝三郎は優佳(おゆう)のように行き来はできず一方通行なタイムスリップです。
今回は伝三郎を指揮している内与力・戸山兼良という人物が登場するんですが、その戸山が物語り終盤で放った言葉にスッキリ気分爽快。
いかにも時代モノです!みたいなセリフって燃えるものがあります。
江戸の町に理解者も徐々に増え、ますます江戸と現在の二重生活が面白くなってきた優佳(おゆう)の今後が楽しみで仕方がないです。
ちなみに前巻での表紙絵ではスタンガンを、今回の表紙絵では指紋採集キットを手にしてます(笑)
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